災害が起きたら

神奈川県で津波はどこまで来る?津波の想定結果と備えのポイントを解説

神奈川県で大規模な地震が発生した場合、相模湾や東京湾に面した沿岸部を中心に津波の被害が出ると想定されています。津波は地震の揺れのあと短時間で到達するとされており、地震発生後に避難の準備を始めると逃げ遅れてしまう可能性もあります。

自分や家族の安全を守るためには、事前に津波のリスクを理解し、必要な備えを進めておくことが重要です。

本記事では、神奈川県の津波リスクについて詳しく解説します。地域別の最大津波の高さや到達時間についても紹介するので、これから津波対策を進める方はぜひ最後までお読みください。

目次

神奈川県で津波が危ない場所はある?

避難タワー

神奈川県では、相模湾や東京湾に面した沿岸部で地震発生後、短時間で高い津波が到達する可能性があるとされています。一方で、海から離れた内陸部では、津波の直接的な影響は比較的限定的と考えられています。

ただし、河川沿いや低地では津波が遡上するおそれもあるため、注意が必要です。なお、南海トラフ地震や神奈川県で想定されている津波の具体的な影響については、後ほど詳しく解説します。

また、津波シミュレーションをもとに、地域ごとの違いや特に注意が必要なエリアについても解説しているので参考にしてください。

南海トラフ地震で神奈川の津波はどこまで来る?

南海トラフ地震が発生した場合、神奈川県でも地震の揺れや津波への警戒が必要とされています。特に、想定されている震源域の全域や東側で地震が起きたケースでは、津波の影響が及ぶ可能性があります。

神奈川県の地震被害想定調査報告書によると、想定震源域の東側で地震が発生した場合、相模湾から東京湾にかけて約2〜9mの津波が想定されており、沿岸部を中心に注意が必要です。

また、津波の到達時間は相模湾内で30〜40分程度、東京湾内で60分以上と想定されています。

ただし、地震の震源位置や規模によって津波の規模や影響範囲は異なるため、神奈川県では広い範囲で津波への備えをしておくことが重要です。南海トラフ地震への備えや想定される影響については、以下の記事を参考にしてください。

【あわせて読みたい】南海トラフはいつ来る?政府の被害想定と今すぐできる防災対策を解説
【あわせて読みたい】南海トラフ地震に備えてできること7選!地震発生時の行動もわかりやすく解説

【条件・エリア別】神奈川県の津波シミュレーション

神奈川県では、さまざまな地震が起きた場合を想定し、以下の4つの地震モデルをもとに津波のシミュレーションをおこなっています。

想定地震名マグニチュード
慶長型地震8.5
元禄型関東地震と国府津-断層帯地震の連動地震
相模トラフの海溝型地震(西側モデル)8.7
相模トラフの海溝型地震(中央モデル)8.7
出典:神奈川県│神奈川県沿岸における津波浸水想定説明資料

地震の規模や震源によって津波の影響は変わるため、複数のモデルを使って津波の規模や到達時間が検討されています。ここでは、地震モデルをもとに想定されている最大津波の高さや、津波が到達するまでの時間について見ていきましょう。

最大津波の高さ

神奈川県の津波シミュレーションでは、沿岸部を中心に高い津波が想定されているのが特徴です。東京湾沿岸では、鶴見区・神奈川区・西区で最大3.9m、中区で最大3.7mの津波が想定されています。

一方で、相模湾沿岸では大磯町・二宮町で最大17.1m、ほかの市区町でも10mを超える可能性があるといわれています。

津波の高さは地域によって大きく異なるため、自分の住むエリアでどの程度の津波が想定されているのかを把握しておくことが重要です。

津波の到達時間

相模湾沿岸では、大磯町・二宮町をはじめ、多くの地点で津波の到達時間が1分程度と想定されています。また、東京湾沿岸でも、鶴見区・神奈川区・西区・中区では1分程度となっており、地震の直後に津波が来る可能性があります。

