災害に備える

震度6強の地震が来たらどれくらい揺れる?被害予想や揺れの様子も紹介

「震度6強の揺れはどれくらい?」
「普段通りの生活はできる?」


震度6強の地震は、立っていることが難しくなるほどの強い揺れを引き起こします。地震発生時には冷静な判断が求められるため、事前にどのような状況が起こるのかを理解しておくことが重要です。

本記事では、震度6強の地震の揺れの強さや被害予想について詳しく解説します。また、震度6強が発生した場合に取るべき行動も紹介します。地震に備えるために役立つ情報をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

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目次

震度6強の揺れはどれくらい?

ある場所における地震の揺れの大きさを表したものが、震度です。気象庁の震度階級は震度0~震度7までの10段階となっており、その中で震度6強は9番目に大きい揺れに該当します。それぞれの震度と揺れの状況は、以下の通りです。

震度6強の地震は「今までに体験したことがない揺れ」と言い表されることが多く、這わないと動けなくなるほどの大きさです。また、室内の家具やものの多くが転倒・落下するため、負傷するリスクも高いです。

2020年以降、震度6強の地震は福島県沖・能登半島沖で3度発生しており、命を守るためには正しい知識と防災対策が重要といえます。

震度6強の被害予想

震災の瓦礫

次に、震度6強の地震が発生した際の被害予想について解説します。日常生活にどの程度の影響を与えるのかを知りたい方は、ぜひ参考にして防災意識を高めるきっかけにしてください。

建物

震度6強の地震では、住宅が傾いたり倒れたりする可能性があります。建物別で予想される被害を以下の表にまとめました。

耐震性が高い耐震性が低い
木造建物壁などにひび割れや亀裂がみられる壁などにひび割れや亀裂がみられるものが多くなる
傾いたり倒れたりする建物が多くなる
鉄筋コンクリート壁や梁、柱などにひび割れや亀裂が多くなる壁や梁、柱などに斜めやX状のひび割れ
亀裂がみられることがある
1階や中間階の柱が崩れ、倒れるものがある

震度6強の揺れでは、耐震性が高い建物でもひび割れや亀裂などの被害が出ることが予想されます。耐震性は、建築年数が新しいものほど高い傾向にあります。そのため、自分が住んでいる建物の建築年月日を確認しておくとよいでしょう。

ライフライン

地震は建物だけではなく、ライフラインにも大きな影響を与えます。震度5弱程度以上の揺れが発生した場合、ガス・電気・水道の供給が停止することがあるため、事前の備えが大切です。

また、地震発生時は電話やインターネットによる安否確認・問い合わせが増加し、電話がつながりにくい状態になります。さらに、鉄道や高速道路でも運転見合わせ・速度制限がかかる場合があり、交通機関も混乱する可能性があるでしょう。

地盤・斜面

震度6強の地震では、地割れが生じたり道路や建物に亀裂が入ったりすることがあります。また、がけ崩れが多発し、山間部では大規模な地すべりや山体が崩壊する危険性も伴います。地盤・斜面の被害は道路の遮断や家屋の倒壊、土砂災害を引き起こすことがあるため、迅速な避難と対策が必要です。

過去に発生した震度6強の揺れの様子

ここでは、過去に朝日新聞仙台総局で震度6強を観測した際の揺れの動画をご覧ください。

動画:東北を中心に最大震度6強の地震 地震発生時の朝日新聞仙台総局の様子

揺れによって机の上に置かれていた多くの書類や筆記用具が落下し、散乱しています。棚に置かれていたテレビが揺れに耐えられず、床に落下する様子も確認できます。また、揺れの影響で画面奥に見える照明が一時的に消えるなど、室内の被害の深刻さが伝わる動画です。

震度6強の地震発生時に取るべき行動5選

強い揺れの中で安全を確保するためには、冷静かつ適切な行動が求められます。災害時にはパニックに陥りやすいため、事前に必要な行動を把握しておくことが重要です。

ここでは、震度6強の地震が発生したときに取るべき行動を5つ紹介します。

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

1. 自分の身の安全を守る

地震で揺れているときは、自分の身を守ることが最優先です。丈夫なテーブルの下や物が落下してこない空間に素早く移動し、揺れがおさまるまで様子をみましょう。

特に10階以上の高層階では、揺れが数分間続くこともあり、家具類の落下や転倒のリスクがあります。1995年の阪神淡路大震災では、多くの死因が家具や建物の下敷きによる圧死でした。身の安全を守るためにも、家具類の固定や物を置かない空間を作るなど、地震対策をしておきましょう。

