災害に備える

車・家を守るための雹対策5選!主な被害や雹が降りやすいエリアも徹底解説

雹(ひょう)は空から降ってくる気象現象で、氷の粒によって車や家、人の安全に大きな影響をもたらします。短時間であっても、車のへこみや窓ガラスの破損、ケガなどにつながることがあります。実際に各地で雹による被害が発生しており、安全を守るためには降雹(こうひょう)に備えて対策しておくことが重要です。

本記事では、車や家を守る雹対策5選について詳しく解説します。雹による主な被害や、状況別で取るべき行動も紹介するので、雹による被害が心配な方はぜひ最後までお読みください。

目次

そもそも雹(ひょう)とは?

雹

雹(ひょう)とは、空から降ってくる氷の粒のうち、直径が5mm以上のものを指します。霰(あられ)と混同されがちですが、一定以上の大きさをもつ氷の塊である点が特徴です。

一般的には直径5mm〜2cm程度の雹が多いとされていますが、気象条件によってはそれ以上の大きさになることもあります。ここでは、雹が降る仕組みや、降りやすい気象条件・地域について詳しく見ていきましょう。

雹が降る仕組み

雹は地上が暖かく、上空に冷たい空気が流れ込むことで大気が不安定になり、発達した積乱雲の中で形成されます。積乱雲の中では強い上昇気流が生じ、水蒸気が凍ってできた小さな氷の粒が雲の中を上下に行き来します。

その過程で氷の粒同士がぶつかり合い、次第に大きく成長します。十分に大きくなって重くなると、上昇気流で支えきれなくなり、雹として地上に落ちてくるという仕組みです。

雹が降りやすい状況

雹は大気の状態が不安定なときに発生しやすい気象現象です。「大気の状態が不安定」「天気の急変」などの表現が使われている場合や、雷注意報が発表されているときは雹が降る可能性があります。

特に、地上と上空の気温差が大きい日は積乱雲が発達しやすいため注意が必要です。午後から夕方にかけては特に雹を伴う雷雨が発生しやすいため、無理な外出は控えましょう。

雹が降りやすいエリア

日本では、北海道から東北の日本海側、北関東を中心とした内陸部で雹が多く発生しています。なかでも、福島県の内陸部から北関東、長野県・山梨県にかけては、5〜8月の作物の生育期と重なる時期に雹害が起こりやすいとされています。

また、関東平野は雷雲が発達しながら長距離を移動しやすいため、利根川流域などを中心に広範囲で雹が降ることが多い地域です。これらの地域特性を理解し、備えをしておくことで安心につながります。

出典:龍ヶ崎市公式ホームページ│雹(ひょう)の被害は北関東で最も多い

雹によって起こる主な被害

雹災

雹は一見すると小さな氷の粒ですが、想像以上の被害をもたらすことがあります。被害の内容は状況や場所によって異なり、車や建物、人の安全に影響を及ぼすことも少なくありません。

ここでは、雹によって起こりやすい主な被害について、以下の3つをご紹介します。

被害1. 車に傷がつく

雹が降ると車のボンネットや屋根がへこむ、フロントガラスが割れるなどの被害が発生します。雹は高い位置から勢いよく落下してくるため、小さく見えても車体に大きな衝撃を与えます。

雹が大きい場合には、カーポートの屋根に穴が開き、その下に停めていた車が直接傷つくこともあります。また、運転中に雹に遭遇すると視界が悪化し、路面に積もった雹によってスリップしやすくなる点にも注意が必要です。

被害2. 建物の窓ガラスや屋根が破損する

雹によって、建物の窓ガラスや屋根、外回りが破損する被害が起こることもあります。具体的な被害は以下の通りです。

  • 窓ガラスが割れる
  • アルミサッシが歪む
  • 雨樋が破損する
  • 屋根や外壁が傷つく

こうした破損は、修理にまとまった費用がかかるケースも少なくありません。実際に、2022年6月には群馬県で降雹が発生し、藤岡市や安中市で窓ガラスの破損が複数件確認されました。雹は短時間でも建物に深刻な被害をもたらすおそれがあります。

