災害が起きたら

電力が復旧するまでの停電時の過ごし方!注意点や事前対策も解説

災害で停電が発生した場合、まずは停電の範囲を確認して身の安全を確保する必要があります。すべての家電のプラグを抜き、ブレーカーをオフにしておきましょう。非常用電源を活用すると、停電時も家電が使用できます。

この記事では、電力が復旧するまでの停電時の過ごし方について解説します。また、停電時の注意点や事前対策についても触れています。

この記事を読めば、突然の停電による不安が解消され、安全に過ごすための対策を整えられるでしょう。停電時の過ごし方について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

災害で停電したら最初にやること

チェックリスト災害で停電したら最初にやること
1. 停電の範囲を確認する
2. すべての家電のプラグを抜く
3. ブレーカーをオフにする
4. 非常用電源を活用する

災害で停電したらおこなうことを、チェックリストにまとめました。ここからは、各工程について解説します。

1. 停電の範囲を確認する

停電フローチャート

はじめに、近所も停電しているのか、それとも自宅のみが停電しているのかを確認しましょう。近所も停電している場合、電力会社のホームページやアプリで周辺地域の停電情報を確認してください。

自宅のみが停電している場合、どのブレーカーが落ちているのかを確認しましょう。アンペアブレーカーが落ちている場合は、電気の使いすぎが原因です。一度に使用する電化製品を減らしてからブレーカーを上げてください。

安全ブレーカーが落ちている場合、特定の部屋での電気の使いすぎや家電の故障、配線の短絡(ショート)が原因と考えられます。

一方で漏電ブレーカーが落ちている場合は、配線や家電が漏電している恐れがあります。安全のために触らず、速やかに電力会社や専門業者へ連絡してください。

2. すべての家電のプラグを抜く

災害により電気がいつ復旧するかわからない場合、使用中だった家電のプラグをコンセントからすべて抜きましょう。停電復旧と同時に電源が入り、通電火災に発展する恐れがあるためです。

アイロンやドライヤーなどの電熱器具は、特に火災の原因となりやすい家電です。復旧時のトラブルを防ぐためにも、家中のプラグを忘れずに抜いておきましょう。

3. ブレーカーをオフにする

避難などで自宅を離れる場合や停電が長引くときは、ブレーカーをオフにしましょう。

ブレーカーがオンのままだと、復旧のタイミングで電気が流れ、火災や漏電を引き起こす可能性があるためです。ブレーカーを落としておけば、不在時に電力が復旧しても通電火災のリスクを軽減できます。

ブレーカーを落とす際は、以下の順で操作してください。

  1. 安全ブレーカー
  2. 漏電ブレーカー
  3. アンペアブレーカー

※分電盤の種類や構造によって異なる場合があるため、表示や取扱説明書に従って操作してください。

4. 非常用電源を活用する

自宅に太陽光発電システムや蓄電池がある場合、自立運転モードに切り替えましょう。設定を変更することで、停電時でも専用のコンセントから電力を利用できます。

ポータブル電源を所有していれば、スマートフォンの充電や家電の使用が可能です。非常用電源があれば、長期の停電にも備えられます。

停電してから復旧するまでの過ごし方

チェックリスト停電してから復旧するまでの過ごし方
1. 懐中電灯・ランタンで明かりを確保する
2. 保冷剤を冷蔵庫に入れる
3. 災害用トイレを使用する
4. スマートフォンを低電力モードにする
5. ポータブル電源などで電力を確保する

災害で停電したときは、上記のチェックリストを参考に行動しましょう。ここでは、それぞれの方法について解説します。

1. 懐中電灯・ランタンで明かりを確保する

夜間に停電すると部屋が真っ暗になるため、懐中電灯やランタンで明かりを確保しましょう。照明器具は用途に合わせて使い分けると便利です。

トイレや別の部屋へ移動する際には、足元をピンポイントで照らせる懐中電灯が役立ちます。一方で、リビングなどの室内全体を明るくするには、ランタンを室内に置くことで広範囲を照らせます。

2. 保冷剤を冷蔵庫に入れる

停電に気づいたら、冷凍庫にある保冷剤を冷蔵庫に移しましょう。電気が止まると冷蔵庫内の温度が上昇し、食品が傷むリスクが高まります。保冷剤を入れておくことで、庫内の温度上昇を緩やかにできます。

冷蔵庫のドアを開け閉めしなければ、数時間程度は食品の鮮度を維持できます。長時間の停電が予想される場合は、傷みやすい食材から消費しましょう。

【あわせて読みたい】停電時に冷蔵庫は何時間持つの?対処法や停電対策を解説

3. 災害用トイレを使用する

災害で停電が発生した際は、無理に水を流さず災害用トイレを使用しましょう。下水道の破損やポンプの停止により、トイレの水を流せない場合があります。

災害用トイレがない場合は、被害を受けていない周辺施設のトイレを借りるといった対策も必要です。

マンションなどの設備状況によっては、バケツの水で流せるケースもあります。詳細は関連記事を確認してください。

【あわせて読みたい】断水中のトイレの流し方とは?注意点や使用できない場合の対処法も紹介

4. スマートフォンを低電力モードにする

スマートフォンのバッテリー消費を抑えるため、設定画面から低電力モードへ切り替えましょう。災害時のスマートフォンは、家族との連絡や情報収集に必要な道具です。

通信を使用しないときは、Wi-FiやBluetoothの設定をオフにすると、バッテリーの消耗を防げます。周囲を明るくする目的でスマートフォンのライトを使い続けると充電の減りが早くなるため、明かりが必要なときは懐中電灯を利用しましょう。

