「震度とは何?」
「震度とマグニチュードの違いは?」
「地震の震度は何段階あるの?」
震度に関して、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。震度とは地震の揺れの強さを示す尺度のことです。震度が大きくなるほど、人や建物への被害は大きくなります。
この記事では、震度についてわかりやすく解説します。震度階級やマグニチュードとの違いについても触れていますので、震度に関する疑問をお持ちの方はぜひ最後までお読みください。
震度とは

震度とは、地震の揺れの強さを示す指標のことです。震度を示すことで、地震の揺れの強さがわかりやすくなります。震度は観測地点での実際の揺れの強さを基に、震度計を使って測定されます。
同じ地震でも震度が異なるのは、地震のエネルギー規模だけでなく、震源からの距離や地盤の状態などの影響も受けるからです。
震度階級ごとの揺れの状況一覧
震度階級ごとの揺れの状況は、以下のように異なります。
震度階級 | 揺れの状況 | 建物の様子 |
---|---|---|
震度0 | 揺れを感じない。 | ー |
震度1 | 屋内にいる一部の人が揺れを感じる。 | ー |
震度2 | 屋内にいる多くの人が揺れを感じる。 | 吊り下げ照明がほんの少し揺れる。 |
震度3 | 屋内にいるほとんどの人が揺れを感じる。 | 棚の食器が音を立てることがある。 |
震度4 | 眠っている人のほとんどが目を覚ます。 | 不安定な置物が倒れる。 |
震度5弱 | 大半の人が恐怖を覚える。 | 固定していない家具が移動することがある。 食器や本が落ちることがある。 |
震度5強 | 物につかまらないと歩くことが難しい。 | 固定していない家具が倒れることがある。 補強されていないブロック塀が崩れることがある。 |
震度6弱 | 立っていることが難しい。 | 固定していない家具が倒れることがある。 ドアが開かなくなることがある。 |
震度6強 | 這わないと動けない。 飛ばされることもある。 | 倒れる家具が多くなる。 補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。 |
震度7 | 這わないと動けない。 飛ばされることもある。 | 固定していない家具のほとんどが倒れ、飛ぶこともある。 耐震性の低い木造建築が倒れる。 |
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震度とマグニチュードの違い
震度とマグニチュードの違いは、主に2点あります。
ここからは、それぞれの違いについて解説します。
違い1. 計測する対象
震度とマグニチュードの違いは、計測する対象が異なることです。
マグニチュードは、地震の規模の大きさを示す指標です。地震が発生した場所の岩盤のずれの大きさや範囲から決まり、どれくらい大きい地震なのかを示します。
一方で、震度は地震の揺れの強さを示す指標です。震源から距離が離れるほど、揺れの強さは弱くなるため、同じ地震でも地域ごとに震度は異なります。
違い2. 1つの地震に対する計測値の数
震度とマグニチュードの違いとして、1つの地震に対する計測値の数も挙げられます。
マグニチュードは地震の規模を示すもので、1つの地震に対して1つの計測値しか存在しません。これは、地震そのもののエネルギー量を示すため、どの地点で観測しても同じ値です。
一方、震度は観測地点ごとに異なるため、1つの地震に対して複数の震度が計測されます。震源地からの距離や地盤の状態が揺れの強さに影響するため、同じ地震でも場所によって震度は異なります。
日本で発生が想定されている大地震

日本で発生が想定されている大地震として、南海トラフ地震と首都直下地震があります。ここからは、それぞれの地震について解説します。
南海トラフ地震
死者・行方不明者数 | 約32.3万人 |
住宅全壊戸数 | 約238.6万棟 |
被害想定区域 | 茨城、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 |
南海トラフ地震は、静岡県の駿河湾から九州の日向灘にかけて広がる海底の溝「南海トラフ」で発生する可能性が高い巨大地震です。この地域では、今後30年以内に80%程度の確率で、マグニチュード8~9の大規模な地震が発生すると想定されています。
政府によると、この地震により32万人以上が命を落とし、建物の全壊や焼失が230万棟以上に及ぶ可能性があるとされています。経済損失は東日本大震災の10倍以上、220兆円を超える想定です。
首都直下地震
死者・行方不明者数 | 約2.3万人 |
住宅全壊戸数 | 約61万棟 |
被害想定区域 | 茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡 |
首都直下地震とは、今後30年以内に70%の確率で発生すると想定されているマグニチュード7クラスの巨大地震です。この地震では約2万3,000人が命を落とすとされ、そのうち1万6,000人は火災による死者と想定されています。
経済被害の想定は約95兆円に上り、日本の国家予算に匹敵する額です。首都圏の中枢機能が大きな打撃を受けるため、地震の影響は日本国内にとどまらず、世界経済にも大きな影響を与える可能性があります。
地震・震度に関するよくある質問
ここでは、地震や震度に関するよくある質問についてまとめました。
それぞれの質問に回答していきます。
1. 震度は何段階ある?
震度は0から7までの間で10段階に区分されます。これは「気象庁震度階級」というもので、震度5と震度6は「弱」と「強」の2段階あります。
2. 震度8がない理由は?
震度8が存在しない理由は、防災上の必要性がないからです。震度7は非常に強力な揺れであり、人や建物への影響の大きさから最大限の防災対策がとられます。それ以上の揺れを想定したとしても防災対策の内容が大きく変わることはありません。
そのため、気象庁震度階級は震度7までしかなく、過去に発生した地震で震度8を超える揺れが観測されたこともないのです。
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3. マグニチュードとは?
マグニチュードとは、地震の規模を表す指標です。地震は地下の岩盤がずれる断層運動によって発生しますが、その際に放出されるエネルギーの大きさを表しているのです。
一般的に、マグニチュードの値が1つ上がるごとに、地震のエネルギーは約32倍になると言われています。たとえばM6の地震のエネルギーは、M5の地震の32倍です。
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4. 日本で最大のマグニチュードを観測した地震は?
日本で最大のマグニチュードが観測されたのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災です。この地震のマグニチュードは9.0を記録し、1900年以降に日本で発生した地震の中で最大です。
震度について理解して地震に備えよう
震度は地震の揺れの強さを表す指標で、観測地点ごとに異なる値を示すものです。日本では震度7までの階級が設定され、揺れの程度に応じて建物や人への影響が異なります。
特に大地震の際は震度によって被害の大きさが変わります。各階級の特徴を知りたい方は、ぜひこの記事で紹介した内容を参考にしてください。