災害に備える

【チェックリスト付き】雨漏りによる漏電の原因・症状・対処法を徹底解説

雨漏りは、放置すると漏電を引き起こすおそれがあります。雨の日にだけ家電の調子が悪くなったり、ブレーカーが頻繁に落ちたりする場合は、雨漏りによる漏電のサインかもしれません。放置すると、感電や火災などの重大な事故につながる可能性があるため、早めの対処が重要です。

本記事では、雨漏りによる漏電の原因や症状、対処法を詳しく解説します。また、雨漏り対策についても紹介するので、雨漏りによる漏電を不安に感じている方はぜひ最後までお読みください。

目次

雨漏りで漏電が起きるのはなぜ?

住宅の雨漏りは、屋根瓦のズレや外壁のひび割れ、コーキングの劣化などから雨水が浸入することで発生します。通常、電気配線や電気器具には絶縁という処理が施されており、電気が外部に漏れないよう保護されています。

しかし、雨水が天井裏や壁の内部を伝って絶縁体の隙間に水分が入り込むことで、電気が本来の経路以外に漏れ出す「漏電」が発生する可能性があります。雨水は溶け込んだイオン(不純物)が含まれるため、電気を通しやすい性質があり、漏電が起きると感電や火災といった深刻な被害につながることも少なくありません。

雨漏りを放置することは、建物へのダメージだけでなく、命に関わるリスクにもつながるため、速やかな対処が求められます。

漏電しているかもしれない危険な5つの症状

漏電は目に見えないため、気づかないまま放置してしまうケースも少なくありません。しかし、注意して観察すると、日常生活の中にいくつかのサインが現れていることがあります。

ここでは、漏電しているかもしれない5つの症状を詳しく解説します。当てはまる症状が複数ある場合は、早めに専門業者へ相談することがおすすめです。

1. 雨漏り時に漏電ブレーカーが落ちる

分電盤には、主にアンペアブレーカー・安全ブレーカー・漏電ブレーカーの3種類があります。このうち、漏電ブレーカーが落ちている場合は、住宅内のどこかで漏電が発生している可能性があります。

電気の使いすぎで落ちるアンペアブレーカーや安全ブレーカーと混同しやすいため、まずどのブレーカーが落ちているかを確認することがポイントです。雨の日にブレーカーが落ちる頻度が増えていると感じた場合は、雨漏りによる漏電を疑ってみましょう。

2. 金属部分に触れるとしびれる

住宅内の金属部分や家電製品に触れたときにピリピリとしたしびれを感じる場合は、漏電した電流が金属部分に流れている可能性があります。交流電流が人体に流れたときの影響は、以下の通りです。

電流量反応
1mA感じる程度
5mA痛みを覚える
10mA我慢できない
20mA痙攣・動けない
50mA非常に危険
100mA致命的
出典:北海道でんき保安協会│感電のおはなし

電流量によっては命に関わる危険性もあります。しびれを感じた場合はすぐに触れるのをやめ、専門業者へ相談しましょう。

3. 雨が降ると家電の調子が悪くなる

雨の日だけ家電の動作が不安定になる場合、雨水が本体や電源コードに浸入して電流が外部に漏れ出している可能性があります。

晴れると症状が一時的に治まることもありますが、根本的な電気経路の異常は解消されていません。雨が降るたびに繰り返し漏電が発生するおそれがあります。症状が一時的に落ち着いても油断せず、早めに点検を依頼することがおすすめです。

4. 同じ使い方で電気代が上昇している

毎月の使用状況に特に変化がないにもかかわらず、電気代が急に高くなった場合も注意が必要です。漏電が起きると、本来流れるべきでない電流が回路の外に流れる状態になります。通常は漏電ブレーカーが作動して電気の流れは止まりますが、機器の故障などにより電流が流れ続けた場合、その分だけ電力使用量が増えて電気代が高くなることがあります。