このような地域では、警報を待ってから行動するのではなく、揺れを感じた時点で避難を開始する意識が必要です。津波の到達時間の考え方について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

【あわせて読みたい】津波の到達時間はどれくらい?南海トラフ・東日本大震災の事例も解説

最大津波の到達時間

最大津波の到達時間は、想定される最大津波高の波が沿岸に到達するまでの時間を示す指標です。相模湾沿岸では、大磯町・二宮町で最大津波の到達時間が3分と想定されており、短時間で大きな津波が到達する可能性があります。

東京湾沿岸では、鶴見区・神奈川区・西区で128分、中区で126分と、相模湾沿岸と比べると時間的余裕があると考えられています。ただし、必ずしも安全を意味するものではありません。想定よりも早く津波が到達する可能性もあるため、速やかに避難行動を取れるように準備しておきましょう。

神奈川県で津波に備える際の5つのポイント

神奈川県は海や湾、河川に面している地域が多く、地震が発生した場合には津波による大きな被害が出る可能性があります。地震や津波から身を守るためには、事前に対策しておくことが重要です。

ここでは、神奈川県で津波に備える際の5つのポイントを紹介します。実践できそうなものから取り入れて防災対策を進めましょう。

1. 津波ハザードマップで危険性を把握する

まずは津波ハザードマップを確認し、自分の生活圏にどの程度のリスクがあるのか把握しましょう。神奈川県内の各市町村では津波ハザードマップを公開しており、浸水が想定される区域や浸水の深さ、避難場所などを確認できます。

自宅だけでなく、職場や通学先、よく訪れる場所についても確認しておくことが重要です。たとえば、川崎市の津波ハザードマップでは、避難施設の場所や公共施設、ライフライン事業者の連絡先なども掲載されています。

ハザードマップの見方や種類については、以下の記事で詳しく解説しています。

【あわせて読みたい】ハザードマップの種類をわかりやすく解説!マップ別の特徴と使い方も紹介

2. 近くの避難施設を確認する

災害時にすぐ向かえる避難施設を把握しておくことも重要です。避難所や津波避難ビル、避難タワーなどの場所を事前に確認しておくことで、地震発生後に速やかに行動しやすくなります。

沿岸部では短時間で津波が到達する可能性があり、揺れを感じてから避難先を探していると逃げ遅れることも考えられます。普段の生活の中で、徒歩で向かえる避難施設や安全なルートを確認しておきましょう。

3. 防災アプリをダウンロードする

災害時は停電や通信障害などにより、正確な情報を得ることが難しくなる場合があります。そのため、事前に防災アプリをダウンロードしておくことがおすすめです。

防災アプリを利用すれば、津波警報や注意報、避難情報などをスマートフォンで素早く確認できます。たとえば「Yahoo!防災速報」や「NHK ONE ニュース・防災」などは、信頼性の高い情報をわかりやすく提供しています。防災アプリごとの特徴や選び方については、以下の記事を参考にしてください。

【あわせて読みたい】災害時に役立つおすすめの防災アプリ7選!選び方や利用する際の注意点も解説

4. 普段から備蓄を進めておく

普段から食料品や飲料水、生活必需品を備蓄しておきましょう。津波が発生した場合、電気やガス、水道などのライフラインが停止する可能性があります。少なくとも3日分、できれば1週間分の水や非常食を用意しておくことで、避難生活や在宅避難時の不安を軽減できます。

また、避難所へ移動する場合に備え、非常用持ち出し袋をすぐに持ち出せる場所に準備しておくことが重要です。以下のチェックシートを参考に、家族構成やライフスタイルなどにあわせて備蓄を進めましょう。

