災害による停電が発生してエアコン(冷暖房)が停止すると、ペットは夏に熱中症、冬に低体温症のリスクが高まります。万が一症状が見られた場合は、自宅で応急処置をおこない、速やかに動物病院へ行きましょう。
この記事では、ペットのための停電対策について解説します。また、ペットが留守番中の停電に役立つアイテムも紹介しています。
万が一の際も慌てずに対応できるように、ペットと一緒に暮らしている方は、ぜひ最後までお読みください。
- 災害による停電時にはペットとの自宅待機は珍しくない
- 停電によるペットへのリスク
- リスク1. エアコンが使えず体温調整ができない
- リスク2. 自動給餌器や給水器が使えない
- リスク3. ペットカメラが使えない
- 停電でペットが熱中症・低体温症になった際の症状と対処方法
- 熱中症になった際の症状
- 低体温症になった際の症状
- 災害による停電時のペットとの過ごし方
- 過ごし方1. エアコンの自動復帰機能を確認する
- 過ごし方2. 室温・体温を調整する
- 過ごし方3. ペットが過ごしやすい環境を整える
- 停電に備えたペットの留守番対策4選
- 対策1. 水を多めに用意する
- 対策2. 季節ごとに体温調整グッズを設置する
- 対策3. 電池対応のペットカメラを設置する
- 対策4. 自動復帰エアコンを設置する
- ペットのための停電対策グッズ
- グッズ1. 体温調整アイテム
- グッズ2. 水・衛生用品
- グッズ3. ポータブル電源
- ペットの停電対策に関するよくある質問
- ペットが停電を怖がるときは?
- ペット用の防災グッズで準備すべきものは?
- ペットは避難所に受け入れてもらえる?
- 災害による停電に備えてペットを守ろう
災害による停電時にはペットとの自宅待機は珍しくない

災害により停電が発生すると、ペットとともに自宅待機や車中泊で過ごすケースも少なくありません。
災害発生時には、多くの自治体がペットとの同行避難を推奨しています。しかし実際の避難所では、動物の受け入れスペースに制限が設けられている場合が多いのが現状です。
鳴き声や動物アレルギーなどによるほかの避難者とのトラブルを回避するため、結果的に自宅待機や車中泊を選択するケースもあります。
停電によるペットへのリスク
災害やトラブルによる停電は、以下のようにペットの健康に影響を与えます。
ここでは、それぞれのリスクを解説します。
リスク1. エアコンが使えず体温調整ができない
停電が発生すると、エアコンをはじめとする冷暖房器具が使えなくなります。
夏場にエアコンが停止した室内では、室温上昇によって熱中症を発症するおそれがあります。冬場であれば、暖房が停止した影響で急激に冷え込み、低体温症に陥る危険性が高いでしょう。
留守番中に体調が悪化した場合、飼い主がすぐに対処できず重篤な状態に至る可能性があります。
リスク2. 自動給餌器や給水器が使えない
普段から自動給餌器や循環式給水器を使っている場合、停電が発生すると機器が作動しません。留守番中に停電が長引けば、食事や水の供給が滞ります。
特に夏場の水分不足は深刻な問題であり、水を飲めない状態が数時間続くと脱水症状を引き起こすおそれがあります。気温が高い室内で脱水が進むと、熱中症の症状がさらに悪化するでしょう。
食事や飲み水を自力で得られない状況は、ペットの命を脅かす大きな要因となります。
リスク3. ペットカメラが使えない
コンセントにつないで使用するタイプのペットカメラは、停電と同時に機能が停止します。通信機器であるWi-Fiルーターも同時に停止するため、外部からのアクセスができません。
飼い主が外出先からペットの様子を確認できなくなり、室内の異常を察知できなくなります。普段通りの確認手段が絶たれると、不安を感じる飼い主も多いでしょう。
防災エナジーでは、今後もみなさまに役立つ情報をお届けするため、
アンケートを実施しています。