出典:群馬県│降ひょう(6月2日)に関する情報

被害3. 雹が人に当たってケガをする

雹は人に直接当たることで、ケガにつながる危険性があります。頭や肩に雹が当たって打撲を負ったり、割れた窓ガラスの破片によって切り傷を負ったりするなどの人的被害が発生します。

実際に2024年4月には関西で降雹があり、明石市や加古川市では頭部や手を負傷した人が出た事例も報告されました。雹が降り始めたら、早めに身の安全を確保することが重要です。

出典:兵庫県│令和6年4月16日の降雹(こうひょう)による被害等について(第3報)

【場所別】雹が降ってきたときに取るべき行動

雹は突然降り始めることが多く、状況によって適切な行動が変わります。屋内にいる場合や屋外にいる場合、車に乗っている場合など、あらかじめ行動のポイントを把握しておくことが重要です。雹が降ってきたときに慌てず対応できるように、場所別に取るべき行動を確認しておきましょう。

屋内にいる場合

屋内にいる場合は、窓ガラスから離れて安全を確保することが最優先です。可能であればカーテンを閉め、窓には近づかないようにしましょう。カーテンを閉めておくことで、万が一、窓ガラスが割れた場合でも、破片の飛散による人的被害を防ぎやすくなります。

雹は小さく見えても衝撃が強く、大きな雹になると窓ガラスを割ったり、木製の扉に穴をあけたりすることもあります。音に驚いて窓の外を確認しに行くのは危険なため、落ち着いて屋内の安全な場所で様子を見ましょう。

屋外にいる場合

屋外にいる場合は、できるだけ早く近くの建物の中へ避難しましょう。雹は硬く、直接体に当たるとケガにつながる可能性があります。傘をさしていても雹が突き破ったり、横から勢いよくぶつかったりすることがあるため、十分な防御にはなりません。

また、雹は雷や強風を伴うことが多く、落雷や飛来物など別の危険も重なりやすい状況です。屋根のある建物や頑丈な構造物の中に入り、無理に移動せず安全が確保できる場所で待機しましょう。

車に乗っている場合

車に乗っている場合は無理に外へ出ず、車内で安全を確保することが基本です。雹が降ってきたら、可能であれば路肩や駐車場などに停車しましょう。雹が車に当たると大きな音がして不安になりますが、慌てて外に出るとかえってケガをする可能性が高まります。

車の窓ガラスが割れる可能性はありますが、雹が車の屋根を突き破ることはほとんどありません。シートベルトを着用したまま車内で待機し、雹が弱まるのを落ち着いて待つことが重要です。

家や人を守るための雹対策3選

雹による被害は、車だけでなく家や人にも及ぶことがあります。突然降ってくる雹は、窓ガラスを破損させたり、人に当たってケガにつながったりすることもあり、日頃からの備えが欠かせません。ここでは、家や人を守る雹対策を以下の3つご紹介します。

1. 雹が降りやすい日は外出を控える

雹による被害を防ぐうえで最も効果的なのは、雹が降るおそれのある日は無理に外出しないことです。まずは天気予報を確認し、「雷注意報」や「大気の状態が不安定」といった情報が出ている場合は、雹への注意も必要です。

特に、午後から夕方にかけては天気が急変しやすいため注意が必要です。気象庁のナウキャストや雨雲レーダーを見られるアプリなどを利用すれば、雨雲や雷雲の動きをリアルタイムで確認できます。事前に危険を察知し、外出を控える判断が被害軽減につながるでしょう。

2. 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る

窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っておくことで、雹によってガラスが割れた際のケガを防ぎやすくなります。雹が強く当たると窓ガラスが破損し、細かな破片が室内に飛び散るおそれがあります。

破片が体に当たると大きなケガにつながるため、事前の対策が重要です。飛散防止フィルムは、割れたガラスをフィルムが保持し、破片の飛散を抑える役割があります。さらに、雹対策だけでなく、地震や台風など、ほかの災害時にも役立つ点もメリットです。