心当たりがある場合は、電気代の明細を前月や前年同月と比較して不自然な上昇がないか確認することが重要です。電気代の上昇が続くようであれば、漏電以外の原因も含めて専門業者に確認してもらいましょう。

5. 焦げたにおいがする

コンセントや配線の周辺から焦げたようなにおいがする場合は、漏電による発熱やスパークが起きている可能性がある危険な状態です。天井裏や壁の内部で発生している場合は、外からは確認できないまま火災へと発展するリスクがあります。

漏電箇所の近くにホコリや木材などの可燃物がある環境では、熱が加わることで着火しやすくなるため、特に注意が必要です。においに気付いたらすぐに使用を中止して、安全を確保したうえでブレーカーを落としましょう。

漏電を放置するとどうなる?起こりうるリスク

漏電は放置するほど、被害が拡大するおそれがあります。ここでは、漏電を放置することで起こりうるリスクについて解説します。「たまにブレーカーが落ちるだけだから大丈夫」と軽く考えず、漏電が疑われる場合は早めに対処しましょう。

リスク1. 建物の腐食・劣化が加速する

漏電の原因となる雨水の浸入や湿気の影響により、建材が慢性的に湿った状態にさらされ続けます。木材は水分を含むことで腐食が進み、構造部分にまでダメージが及ぶことも少なくありません。また、湿気を好むカビやシロアリが発生しやすくなり、建物全体の耐久性が著しく低下するリスクもあります。

問題が深刻になるほど修繕の規模も大きくなり、費用も高額になりがちです。漏電が疑われる場合は放置せず、早めに点検・修理することが建物を長持ちさせることにつながります。

リスク2. 家電の修理・買い替えが必要になる

雨水や湿気の影響により、コードや家電本体で絶縁不良が起こると、故障して使えなくなることがあります。家電の修理や買い替えには想定外の出費がかかることがあり、業者による修理が完了するまで一部の電気設備が使用できなくなる場合もあります。

照明やコンセントが使えない状態が続けば、日常生活への影響も深刻です。湿気や水分の影響を受けた状態で使用を続けると二次被害にもつながるため、異常に気付いた場合は早めに使用を中止し、点検を依頼しましょう。

リスク3. 感電する

漏電ブレーカーが落ちるほどの電流でなくても、漏電が起きている箇所に触れると感電する危険があります。軽度であればしびれや痛みで済む場合もありますが、電流の強さや体内を流れる経路によっては、呼吸困難や心停止など命に関わる危険があります。

感電リスクを下げるためには、冷蔵庫や洗濯機についているアース線(接地線)を正しく接続しておくことが有効です。普段から接続状況を確認しておくことで、万が一の際の被害を軽減できます。

リスク4. 電気火災が発生する

漏電箇所で発生した熱により、ホコリや周囲の可燃物に引火し、火災に発展することもあります。天井裏や壁の内部など、目に見えない場所で進行するケースが多く、気付いたときには火が広がっているという事態も起こりえます。

また、雨漏りによる漏電が原因の火災は、場合によっては火災保険の適用外になる場合がある点にも注意が必要です。「保険があるから大丈夫」と思っていると、いざというときに補償が受けられないリスクがあります。漏電の疑いがある場合は放置せず、早めに専門業者へ相談しましょう。

雨漏りによる漏電が起きたときの対処法

漏電が疑われる場合は、落ち着いて順番に対処することが重要です。ここでは、雨漏りによる漏電が起きた場合の対処法を4つ紹介します。焦って漏電箇所に触れたり、自己判断で修理しようとしたりせず、以下の対処法を参考に行動してみましょう。

漏電している可能性のある機器の電源プラグを抜く

漏電が疑われる場合は、まず該当する家電の電源プラグをコンセントから抜き、使用を中止しましょう。プラグを抜くことで感電や火災のリスクを下げられます。

このとき、濡れた状態の家電や配線には触れないよう注意し、必要に応じて絶縁手袋などを使用してください。雨水が浸入した家電はショートや感電を引き起こす危険があります。安全な場所に移動できるものはあらかじめ移動させておくと、被害の拡大を防ぎやすくなるでしょう。