ぜひ、ご意見・ご感想をお聞かせください。
停電でペットが熱中症・低体温症になった際の症状と対処方法
飼い主の外出中に停電が発生すると、室温調整ができず熱中症や低体温症になるおそれがあります。ペットが体調を崩したときのサインを見逃さず、適切な対応をおこないましょう。
熱中症になった際の症状
熱中症の主なサインは、以下の通りです。熱中症のサインに気づいたら、一刻も早い対応が求められます。
- 呼吸が荒くなる
- 耳や足先が熱くなる
- 食欲がなくなる
- ぐったりしている
- 吐くようなしぐさ・嘔吐が見られる
熱中症になった際は、口を大きく開けて舌を出し、激しくハァハァと口呼吸(パンティング)をする様子が見られます。また、耳や足先を触ったときに、普段より熱くなっている場合も注意が必要です。
いつもは食事を欲しがるのに、食べ物に興味を示さなくなるケースもあります。ぐったりとして動かなくなる、吐くようなしぐさ、実際に嘔吐する様子が見られたら危険な状態です。
対処方法
異変に気づいた際は、まず自宅での応急処置をおこないましょう。
涼しい日陰や風通しのよい場所へ移動させ、常温の水で濡らしたタオルを使って体を冷やします。停電時は扇風機が使えないため、うちわなどで風を送りながら体温の上昇を抑えましょう。
ただし、氷水などで急激に体を冷やすことは危険です。
自宅での初期対応を終えたら、速やかに動物病院へ向かい適切な治療を受けてください。動物病院では、点滴による水分補給などの処置が行われます。
低体温症になった際の症状
低体温症は、体温が正常な範囲を下回り、生命維持に必要な機能が低下する状態です。低体温症の主なサインは、以下の通りです。
- 震えが止まらない
- 耳・肉球・お腹などが冷たい
- 元気がない、動かない
- 呼吸や心拍が遅い
- 意識がはっきりしない
初期症状として、全身の震えが止まらなくなる様子が見られます。また、耳の先や肉球、お腹まわりを触ると、普段より冷たく感じられます。
症状が進行すると元気がなくなり、その場から動けなくなってしまうことがあります。呼吸や心拍のペースが遅くなり、呼びかけへの反応が鈍くなるなど、意識がもうろうとする場合もあります。
対処方法
体が冷え切っている場合は、毛布やブランケットで全身をしっかり包み、室内の暖かい場所へ移動させます。
お湯が用意できる場合は湯たんぽを作り、お腹や背中を中心に優しく温めましょう。湯たんぽの熱が直接肌に当たるとやけどのおそれがあるため、必ず厚手のタオルで包む工夫が必要です。
電気やガスが使えない状況では、飼い主の体温で直接温める方法も有効です。体を温める応急処置をおこなったあとは、速やかに動物病院へ連絡して専門的な治療を受けましょう。
災害による停電時のペットとの過ごし方

長時間の停電が発生した場合、以下の工夫を取り入れながら過ごしましょう。
ここでは、限られた設備のなかでペットの負担を減らす具体的な工夫を紹介します。
過ごし方1. エアコンの自動復帰機能を確認する
停電が発生したら、まず自宅のエアコンに自動復帰機能が搭載されているか確認します。自動復帰機能が備わっている場合、電力の供給が再開されると、エアコンが自動で再稼働します。
各メーカーや機種によって設定手順が異なるため、取扱説明書や公式ウェブサイトを事前に確認してください。
もし自動復帰機能がない場合や停電が長期化しそうな場合は、次に紹介する室温調整の工夫が求められます。
過ごし方2. 室温・体温を調整する
季節に合わせて、体温調整用のアイテムを使ってペットが快適に過ごせる環境を整えましょう。
夏場の停電時は、ハンディファンやペット用冷感マットを活用して体温の上昇を抑えます。保冷剤を使用する際は体に直接当てるのではなく、タオルで保冷剤を包んでから使いましょう。
冬場に暖房が停止した場合は、ペット用の洋服を着せて体温の低下を防ぎます。厚手のブランケットやカーペットで冷気を防ぐのも効果的です。
