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災害が起きたら

津波が来たらどこに逃げる?津波の威力や個人でできる対策も紹介

「津波が来たらどこに逃げたらいい?」
「個人でできる津波対策を知りたい」


津波の危険性を理解していても、緊急時にどこへ逃げるべきかわからない方もいるのではないでしょうか。特に高台が近くにない場合やすぐに避難が難しい状況では、適切な行動を取ることが命を守るために大切です。

そこで本記事では、津波が発生した際に逃げるべき場所や安全に避難するためのポイントを紹介します。さらに、津波の威力や日頃から備えておくべき対策についても解説します。津波が来た際の行動についてぜひ最後までお読みください。

目次

津波の威力はどれくらい?

津波は膝ほどの高さでも強い威力を持ち、人や建物に大きな影響を与えます。津波の高さと浸水による死亡率は以下の通りです。

津波の浸水の深さと想定上の死亡率

30cm以上になると、車やコンテナが浮き始めます。そして、津波の高さが50cmを超えると健康な成人でも自力で立つことが難しくなります。1mを超えると計算上の死亡率は100%となるため、即座に避難して巻き込まれないようにすることが大切です。

津波が来たらどこに逃げるのか?

津波が予想される場合、高台や津波避難ビル、津波避難タワーなどに迅速に移動しましょう。避難は遠くではなく、高い場所を目指すことが基本です。津波避難場所や津波避難ビルには以下のような表記があります。

自分の住んでいる地域で避難場所の表記がある建物の場所を把握しておくと、いざというときに迅速に避難できます。山ぎわや急傾斜地の近くを移動する際は山崩れや崖崩れのリスクがあるため、十分に注意して避難してください。

津波が来たときの行動

激流

津波が来たら迅速な避難が生死を分けるため、すぐに逃げるという意識を常に持つことが重要です。ここでは、津波が来たときに取るべき具体的な行動を紹介します。

災害時は焦りや混乱が生じやすいため、日頃から正しい知識を身につけ、冷静な判断ができるよう備えておきましょう。

海・川から離れる

津波発生時は、海からすぐに離れましょう。津波は思った以上に速く、避難が遅れると津波に巻き込まれて命を落とすことも少なくありません。

また、津波は強い勢いで川を遡上することもあるため、川からも離れることが大切です。自己判断で海や川に近づくのは危険であるため、警報が解除されるまで安全な場所で待機し、慎重に行動しましょう。

徒歩で避難する

避難する際は徒歩で移動することが基本です。車で逃げようとすると、渋滞に巻き込まれて避難が遅れる可能性があります。

さらに、津波に飲み込まれると車のドアが水圧で開かなくなり、脱出が難しくなります。万が一、車に乗っている場合は、路肩に車を停めて徒歩で避難しましょう。

正しい情報を入手する

信頼できる情報を確認することも大切です。災害時は多くの方が不安に駆られ、SNSなどでは憶測や偽情報が拡散しやすい状態となります。

2024年の能登半島地震では「人工地震が原因」といったデマが拡散され、誤った情報が多くの人に広まりました。また、2011年の東日本大震災の津波映像が能登半島地震のものとして拡散されるケースもありました。

誤情報が広まると、適切な判断ができなくなる恐れがあります。ほかの方に情報を伝える際も、信頼できる発信元から出た情報かどうか確認することが大切です。

個人でできる津波対策3選

避難グッズ

個人でできる津波対策は、主に以下の3つです。

事前の備えをしておくことで緊急時に冷静な行動が取れます。いざという時に後悔しないためにも、どんな対策をすればよいかわからない方はぜひ実践してみてください。

【あわせて読みたい】津波対策は何をすればよい?日本での取り組みや基礎知識を解説

1. ハザードマップで避難場所を確認する

津波発生時に迅速に避難するために、ハザードマップで避難場所を把握しておきましょう。ハザードマップには浸水範囲や避難場所などが記載されており、避難経路を決める際に役立ちます。

特に、自宅や職場近くの避難場所を確認し、災害時に迷わず避難できるよう準備しておくと安心です。避難場所の情報を家族と共有しておけば、万が一、別の場所で被災した場合でも集合できるようになります。ハザードマップは以下から確認できます。

▼ハザードマップ

https://disaportal.gsi.go.jp

2. 避難訓練に参加する

避難訓練に参加し、実際に避難行動を体験しておくことも大切です。各地域では防災訓練が定期的に実施されており、大阪では「880万人訓練」のような大規模な訓練もおこなわれています。

事前にどのように行動するか考え、実際に避難経路を歩くことで災害時も冷静に行動できます。家族や大切な方にも声をかけて避難訓練に参加し、万が一に備えましょう。

3. 非常持ち出し品を準備する

津波が発生した際、すぐに避難できるように非常持ち出し品を準備しておきましょう。非常持ち出し品の例は以下の通りです。

  • 現金・預金通帳
  • 飲料水・食料
  • ラジオ
  • 懐中電灯
  • 救急用品

上記以外にも女性なら生理用品、冬なら防寒具など、必要なものがあれば用意してください。必要最低限のものをリュックにまとめ、いつでも持ち出せる場所に置いておくと安心です。食料や飲料水は賞味期限があるため、普段から持ち出し品を見直して万全の準備を整えておきましょう。

津波に関するよくある質問

よくある質問のイメージ

ここでは、津波に関する以下の質問についてまとめました。

津波が来た際の逃げる場所について、さらに詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

津波で近くに高台がない場合はどこに逃げたらいい?

近くに高台がない場合は、できる限り海から離れた場所へ逃げます。それも難しい場合は近くにある鉄筋コンクリートの建物の高い階へ避難しましょう。津波は速いスピードで襲ってくるため、大丈夫だと自己判断せずに避難して身を守ることが大切です。

「津波てんでんこ」とは?

「津波てんでんこ」とは、津波が来たら迷わず自分の命を守るために各自で避難するという教えです。岩手県釜石市の児童・生徒がこの教えを守り、99.8%が助かったことから広く知られるようになりました。

過去の津波では、家族を助けようと海沿いに戻り、津波に巻き込まれたケースがありました。緊急時は自分の身を守ることが最優先です。家族や大切な方とは災害が発生したときの行動や避難場所について事前に話し合っておきましょう。

もしものときに備えて今すぐ津波対策を!

本記事では、津波が来たらどこに逃げるべきかについて詳しく解説しました。津波は時速36kmほどの速さで海岸に押し寄せ、高さが1mを超えると死亡率は100%と言われています。命を守るため、周囲の高台や鉄筋コンクリートの建物に速やかに避難しましょう。

災害時に冷静に行動するためには、事前にハザードマップで避難場所を確認し、避難経路を把握しておくことが大切です。また、家族や大切な人と避難計画を共有し、緊急時の避難場所や連絡手段を決めておくことも重要です。津波は予測できないスピードで襲ってくるため、いざというときに迷わず行動できるように対策しましょう。