携帯用トイレは、災害などで水洗トイレが使えないときに使用するアイテムで、持ち運びやすく、省スペースで備蓄できるのがメリットです。災害時の備蓄としては水や食料が代表的ですが、避難生活を少しでも快適にするためには、携帯用トイレも欠かせません。
この記事では、携帯用トイレの使い方について、イラストを用いながら解説します。また、人目が気になる場所での使用方法や、備えるべき量についても触れています。
この記事を読めば、携帯用トイレに関する疑問が解消され、いざというときの安心につながるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

- 知っておきたい!携帯用トイレの基本
- 携帯用トイレとは
- 簡易トイレとの違い
- 【イラスト】携帯用トイレの基本的な使い方4ステップ
- ステップ1. 便器に排泄袋をかぶせる
- ステップ2. 便座を下ろして袋を固定する
- ステップ3. 用を足した後に凝固剤をふりかける
- ステップ4. 排泄袋をしっかり結び処理する
- 携帯用トイレを使用する際の注意点3つ
- 注意点1. 使用後の処理方法と衛生管理を徹底する
- 注意点2. 目隠しポンチョでプライバシーを確保する
- 注意点3. 子どもが使うときは大人が付き添う
- 携帯用トイレの必要数と備蓄の目安
- 携帯用トイレ選びで失敗しないための3つのポイント
- ポイント1. 凝固剤の性能
- ポイント2. 袋の強度
- ポイント3. 消臭性能
- 携帯用トイレはどこで売ってる?主な購入場所を紹介
- 100均(100円ショップ)
- ホームセンターやドラッグストア
- アウトドア用品店
- ネット通販
- 携帯用トイレとあわせて備えたい防災グッズ5つ
- グッズ1. 使い捨て手袋
- グッズ2. 目隠しポンチョ
- グッズ3. 消臭袋
- グッズ4. アルコール消毒液
- グッズ5. ヘッドライト
- 携帯用トイレの使い方でよくある質問
- 車の中で携帯用トイレを使える?
- 女性が使う際に気をつけることは?
- 大便で使っても問題ない?
- 携帯用トイレの使い方をマスターして災害時に備えよう
知っておきたい!携帯用トイレの基本

携帯用トイレがどのようなものか、基本的な知識から確認しましょう。簡易トイレとの違いも理解すると、より適切な備えができます。
携帯用トイレとは
携帯用トイレとは、地震などの災害で水道が止まり、水洗トイレが使えなくなったときに活躍する防災グッズです。主に、既存の洋式便器や簡易便座に排泄袋を取りつけて使用し、排泄物を凝固剤で固めて処理します。
電気や水を一切必要とせず、比較的安価でコンパクトなため、家庭での備蓄に適したアイテムです。
簡易トイレとの違い

| 項目 | 携帯用トイレ | 簡易トイレ |
|---|---|---|
| 構造 | 主に、凝固剤と排泄袋がセットになっていて、既存の洋式トイレや簡易便座にセットして使う | 持ち運び可能な便座が付いた組み立て式トイレ |
| 主な用途 | 既存の洋式便器に被せて使用する | トイレがない場所に設置する |
| メリット | 持ち運びやすく、省スペースで大量に備蓄できる | 便座があるため普段のトイレに近い感覚で使える |
携帯用トイレと似たものに簡易トイレがありますが、一番大きな違いは便座の有無です。
携帯用トイレは、自宅のトイレが使える状態を前提に、排水できない状況を補うためのアイテムです。一方、簡易トイレは、トイレそのものがない場所に設置して使用するためのアイテムと覚えておきましょう。
【イラスト】携帯用トイレの基本的な使い方4ステップ