ペット用の湯たんぽを使用する際は、適温であることを確認し、同じ部位に長時間触れ続けないよう見守りましょう。
過ごし方3. ペットが過ごしやすい環境を整える
停電時には、ペットにとって快適な環境を整えることも重要です。突然電気が消える、落雷の音が響くなど、慣れない環境はペットにとってストレスとなります。
まずは窓とカーテンを閉めて、光や騒音を遮断しましょう。状況に応じて静かな場所にベッドを配置し、普段から愛用しているおもちゃや自分の匂いがついた毛布を用意します。
飼い主がそばにいる場合は、優しく声をかけながら体を撫でて安心させましょう。
停電に備えたペットの留守番対策4選
飼い主が外出中に停電が発生する事態を想定し、以下の準備を整えましょう。
ここでは、具体的な留守番対策を4つ紹介します。
対策1. 水を多めに用意する
留守番中は、普段よりも多めの飲み水を複数の場所に配置します。
自動給水器を使っている場合、停電と同時に水が循環しなくなり、水を十分に飲めなくなるおそれがあります。水を入れたお皿を複数の場所に分けて置いておけば、万が一機器が停止しても水分補給が可能です。
特に夏場にエアコンが切れた室内では、水分不足が熱中症や脱水症状につながるおそれがあります。新鮮な水をいつでも自由に飲める環境を整え、健康被害を最小限に抑えましょう。
対策2. 季節ごとに体温調整グッズを設置する
季節に合わせて、電力がなくても機能する体温調整グッズを準備しましょう。留守番中にエアコンが停止しても、自ら快適な場所へ移動できるような環境づくりが重要です。
夏場の対策としては、接触冷感素材を使用したベッドや、体温を逃がすアルミマットを直射日光の当たらない場所に設置します。
冬場の留守番では、足元の冷えを防ぐためカーペットを敷き、毛布を用意しておく方法が有効です。あらかじめペット用の洋服を着せてから外出するのもよいでしょう。
季節の移り変わりに合わせて設置するアイテムを用意し、予期せぬ室温の変化に備えてください。
対策3. 電池対応のペットカメラを設置する
ペットカメラは、コンセント給電と乾電池の両方に対応したタイプがおすすめです。Wi-Fi不要でモバイル通信に対応したタイプなら、停電時でもペットの様子を確認できます。
また、遠隔で室温を確認できる温度センサー搭載の機種を選ぶと、熱中症の危険にさらされていないかを把握できます。マイクとスピーカーを内蔵したカメラなら、外出先から名前を呼んで安心感を与えられるでしょう。
対策4. 自動復帰エアコンを設置する
自動復帰機能付きのエアコンを設置しておくと、留守番中の停電対策として有効な対策となります。飼い主が不在のタイミングで電力が復旧した場合でも、速やかに室温を適切な状態に戻すことができます。
ただし、広範囲の災害で電力会社からの送電自体が長期間ストップした場合は、エアコンの再稼働は期待できません。長時間の停電を想定し、ポータブル電源の用意や前述の電力に依存しない体温調整グッズを併用して、ペットが快適に過ごせる環境を整えましょう。
ペットのための停電対策グッズ

万が一の停電に備え、電気を使わずにペットを守れるアイテムを用意しましょう。
ここでは、各グッズを紹介します。
グッズ1. 体温調整アイテム
エアコンが使えない事態を想定し、季節に応じた体温調整グッズを準備しましょう。
| 季節 | 体温調整アイテム |
|---|---|
| 夏 | 接触冷感素材のベッド アルミマット 保冷剤 クーラーボックス |
| 冬 | 湯たんぽ カイロ 毛布 カーペット 洋服 |
夏場は、敷くだけで冷たさを感じる接触冷感素材のベッドやアルミマットが役立ちます。冷凍庫で凍らせた保冷剤をクーラーボックスに保管しておけば、長時間の冷却材としての活用が可能です。
冬場は、体温を逃がさないよう、洋服やお湯を注いで使う湯たんぽを備えます。床からの底冷えを防ぐためのカーペットや、毛布も防寒対策として有効です。