非常用持ち出し袋 チェックリスト

チェックリストのダウンロードはこちら

災害発生時に必要な持ち物についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

【あわせて読みたい】【チェックリストつき】緊急持ち出し品で本当に必要なものは何?ほかの備えも解説

5. 家族と災害時の行動・連絡手段を話し合う

家族と災害時の行動や連絡方法について、事前に話し合っておきましょう。災害は家族がそろっているときに起こるとは限らず、それぞれ別の場所にいることもあります。避難する場所や集合場所、連絡が取れない場合の対応をあらかじめ決めておくことで、混乱を防ぎやすくなります。

また、災害時はスマートフォンの回線がつながりにくくなることも少なくありません。災害用伝言板や災害用伝言ダイヤルの使い方を確認しておくと、安否確認がスムーズにおこなえます。

地震が起きた時に取るべき行動マニュアル

地震は屋内や屋外、乗り物の中など、どのような状況で発生するかわかりません。発生時の場所によって取るべき行動は異なるため、あらかじめ基本的な対応を理解しておくことが重要です。以下では、状況別に地震が起きた際の行動のポイントをまとめています。

地震 避難 行動

場所ごとの違いを意識し、さまざまな場面を想定して行動を考えておきましょう。日頃から複数のケースを想定しておくことで、いざというときも落ち着いて対応しやすくなります。

神奈川県の津波・地震に関するよくある質問

最後に、神奈川県の津波・地震に関するよくある質問に回答します。横浜の津波想定や津波発生時に取るべき行動について、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

横浜で津波はどこまで来る?

横浜では、想定される地震の種類によって津波の規模が異なりますが、沿岸部を中心に津波の影響を受ける可能性があります。慶長型地震が発生した場合、横浜港海岸の内港地区では約3.6m、鶴見地区や山下・本牧地区では約3.4mの津波高が想定されています。

また、2011年の東日本大震災では、実際に横浜で約1.55mの津波が観測されました。これらのことから、横浜では特に湾岸部や低地で津波への注意が必要です。

出典:神奈川県│「津波浸水予測図」慶長型地震
出典:横浜地方気象台│神奈川県の主な地震・津波災害

津波が発生した場合はどう行動すればいい?

津波が発生した場合は、津波警報や津波注意報が発表された時点ですぐに避難を開始しましょう。警報を確認してから様子を見るのではなく、速やかに行動に移すことが重要です。

避難する際は海や川から離れ、できるだけ近くの高い場所や津波避難ビルなど、より高い場所へ向かうことが基本です。日頃から避難先を確認し、チェックリストを活用して備えや行動を整理しておくことで、緊急時も落ち着いて対応しやすくなります。

津波避難・日頃の備えチェックリスト

津波が来た際に取るべき行動や避難する場所については、以下の記事でも詳しく解説しています。

【あわせて読みたい】津波の避難方法と対策!現在地から1番近い避難場所を調べる方法も解説

地震で避難する際の判断基準はある?

地震で避難する判断基準

地震が発生した際は、自宅の安全が確保できている場合は在宅避難を基本とし、無理に避難所へ向かう必要はありません。建物の損傷がなく、火災や二次災害の危険がない状況であれば、自宅で情報収集を続けることが望ましいとされています。

ただし、次のような場合は、速やかに高台や指定された安全な場所へ避難しましょう。

  • 津波・土砂災害の危険がある地域にいる
  • 自宅が倒壊する危険・大規模な火災が迫っている
  • 自治体から避難指示が発令されている

日頃から避難の判断基準を知っておくことで、状況に応じた適切な行動を取りやすくなります。

正しい備えで津波リスクに備えよう!

神奈川県では、地震の種類や発生場所によって津波の影響が大きく変わります。沿岸部を中心に注意が必要な地域がある一方で、内陸部でも河川沿いや低地では警戒が欠かせません。

まずは自分が住む地域の津波の危険性を知り、想定に基づいた備えを進めておくことが重要です。ハザードマップの確認や避難先の把握、情報収集の手段を整えるなど、できることから対策を始めるのがおすすめです。正しい知識と備えを日常に取り入れ、津波リスクに備えましょう。