ここからは、携帯用トイレの具体的な使い方を4つのステップに分けて解説します。携帯用トイレ使用時には、以下のアイテムが必要です。
- 携帯用トイレセット(排泄袋、凝固剤)
- 使い捨て手袋
- 使用済みの排泄袋を入れるゴミ袋(防臭袋がおすすめ)
- アルコール消毒液
- ヘッドライト(夜間や停電時)
いざというときに慌てないよう、使い方を知っておきましょう。
ステップ1. 便器に排泄袋をかぶせる
衛生のために使い捨て手袋を装着します。次に、便器のフタと便座を両方とも上げ、便器全体を覆うように排泄袋を大きく広げてかぶせます。
このとき、袋が便器の底にしっかりつくようにセットするのがポイントです。排泄物が直接便器に触れないようにすると後片付けが楽になり、衛生的に使用できます。
ステップ2. 便座を下ろして袋を固定する
排泄袋をかぶせたら、その上から便座を下ろします。便座で袋の端を挟み込むように固定すると、使用中に袋がずれたり、外れたりするのを防ぎます。
袋がしっかりと固定されているか、軽く引っ張って確認するとより安心です。
ステップ3. 用を足した後に凝固剤をふりかける
便座に座り、いつも通りに用を足します。終わったら、排泄物全体に行き渡るように、凝固剤をまんべんなく振りかけます。凝固剤には、水分を吸収して排泄物を素早く固める役割があります。
商品によっては、用を足す前に排泄袋へ凝固剤を入れるものもあります。事前に必ず説明書を読み、指示に従ってご使用ください。
ステップ4. 排泄袋をしっかり結び処理する
排泄物が固まったことを確認したら、便座を上げて排泄袋を取り出します。袋の中の空気を抜きながら、上部をねじり、臭いが漏れないように口を固く結びます。
使用済みの袋は、あらかじめ用意した防臭効果のあるゴミ袋などに入れ、しっかりと口を閉じましょう。処分方法は自治体のルールに従う必要がありますが、災害時は指示があるまで各家庭で保管するのが一般的です。
携帯用トイレを使用する際の注意点3つ
携帯用トイレを使用する際は、以下3つのポイントに注意しましょう。
ここでは、それぞれのポイントを解説します。
注意点1. 使用後の処理方法と衛生管理を徹底する
災害時は衛生環境が悪化しやすく、感染症のリスクが高まります。使用後は、二次被害を防ぐためにも以下の3つの衛生管理を徹底しましょう。
- 使用のたびに処理する
- 保管場所を確保する
- 感染症対策をおこなう
衛生上の観点から、排泄袋は1回ごとに交換し、その都度しっかりと口を結んで密閉して処理しましょう。
使用済みの袋はゴミの収集が再開されるまで自宅で保管します。雨風が当たらず、子どもやペットが触らない安全な場所をあらかじめ決めておきましょう。
ノロウイルスなどの感染症を防ぐため、処理の際は使い捨て手袋の着用が必要です。使用後は石鹸での手洗いやアルコール消毒を徹底しましょう。トイレ内では専用の履物を使用するのも有効な対策のひとつです。
注意点2. 目隠しポンチョでプライバシーを確保する
車中泊で避難している場合や、避難所の仮設トイレが使えない場合など、個室が確保できない場所で携帯用トイレを使わなければならない状況もあるでしょう。プライバシーを確保するには、目隠しポンチョが便利です。
人目が気になる場所でも、ポンチョがあれば周囲の視線を遮り、女性や子どもも安心してトイレを使えます。軽量でコンパクトなものが多いので、携帯用トイレとセットで備えておきましょう。
注意点3. 子どもが使うときは大人が付き添う
小さな子どもが携帯用トイレを使う際は、必ず大人が付き添ってサポートしてあげましょう。
子どもが一人で使おうとすると、排泄袋をうまくセットできなかったり、凝固剤をこぼしてしまったりするおそれがあります。
また、災害時の非日常的な状況で、子どもは不安を感じやすいものです。保護者の方がそばにいると、子どもは安心して用を足せます。
携帯用トイレの必要数と備蓄の目安
携帯用トイレは「1人あたり1日5回、最低3日分、推奨7日分」を備蓄の目安にしましょう。たとえば4人家族の場合、最低でも60回分、可能であれば140回分の備えが必要です。
大人の1日の平均的なトイレ回数は約5回とされています。国や自治体は、災害時の備えとして、最低3日分、できれば7日分の携帯用トイレ備蓄を推奨しています。
ライフラインの復旧には1週間以上かかることも珍しくありません。いざというときに家族全員が安心して過ごせるよう、下の表を参考に必要な量を準備しておきましょう。
| 備蓄日数 | 計算式 |
|---|---|
| 最低3日分 | 5回 × 人数× 3日間 |
| 推奨7日分 | 5回 × 人数 × 7日間 |
※備蓄の目安は自治体によっても多少異なるため、お住まいの地域の防災ガイドラインもあわせて確認しておきましょう。
まずは最低ラインである3日分をそろえ、少しずつ買い足して推奨される7日分を目指すのがおすすめです。
携帯用トイレ選びで失敗しないための3つのポイント