5. ポータブル電源などで電力を確保する

ポータブル電源や蓄電池を所有している場合、停電中の電力確保に活用しましょう。

あらかじめ充電しておいたポータブル電源があれば、電子レンジや電気ケトルなどの家電製品を使用できる場合があります。火を使わずに安全な調理ができ、扇風機やヒーターで室温を調整できるため、生活の質を保つうえで役立つでしょう。

災害による停電時の4つの注意点

チェックリスト災害による停電時の4つの注意点
1. 切れた電線や水に浸かった器具には触れない・使わない
2. ガソリン・カセットボンベ式の発電機は屋内で使用しない
3. 可能な限りろうそくは使用しない
4. エレベーターに閉じ込められても無理やり開けない

停電中は安全を確保するため、上記4つの点に注意しましょう。ここでは、各注意点について解説します。

注意点1. 切れた電線や水に浸かった器具には触れない・使わない

屋外へ避難する際は、切れた電線や水に浸かった電気器具には近づかないでください。電線や器具に電気が流れている恐れがあり、不用意に触れると感電する危険があります。

水害にあった家屋で電気を使用する場合、電力会社や電気工事店などの専門業者による点検を受けるまで、通電しないようにしましょう。

注意点2. ガソリン・カセットボンベ式の発電機は屋内で使用しない

ガソリンやカセットボンベを燃料とする発電機は、屋内や密閉された空間で使用してはいけません。排気ガスには一酸化炭素が含まれており、換気の悪い場所で使用すると一酸化炭素中毒を引き起こします。

倉庫や車庫など、窓を開けていても空気がこもりやすい場所での使用は避けましょう。

注意点3. 可能な限りろうそくは使用しない

停電時の照明として、ろうそくを使用するのは避けましょう。火のついたろうそくは火災の原因になり、特に周囲に紙や布などの可燃物がある環境では出火のリスクが高まります。

やむを得ず使用する場合は、不燃性で安定した台の上に置きましょう。安全のため、なるべくLEDの照明器具を活用してください。

注意点4. エレベーターに閉じ込められても無理やり開けない

エレベーターに閉じ込められた際の対処法

停電でエレベーター内に閉じ込められた場合でも、自力で扉を無理に開けようとしないでください。かごが階と階の間に停止している場合、隙間から転落する危険があります。

閉じ込められたときは、すべての階のボタンを押し、最寄りの階で扉が開くか確認しましょう。扉が開かない場合は、操作盤にある非常用インターホンボタンを押して外部へ連絡してください。

【あわせて読みたい】地震でエレベーターに閉じ込められたら?対処法や確率も解説

災害による停電への備え

チェックリスト災害による停電への備え
1. 飲料水・非常食
2. 懐中電灯・ランタン
3. 現金
4. 除菌グッズ・医薬品
5. ラジオ
6. 防寒具・暑さ対策グッズ
7. モバイルバッテリー
8. ポータブル電源

在宅避難を前提とした場合、長期間の停電に耐えられる事前の備えが必要です。チェックリストを参考に防災グッズを備えましょう。

1. 飲料水・非常食

3日分の食料の例

災害に備えて、家族の人数分の飲料水や非常食を準備しましょう。

停電が発生すると浄水場のポンプが停止し、断水する恐れがあります。さらに、電子レンジやIHクッキングヒーターが使えなくなるため、調理の手段も限られます。

飲料水や調理不要でそのまま食べられる非常食を、最低3日分、できれば1週間分用意してください。家族の人数に合わせた十分な量を確保し、定期的に賞味期限を確認して備蓄品を入れ替えることが大切です。

2. 懐中電灯・ランタン

夜間の室内の明かりを確保するため、懐中電灯とランタンを複数用意しましょう。ランタンは部屋に置き、懐中電灯は移動や避難時に足元をピンポイントで照らすのに役立ちます。

さらに、家族1人につき1台以上の照明器具を備えておくのが理想です。

3. 現金

停電すると、ATMやクレジットカードの決済端末が使用できなくなる可能性があるため、現金を用意しましょう。公衆電話を使うための10円玉や100円玉も用意しておくと安心です。

4. 除菌グッズ・医薬品

衛生環境を清潔に保つため、ウェットティッシュや手指用の除菌スプレーなどの衛生用品を用意しましょう。断水により水道が使えなくなると、手洗いや食器洗いができなくなるケースがあります。

また、停電中は空調が使えなかったり、食事が偏ったりすることで、体調を崩すリスクが高まります。頭痛薬や胃薬などの市販薬に加え、普段から服用している処方薬も余裕をもって用意してください。