2. 火の元を確認する

次に火の元を確認し、万が一出火した場合は落ち着いて消火しましょう。火を使っているときに地震が発生した場合は、揺れがおさまった後に火の始末をおこないます。

近年では、コンロやストーブなどは震度5程度の地震が発生すると自動で消えるものも増えています。目の前にあってすぐに消せる状況であればよいですが、自分の身の安全を最優先し、揺れがおさまるまで待ちましょう。

3. 出入口を確保する

揺れがおさまったら、すぐに避難できるように出入口を確保しましょう。大地震で建物自体にゆがみが生じるとドアが開かなくなり、外に出られない可能性があります。

ホテルで宿泊しているなど、自宅以外の場所にいる場合でも同様です。徐々に建物が変形し開かなくなる場合もあるため、安全が確保できるまでドアは開けたままにします。完全に閉じ込められた場合は、ドアを蹴り飛ばす・工具で穴を開けるなどして避難経路を確保してください。

4. 安全な場所に避難する

大きな地震が発生して身の危険を感じた場合は、速やかに安全な場所へ避難しましょう。避難時はリュックサックに必要なものを入れ、ヘルメットや帽子を着用することが重要です。

避難前は火災を防ぐために、忘れずにブレーカーを切りましょう。また、近隣の人々と声をかけ合い、できるだけ複数人で避難することが大切です。避難の際は家屋やブロック塀の倒壊に備え、常に安全を確認しながら避難してください。

5. 正しい情報を得る

公的機関や信頼できるメディアから提供される正確な情報を確認し、冷静に対応することも大切です。災害時には、不安や焦りから偽情報や誤情報が広まりやすくなります。

特にSNSやインターネットでは、事実確認されていない情報が拡散し、多くの人々を混乱させる原因につながります。誤情報を信じて行動することは、さらなる危険を招くことにもなりかねません。本当かどうかわからない情報はうのみにせず、拡散しないことが重要です。

震度6強に関するよくある質問

よくある質問のイメージ

ここでは、震度6強に関するよくある質問についてまとめました。

震度6に強・弱がある理由や震度7との違いについて知りたい方はぜひ参考にしてください。

震度6強と7の違いは?

震度6強と震度7は、どちらも立つことが困難なほどの強い揺れです。震度7の地震では、建物の傾きや倒壊がさらに多くなり、特に古い建物や耐震性が低い建物では危険性が高まります。また、耐震性が高い建物でも強い揺れによって傾くことがあるため、どのような建物でも注意が必要です。

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震度6強で家が潰れる可能性はある?

新耐震基準で建築された家であれば、潰れる可能性は低いといえるでしょう。1981年に改正された新耐震基準では、震度6強〜7程度の大規模地震でも建物が倒壊しない構造であることが義務づけられています。

ただし、建築構法や耐力壁の配置などによって耐震性は異なります。耐震性の高い建物でも、ひび割れや亀裂などの被害が出る可能性はあります。まずは、自分の住む建物の耐震基準を確認し、正確な耐震性が知りたい場合は耐震診断を受けましょう。

震度6強の地震でマンションが潰れやすい階はある?

マンションの1階は上の階の重みがのしかかるため、地震で潰れるリスクは最も高いとされています。特に、下から真上につき上げる直下型地震が発生すると、建物が跳ね上がるような衝撃となるため、潰れる可能性があります。

一方で、マンションの高層階は潰れるリスクは低いものの、揺れが大きい点がデメリットです。高い場所ほど遠心力で回るように揺れます。また、高層階は揺れの時間も長くなる傾向にあるため、室内での被害は大きくなることが予想されます。家具類は固定し、被害を最小限にとどめられるような対策が重要です。

震度6に強・弱があるのはなぜ?

以前は震度0〜7の8段階でしたが、1995年の阪神淡路大震災で同じ震度5や震度6を観測した地域でも被害の程度に差が見られました。そこで、より詳細に被害を把握するために震度5と6をそれぞれ強・弱に分けることが決められました。これによって、震度と実際の被害状況の関係をより正確に理解できます。

大地震に備えて万全の対策をしておこう!

本記事では、震度6強の地震の揺れや被害予想について解説しました。震度6強の地震が発生すると非常に強い揺れが続き、人は動けなくなることが予想されます。また、建物やライフラインへも大きな影響を与えます。

家具類の固定や配置の見直し、防災グッズの準備などはすぐにできる対策のため、ぜひ実践してください。また、避難経路や家族での連絡方法を確認しておき、非常時にどう行動するかを話し合いましょう。地震発生時は冷静に行動することが命を守るための大切なポイントです。防災対策をしっかりとおこない、大地震に備えましょう。