携帯用トイレを購入する際、種類が多く、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。ここでは、購入で失敗しないための選び方のポイントを3つご紹介します。
ポイント1. 凝固剤の性能
凝固剤は水分を吸収して排泄物を素早く固めるもので、性能によって使用後の快適さや衛生面を大きく左右します。
チェックすべきは「凝固スピード」「消臭効果」「抗菌性」の3点です。排泄物を数十秒で素早く固め、気になる臭いをしっかりと抑え、菌の繁殖を防ぐ効果があるものを選びましょう。
凝固剤が使用できる期間には5年〜10年と幅があります。災害用の備蓄には、できるだけ長く使用できるものがおすすめです。商品に、保存期間や使用期限などの表示があるため、必ず確認するようにしましょう。
ポイント2. 袋の強度
排泄袋の強度も重要なポイントです。袋が薄かったり小さすぎたりすると、破れたりはみ出したりして中身が漏れるリスクがあります。
厚手で丈夫な素材かつ、自宅の便器にしっかりフィットする十分な大きさがあるかを確認しましょう。ほかにも、袋の色が黒などの中身が透けにくいタイプを選ぶと、処理の際にプライバシーが保たれます。
ポイント3. 消臭性能
災害時はゴミの収集がすぐには来ないため、使用済みの排泄袋を一定期間、自宅で保管する必要があります。そのため、消臭性能は絶対に妥協できないポイントです。
凝固剤に高い消臭効果があるものや、排泄袋そのものに防臭機能があるものを選ぶと、保管時の不快な臭いを軽減できます。口コミなどを参考に、消臭効果の評判が高いものを選ぶとよいでしょう。
携帯用トイレはどこで売ってる?主な購入場所を紹介
携帯用トイレは、防災意識の高まりとともに、以前よりも身近な場所で購入できるようになりました。いざというときに慌てないためにも、購入できる場所と取り扱い商品をあらかじめ把握しておくと安心です。それぞれの購入場所の特徴を詳しく見ていきましょう。
100均(100円ショップ)
ダイソーやキャンドゥなどの100円ショップでは、防災グッズコーナーやアウトドア用品の売り場で携帯用トイレを見つけられます。
最大の魅力は、1回分から購入できて、価格も手ごろな点です。「まずは試しに1つ使ってみたい」「防災ポーチや車に緊急用として常備しておきたい」という方にぴったりです。
ただし、長期保存を目的とした備蓄や、家族全員分をそろえるには、凝固剤の性能や袋の強度を考慮すると、後述する店での購入がおすすめです。
ホームセンターやドラッグストア
カインズやウエルシアなどのホームセンターやドラッグストアは、家族の備蓄を本格的に考えるうえで、まずチェックしたい購入場所です。10回分以上の箱入りセットや、5年~10年の長期保存が可能な信頼性の高い商品がそろっています。
実際に商品を手に取って、袋の厚さやパッケージの記載内容を確認できるのが大きなメリットです。
アウトドア用品店
アウトドア用品専門店で扱っている携帯用トイレは、キャンプや登山といった厳しい環境での使用を想定して作られています。コンパクトさや持ち運びやすさはもちろん、袋の強度や凝固剤の性能に優れた、高機能な商品が多いのが特徴です。
価格は少し高めになる傾向がありますが、アウトドアレジャーと防災備蓄を兼用したい方にはおすすめの選択肢と言えるでしょう。
ネット通販
Amazonや楽天市場などのネット通販は、携帯用トイレを探すうえで最も選択肢が豊富な場所です。さまざまなメーカーの商品を、価格や性能、レビューをじっくり比較しながら選べます。
自宅まで届けてくれるため、100回分以上の大容量セットなど、重くてかさばるものを購入する際は特に便利です。日中は忙しくて買い物に行く時間がない方でも、空いた時間にスマートフォンで家族全員分の備蓄を効率よくそろえられます。
携帯用トイレとあわせて備えたい防災グッズ5つ