ブレーカーで漏電回路を確認する

電源プラグを抜いたら、ブレーカーを使って漏電している回路を特定しましょう。まずはブレーカーをすべて下げた状態にし、漏電ブレーカーだけを上げます。

その後、個別のブレーカーを1つずつ上げていき、漏電ブレーカーが落ちたタイミングで、該当する回路に漏電の可能性があると判断できます。原因の回路が特定できたら、業者が来るまでそのブレーカーは上げずにおいておくのが安全です。

自己判断での修理は大変危険なため、回路の特定にとどめて、修理は必ず専門業者に依頼するようにしましょう。

電気保安協会へ連絡する

漏電が疑われる場合は、電気保安協会へ連絡しましょう。電気保安協会は電気設備の点検や安全管理を担う団体で、漏電調査を依頼することも可能です。原則として4年に1回以上の定期調査がおこなわれており、一般家庭への点検を無料でおこなっている場合もあります。

窓口は地域ごとに設けられているため、まずはお住まいの地域の電気保安協会を調べて連絡しましょう。専門的な知識を持つスタッフに、漏電の調査や必要に応じた対応について相談できます。

契約している電力会社へ連絡する

電気保安協会に連絡がつきにくい場合は、契約している電力会社へ連絡するのも有効な手段です。関西電力や東京電力などの電力会社では、漏電に関する問い合わせに対応しており、状況に応じた対処方法や対応窓口を案内してもらえます。

電力会社によっては24時間対応の窓口を設けている場合もあり、夜間や休日に漏電が発生した場合でも相談しやすいのが特徴です。漏電が疑われる場合は自己判断で解決しようとせず、早めに電気保安協会や電力会社へ相談しましょう。

雨漏りによる漏電チェックリスト

▼漏電しているかもしれない危険な症状
雨漏り時に漏電ブレーカーが落ちる
金属部分に触れるとしびれる
雨が降ると家電の調子が悪くなる
同じ使い方で電気代が上昇している
焦げたにおいがする
▼漏電が起きているときの対処法
漏電している可能性のある電源プラグを抜く
ブレーカーで漏電回路を確認する
電気保安協会へ連絡する
契約している電力会社へ連絡する

上記のチェックリストを参考に、気になる症状がないか確認しましょう。漏電のサインは日常生活の中で見落としやすいため、雨の日が続く梅雨・台風シーズン前に一度チェックしておくことをおすすめします。

少しでも異常を感じたら、安全が確認できるまで該当する電気機器の使用は控えてください。

梅雨・台風シーズン前にやっておきたい雨漏り対策3選

点検

雨漏りは梅雨や台風シーズンに被害が拡大しやすく、漏電などの二次被害につながることもあります。ここでは、梅雨・台風シーズン前にやっておきたい雨漏り対策を3つ紹介します。シーズンが始まる前に基本的なメンテナンスを済ませておくことで、トラブルを未然に防ぎやすくなるでしょう。

対策1. 屋根や外壁の定期点検をする

屋根や外壁は、年に1〜2回を目安に点検することをおすすめします。特に台風シーズンの前後は念入りに確認しておきたいタイミングです。屋根材の破損や浮き、外壁のひび割れや塗装のはがれ、天井や壁にシミや膨らみがないかなどを確認しておきましょう。

雨漏りは小さなひび割れや隙間から少しずつ浸入し、気付いたときには被害が広範囲に及んでいるケースも少なくありません。早期に異常を発見して修繕しておくことで、大規模な雨漏り被害や高額な修理費用を未然に防げます。

対策2. 防水対策を取り入れる

雨漏りを防ぐためには、適切な防水処理を施しておくことも重要です。防水性の高い塗料による再塗装や、防水シートを定期的に張り替えることで、建物への雨水の浸入をしっかり防げます。