3. 頭を守れるものを常備する

やむを得ず外出する場合は、頭を守れるものを携帯しましょう。雹が頭に直撃するとケガにつながるおそれがあるため、カバンや上着、帽子などで衝撃を和らげられるように準備しておくと安心です。

近年では、衝撃を吸収する防護キャップといった製品も登場し、雹対策に役立てることができます。何も持っていない場合は、段ボールなどで頭部を保護したり、近くの建物にすぐ避難したりするなど、身を守る行動を取りましょう。

車を守るための雹対策2選

雹による被害は、家や人だけでなく車にも大きな影響を与えます。雹が車体に当たると、ボディがへこんだり傷ついたりし、修理費用が高額になるケースも少なくありません。ここでは、日常的に取り入れやすい車の雹対策を2つ紹介します。

雹による車の被害が心配な方は、ぜひチェックしてください。

1. 雹対策用の毛布やカバーを用意する

雹による車の被害を防ぐには、毛布や車用カバーなどで車体を覆う対策が有効です。段ボールやベニヤ板、毛布などを車体の上に被せることで、雹の衝撃を和らげる効果が期待できます。雹は突発的に降ってくることが多いため、外出先でも対応できるように毛布や厚手のカバーを常に車に積んでおくと安心です。

車用カバーを使用する場合、薄手のものでは十分に保護できないため、クッション性のある厚手タイプを選びましょう。段ボールやベニヤ板は手軽に用意できる反面、雨で濡れると処分が大変になる点には注意が必要です。

2. カーポートを設置する

雹による車の被害が心配な場合は、カーポートを設置することで車を守りやすくなります。毛布やカバーと比べると費用は高額になりますが、その分しっかりと車を守れる点が大きなメリットです。屋根があることで雹の直撃を防ぎやすく、被害のリスクを減らせます。

ただし、強度が十分でない場合は、雹によって屋根材が破損する可能性もあります。設置する際はスチール製やアルミ製など、耐久性の高い素材を選びましょう。さらに、紫外線や鳥の糞、雨風からも車を守れるため、長期間きれいな状態を保ちたい方にも向いています。

雹の対策に関するよくある質問

最後に、雹の対策に関するよくある質問に回答します。

雹対策のグッズや雹被害による保険の適用に関して詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

雹対策のグッズはどこで買える?

雹対策グッズは、ホームセンターやオンラインショップで購入できます。実際に商品を手に取って厚みやサイズ感を確認したい場合は、ホームセンターがおすすめです。毛布や車用カバー、飛散防止フィルムなど、雹対策に使えるアイテムが種類豊富にそろっています。

一方、オンラインショップでは、防雹専用カバーや評価の高い商品を比較しながら選べる点がメリットです。使用シーンや保管場所に合わせて、購入先を使い分けるとよいでしょう。

車の雹被害で保険を適用したら等級は下がる?

雹による車の被害で車両保険を適用した場合、翌年の等級は1等級下がるのが一般的です。雹は自然災害による損害ですが、車両保険を使用すると「事故有係数」が適用されます。

ただし、雹被害が補償対象になるかどうかは契約している車両保険の内容によって異なります。補償外となる場合もあるため、事前に補償範囲や免責条件を確認しておくことが大切です。

雹対策を万全にして、車や家への被害を防ごう!

雹は発生頻度こそ高くないものの、ひとたび発生すると広範囲に被害をもたらすおそれがある自然現象です。車の損傷や建物の破損、人的被害など、影響はさまざまです。雹が降る仕組みや、雹が降りやすい地域特性を理解し、適切な行動や対策を取ることが安全確保につながります。

屋内・屋外・車内それぞれでの対応に加え、飛散防止フィルムを貼る、毛布やカバーを用意するなど、個人でできる対策も進めましょう。事前に備えておくことで、突然の雹にも落ち着いて対応しやすくなります。