以下のグッズを一緒に備えると、携帯用トイレの効果を最大限に引き出し、より衛生的に使用できます。
非日常下でのストレスを少しでも和らげるために、ぜひ準備しておきましょう。ここからは、それぞれのグッズについて解説します。
グッズ1. 使い捨て手袋
使い捨て手袋は、排泄物の処理をおこなう際の衛生管理に欠かせません。排泄物には、目に見えないウイルスや細菌が含まれています。直接触れると、接触感染を引き起こすリスクがあります。
使い捨て手袋にはさまざまな種類がありますが、薄手のニトリル手袋やプラスチック手袋が使いやすいでしょう。携帯用トイレの個数分、あるいはそれ以上に多めに用意しておくと安心です。トイレの処理だけでなく、汚れた場所の清掃など、さまざまな場面で衛生的に作業をおこなうために役立ちます。
グッズ2. 目隠しポンチョ
自宅避難ができず、庭や車の中、避難所などで用を足さなければならない状況も考えられます。このような状況で、プライバシーを守ってくれるのが目隠しポンチョです。
頭からすっぽりかぶるだけで身体を覆い、周囲から見えにくい状態でトイレを使用できます。特に女性や子どもにとっては、心理的なストレスを和らげる重要なアイテムです。
目隠しポンチョは、着替えや授乳ケープ、雨具や防寒具としても活用できます。防災リュックに1つ入れておくと重宝するでしょう。
グッズ3. 消臭袋
災害発生後は、ゴミの収集が長期間ストップする可能性があります。使用済みの携帯用トイレは、収集が再開されるまで自宅で保管しなければなりません。その際、ゴミの臭いが問題になります。
特殊な素材で作られた消臭袋は、一般的なゴミ袋よりも強力に臭いを封じ込めます。不快な臭いは精神的なストレスにもつながるため、快適な避難生活を送るためにも、専用の消臭袋を必ず用意しておきましょう。
グッズ4. アルコール消毒液
断水している状況では、石鹸を使った流水での手洗いができません。断水時でも手指を清潔に保てるのがアルコール消毒液です。
トイレの使用後はもちろん、食事の前など、こまめに手指を消毒することで感染症のリスクを大幅に減らせます。持ち運びに便利な小型のスプレータイプと、自宅に備えておく大容量のポンプタイプを両方用意しておくと、様々な場面で活用できます。
グッズ5. ヘッドライト
停電時の夜間にトイレを使用する際、懐中電灯を片手に作業するのは困難です。ヘッドライトは頭に装着できるため、両手が自由になり、携帯用トイレの設置から後処理までの一連の作業を安全におこなえます。
たとえば、排泄袋を便器にセットしたり、使用後の袋の口をしっかり結んだりする作業も、両手が使えると楽になります。小さな子どもを支えながら作業しなければならない場面でも、ヘッドライトは必ず役立つでしょう。
携帯用トイレの使い方でよくある質問

最後に、携帯用トイレの使い方に関するよくある質問にお答えします。
車の中で携帯用トイレを使える?
携帯用トイレは、基本的に便座のある洋式トイレへの設置を前提としています。そのため、車内には適さない場合があります。
どうしても車内で用を足す必要がある場合は、便座または座面付きの組み立て式簡易トイレを使うのが望ましいでしょう。また、プライバシーを確保するために、目隠しポンチョや遮光カーテンなどを併用することをおすすめします。
女性が使う際に気をつけることは?
女性が自宅以外の場所で使用する際は、プライバシーと安全の確保が特に重要です。車内や屋外で使用する際は、人目につきにくく安全が確認できる場所を選び、目隠しポンチョなどで体を覆うようにしましょう。また、夜間はできるだけ一人で行動せず、家族など誰かと一緒に使うなど、防犯面にも配慮するのがおすすめです。
大便で使っても問題ない?
携帯用トイレは大小便どちらにも使用できます。特に大便の後は、臭いをしっかり抑えるために、排泄物が隠れるくらい多めに凝固剤を振りかけるのがポイントです。
ただし、商品によっては大便に対応していないものもあるため、購入時に確認しましょう。
携帯用トイレの使い方をマスターして災害時に備えよう
携帯用トイレは、電気や水が使えない状況でも使用できる災害グッズです。使い方は袋をかぶせて、固めて、捨てるというシンプルな手順で、誰でも簡単に使用できます。
大切なのは、「1人1日あたり約5回 × 7日分」という備蓄数の目安を知り、事前に準備することです。凝固剤の性能や袋の強度に注目して選び、目隠しポンチョや消臭袋などの関連グッズもあわせて用意すれば、いざというときの安心感は格段に高まります。
災害はいつ起こるかわかりません。この記事を読んだ今が、あなたと大切なご家族を守るためのトイレ対策をはじめる絶好のタイミングです。携帯用トイレを準備する際は、この記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。