グッズ2. 水・衛生用品
水や衛生用品も、ペットが快適に過ごすために欠かせない備えです。
大規模な停電が発生すると、連動してマンションなどの給水ポンプが停止し、断水を引き起こすおそれがあります。飲み水を確保できなくなるため、ペット用の保存水を最低でも3日分、可能であれば1週間分は自宅に備蓄しましょう。
また、断水時はペットの体や生活スペースを清潔に保つことが難しくなる場合があります。衛生環境の悪化を防ぐためにも、ペットシーツや防臭袋、体を拭くためのペット用ウェットティッシュ、消臭スプレーなどを用意しておくと安心です。
グッズ3. ポータブル電源
停電時でも電気を使えるよう、ポータブル電源を用意することをおすすめします。大容量のポータブル電源を常備しておけば、停電中でも扇風機や小型クーラーなどの家電を稼働させられます。
ただし、エアコンを動かすには、エアコンの消費電力を上回る定格出力と、数時間連続で運転できるバッテリー容量を備えた高出力・大容量のモデルが必要です。本体を充電しながら別の機器に給電できるパススルー機能や、停電を検知して瞬時に電力供給を切り替えるUPS機能が搭載された製品を選びましょう。
太陽光でポータブル電源本体を充電できる専用ソーラーパネルがあれば、数日間にわたる長期停電にも対応しやすくなります。
ペットの停電対策に関するよくある質問

最後に、ペットと安全に過ごすための防災知識について、飼い主から寄せられる疑問にお答えします。停電時の不安を軽減するため、事前に確認しておきましょう。
ペットが停電を怖がるときは?
停電が発生すると、室内が暗くなったり、エアコンやテレビなどの家電が停止したりするため、環境の急な変化に不安を感じるペットもいます。
そのようなときは、普段から聞き慣れている生活音を流して、気を逸らす方法がおすすめです。スマホを使って、日常的に聞いているBGMやラジオを流してみましょう。
また、周囲の状況が気になりにくい寝室や使い慣れたケージなど、ペットにとって安心できる場所へ連れて行きます。飼い主がそばに寄り添い、優しく撫でながら落ち着いたトーンで声をかけてあげましょう。
ペット用の防災グッズで準備すべきものは?

フードや飲料水、常備薬などの命に関わるアイテムを優先的に備えましょう。リードやハーネスなどの安全に関わるアイテムや、ペットシーツや防臭袋といった排泄ケア用品も欠かせません。
より詳しい解説は、以下の記事を参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】ペット用の防災グッズは何を準備すべき?しつけ・健康管理方法もまとめて解説
ペットは避難所に受け入れてもらえる?
自宅での安全確保が困難な場合、飼い主とペットが一緒に避難所へ向かう「同行避難」が推奨されています。
原則として避難所での受け入れは可能ですが、実際の対応方針は各自治体によって異なります。ペットの滞在スペースが屋外のテントや別室に指定され、飼い主と同室で過ごせないケースもあるでしょう。
事前にお住まいの地域の防災ガイドラインを確認し、近隣の避難所のルールを把握してください。
【あわせて読みたい】ペットは避難所に受け入れてもらえる?飼い主が用意しておくべきものや注意点も紹介
災害による停電に備えてペットを守ろう
台風や地震などの災害が発生すると、停電によりエアコンなどの家電が使用できなくなります。飼い主が不在の場合、熱中症や低体温症のリスクが高まります。
ペットの命を守るためには、電気を使わずに体温調整ができるアイテムが欠かせません。また、自動復帰機能を搭載したエアコンの設定見直しや、電池で稼働するペットカメラを利用した見守り体制の構築が効果的です。
万が一のトラブルが起きても冷静に対応できるよう、今日から自宅の環境を見直し、ペットのための万全な停電対策を整えておきましょう。