また、窓やドア周りのシーリングはひび割れや剥がれが起きやすい箇所のため、劣化が見られたら早めに打ち替えておきましょう。

雨漏りが発生しやすい箇所にあらかじめ適切な防水処理を施しておくことで、漏電などのさまざまなトラブルを予防しやすくなります。梅雨や台風シーズンが始まる前に、一度専門業者に点検を依頼しておくと安心です。

対策3. 雨樋の掃除をしておく

雨樋は、屋根に降った雨水を地面へスムーズに排水するための設備です。しかし、落ち葉やゴミが溜まり、詰まってしまうと排水不良を起こし、雨水が溢れて外壁や基礎部分に浸入する原因となります。雨樋の詰まりは見落とされやすいですが、放置すると建物への浸水リスクが高まり、雨漏りや漏電につながることもあります。

屋根や外壁の点検と合わせて、梅雨・台風シーズン前に雨樋の状態も確認しておくことが大切です。詰まりがひどい場合や高所の作業が必要な場合は、無理に自分で作業しようとせず専門業者に依頼しましょう。

雨漏りによる漏電に関するよくある質問

最後に、雨漏りによる漏電に関するよくある質問に回答します。火災保険の適用や修理費用の相場について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

雨漏りによる漏電は自分で直せる?

雨漏りによる漏電を自分で修理するのはリスクがともなうため、必ず専門業者に依頼しましょう。漏電箇所に触れると感電するおそれがあり、症状が軽そうに見えても自己判断での対処は危険です。

また、漏電修理やブレーカーの交換には電気工事士の資格が必要であり、資格を持たない方が作業をすることは認められていません。自分で直せそうと感じた場合でも、必ず有資格者が在籍する電気工事業者に依頼するようにしましょう。

漏電が自然に直ることはある?

漏電が自然に直ることはほとんどありません。雨が止んで症状が落ち着いたように見えても、電気経路に生じた異常は解消されていません。特に雨漏りが原因の漏電は、雨が降るたびに繰り返し発生する可能性があります。

放置していると、火災や感電などの重大な事故につながるおそれがあります。少しでも漏電の疑いがある場合はすぐに専門業者に点検・修理を依頼しましょう。

雨漏りによる漏電で火災保険は適用される?

台風や強風などの自然災害が原因の場合は、火災保険が適用される可能性があります。一方で、経年劣化が原因の雨漏りによる漏電は保険の対象外になるケースも多く、注意が必要です。

また、保険会社によって補償内容や条件は異なります。まずは加入中の保険証券を確認し、適用されるかどうか不明な点は保険会社に直接問い合わせておくことをおすすめします。また、保険申請は原則として加入者本人がおこなう必要がある点も覚えておきましょう。

雨漏りや漏電の修理費用の相場は?

雨漏り修理は、屋根瓦のずれ程度の簡単な修理であれば数万円程度で済むことがあります。ただし、屋根全体の葺き替えが必要な場合は、修理費用が100万円以上になることも少なくありません。

また、漏電修理はコンセントの交換のみであれば1〜2万円程度が相場です。一方で、配線全体の改修や分電盤の交換が必要な場合は、数十万〜50万円以上かかるケースもあります。

いずれも放置するほど被害が広がり、修理費用が高額になる傾向があります。修理費用は被害の状況や依頼先によって異なるため、複数の業者から見積もりを取って比較検討しましょう。

雨漏りと漏電は早期発見・早期対処が大切!

雨漏りと漏電は密接に関係しており、放置すると感電や火災などの命に関わる重大な事故につながるおそれがあります。たまにブレーカーが落ちる、雨の日に家電の調子が悪いなどの日常生活の中で見られるサインを見逃さず、早めに専門業者へ相談することが重要です。

また、梅雨・台風シーズン前に屋根や外壁の点検などのメンテナンスを済ませておくことで、雨漏りを未然に防ぎやすくなります。漏電が疑われる場合は自己判断での修理は行わず、電気保安協会や電力会社など専門機関へ相談しましょう。雨漏りも漏電も早期発見・早期対処が建物と家族を守ることにつながります。