5. ラジオ

正確な災害情報を取得するため、情報収集の手段としてラジオを用意しましょう。停電中はテレビが映らなくなり、インターネットでも通信障害が発生するリスクがあります。

スマートフォンのみに依存すると、バッテリー切れの際に外部との連絡や情報の取得ができなくなる可能性があります。乾電池で動く電池式ラジオや、手動で発電できる手回し充電式のラジオを準備すると安心です。

6. 防寒具・暑さ対策グッズ

グッズ用意するアイテムの例
防寒具ダウンコート、マフラー、手袋、厚手の靴下、使い捨てカイロ、充電式カイロ
暑さ対策グッズ充電式扇風機・ハンディファン、冷たいタオル、ネックリング、冷却タオル

夏は熱中症、冬は低体温症のリスクが高まるため、季節に応じた暑さ・寒さ対策グッズを用意しましょう。停電が発生するとエアコンや扇風機が使えず、室内の温度調整が困難になります。

【あわせて読みたい】停電時にエアコン代わりになる3つのものとは?事前にできる備えも紹介

7. モバイルバッテリー

モバイルバッテリーがあれば、コンセントからの給電がなくてもスマートフォンを充電できます。災害時には、被害状況の確認や家族の安否確認など、スマートフォンの役割がより重要になります。

長期間の停電に備え、大容量のモバイルバッテリーを家族の人数分を用意しておきましょう。普段からカバンに入れて持ち歩くと、外出先で被災した際も連絡手段を確保できます。

8. ポータブル電源

ポータブル電源を備えておけば、モバイルバッテリーよりも大きな電力を必要とする家電製品を稼働させられます。冷蔵庫や照明器具などの家電を動かせる場合があり、停電時の不便を和らげる効果が期待できます。

電気ケトルでお湯を沸かしたり、電子レンジで温かい食事を用意したりすれば、被災時のストレス軽減にもつながるでしょう。

予算や保管スペースに合わせて、適切な容量の製品を選んでください。

災害による停電時の過ごし方でよくある質問

FAQ

最後に、災害による停電時の過ごし方でよくある質問に回答します。

停電したらどこに連絡する?

停電が発生した場合、まずは自宅の状況を確認し、周囲の家でも電気が消えているか確認しましょう。近隣一帯が停電している場合は、電力会社のホームページやアプリで停電情報を確認してください。

自宅だけが停電しているときは、配線の断線や漏電の疑いがあります。ブレーカーが落ちていないのに停電した場合は、契約している電力会社へ連絡しましょう。

ブレーカーが落ちていないのに急に停電したのはなぜ?

自宅のブレーカーが落ちていないのに急に停電した場合、まずは窓から近所の状況を確認しましょう。自然災害の影響で近隣一帯の電気が消えていたら、電柱や送電線などの設備が被害を受け、電力会社からの電力供給が停止している可能性があります。

一方で、自宅のみが停電している場合は、屋外の引き込み線の断線や電気メーターの故障が原因と考えられます。自力での復旧は難しいため、電力会社に点検を依頼してください。

停電したらブレーカーはどうする?

災害により電力がいつ復旧するかわからない場合は、家中のすべての家電のプラグをコンセントから抜き、ブレーカーをオフにしましょう。

プラグを挿したままにしたり、ブレーカーをオンのままにしたりすると、電気が復旧した際に通電し、火災を引き起こすおそれがあります。

【あわせて読みたい】【災害時の備えつき】停電したらどうする?ブレーカー別の対応もあわせて解説

ブレーカーが落ちていないとき停電はすぐ復旧する?

自然災害が原因で送電網に被害が出た場合、ブレーカーが落ちていない状態での停電であってもすぐ復旧するとは限りません。

復旧の見込みや作業の進捗については、各電力会社の公式ホームページで発信されます。

災害時の停電復旧までの目安は?

災害の種類過去事例に基づく復旧期間の一例
地震数日〜数カ月
台風数日〜10日以上
大雪約1週間
落雷数十分程度

災害の種類や規模、設備の被害状況によって、停電復旧までにかかる時間は大きく異なります。上記の表は、過去の事例をもとにした復旧期間の一例です。

実際の被害状況によっては、さらに長引く場合もあります。政府や電力会社が発表する公式情報をこまめに確認し、長期化を見据えた備えを進めてください。

電力が復旧するまでの停電時の過ごし方を知って備えよう

災害による停電が発生した際は慌てずに周囲の状況を確認し、身の安全を最優先に確保しましょう。そのうえですべての家電のプラグを抜いて通電火災を防ぎ、ブレーカーをオフにしてください。また、必要に応じて非常用電源を活用しましょう。

復旧までの生活を乗り切るためには、飲料水や非常食、モバイルバッテリーなどの事前の備えが必要です。季節に合わせた防寒具や暑さ対策グッズを用意すれば、過酷な環境下でも体調の悪化を防ぐことにつながります。

この記事で紹介した過ごし方や注意点を参考にし、各家庭の状況に合わせた防災対策を今日から進めてください。