地震により停電が発生した際は、身の安全の確保が最優先です。揺れがおさまったら明かりを確保し、停電復旧時の通電火災を防ぐために、ブレーカーを落としましょう。
まずは、地震で停電が起きた際の対応についてご紹介します。まずは、地震で停電が起きた際の対応についてご紹介します。詳しくは【状況別】地震で停電が起きた際の対応で解説しているので、参考にしてみてください。
状況 地震で停電が起きた際の対応 地震発生時 ・身の安全を確保する 揺れがおさまった後 ・明かりを確保する
・家電の電源・ブレーカーをOFFにする(屋内)
・信号機や交通状況に注意する(屋外)
・停電情報をリアルタイムで確認する
・自宅のみが停電している場合は電力会社に問い合わせる電気復旧後 1.冷蔵庫の水漏れや食品をチェックする
2.安全を確認してブレーカーを上げる
3.ライフライン・インフラ設備の状態を確認する
この記事では、地震で停電が起きた場合の対応について解説します。また、地震で停電が発生する原因や、復旧にかかる時間についても触れています。この記事を読めば、万が一の際にどのような行動を取ればよいか理解できるでしょう。
そもそも地震で停電が起きるのはなぜ?

地震により停電が発生する理由は、主に以下の2つです。
- 変電設備の倒壊
- 安全確保のための送電停止
地震の揺れで電柱が倒壊したり、電線や地中に埋まっているケーブルが損傷したりすると、配電できず停電が起こります。
また、地震による火災が原因で設備が損傷するケースも少なくありません。場合によっては、設備周辺の消火活動を安全におこなうために停電することもあります。
【状況別】地震で停電が起きた際の対応
地震で停電が起きた場合、タイミングによって必要な行動が異なります。ここでは、状況別に取るべき行動を解説します。
| 状況 | 地震で停電が起きた際の対応 |
|---|---|
| 地震発生時 | ・身の安全を確保する |
| 揺れがおさまった後 | ・明かりを確保する ・家電の電源・ブレーカーをOFFにする(屋内) ・信号機・交通状況に注意する(屋外) ・停電情報をリアルタイムで確認する ・自宅のみが停電している場合は電力会社に問い合わせる |
| 電気復旧後 | 1.冷蔵庫の水漏れや食品をチェックする 2.安全を確認してブレーカーを上げる 3.ライフライン・インフラ設備の状態を確認する |
【地震発生時】身の安全の確保が最優先

地震発生時に何よりも大切なのは、身の安全を確保することです。明かりを確保しようとして無理に動くと、周囲の大型家具が倒れてくるおそれがあり危険です。まずは頭部を守り、揺れがおさまるまで待ちましょう。
ただし、地震発生時にどこにいるかによって、適切な行動は異なります。たとえばリビングや寝室にいる場合は、低い姿勢をとって机の下に隠れるのが基本です。
屋外の住宅街にいる場合は、ブロック塀や看板が倒れたり落下したりする危険があるため、持っているカバンなどで頭部を守りましょう。商業施設にいる場合や、乗り物に乗っていた場合などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】地震で避難するのはどんなとき?シーン別取るべき行動や判断基準を解説
【揺れがおさまった後】やるべきこと
揺れがおさまったら、状況に応じて以下の行動を取りましょう。
ここからは、それぞれの行動について解説します。
明かりを確保する
周囲が暗くて周りが見えない状況であれば、まずは明かりの確保が必要です。懐中電灯やランタンで周囲を照らしましょう。ソーラー充電式の懐中電灯なら、長期的な停電でも明かりを確保できます。
ペットボトルを使った簡易的なランタンも便利です。水を入れたペットボトルを懐中電灯の上に置くだけで、柔らかく周囲を照らすことができます。
なお、周囲を照らす目的でロウソクを使用するのは、あまりおすすめしません。燃えやすいものがあると、火災に発展する恐れがあるためです。災害時に火災が起こると、消火活動や避難が余計困難になるため、ロウソクの使用は極力控えましょう。
家電の電源・ブレーカーをOFFにする(屋内)

屋外に避難するかどうかにかかわらず、家電のプラグをコンセントから抜き、ブレーカーをオフにしましょう。浸水による漏電や、復旧時の通電火災の恐れがあります。
阪神淡路大震災や東日本大震災で発生した火災の半数以上が、電気による火災でした。ブレーカーを落とすことで通電火災を防ぎ、自宅や財産の焼失を避けることができます。
ブレーカーをオフにする順番は、以下の通りです。
- 安全ブレーカー
- 漏電ブレーカー
- アンペアブレーカー
詳細については、以下の記事で解説しています。
【あわせて読みたい】災害時のブレーカーの落とし方は?順番や復旧時の注意点も解説
家電の中でも、本来は電源を入れっぱなしにしておく冷蔵庫に不安を感じる方もいるでしょう。冷蔵室の上段に保冷剤を入れると、冷気が下に流れて庫内全体の温度上昇を抑えられます。
余裕がある場合は、保冷剤を使用した工夫も取り入れてみましょう。
信号機・交通状況に注意する(屋外)
屋外にいる場合は、交通の状況に注意が必要です。停電が発生すると、信号機が消灯する場合があります。警察官が手信号で交通整理をおこなっている場合は、指示に従いましょう。
警察官がいない場合、交通状況によっては事故の危険があります。交通量の多い交差点は特に注意が必要です。交差する道路を走る車両や、反対方向から右折してくる車両をよく確認して通行しましょう。車を運転している場合は、道路を渡る歩行者に要注意です。
停電情報をリアルタイムで確認する
インターネットが使用できるときは、公的機関や電力会社のサイトからリアルタイムで情報を収集しましょう。
たとえば、政府や地方自治体のサイト、関東の場合は東京電力EPのサイトなどが有力です。地域によっては、SNSで情報を発信している場合もあります。
ただし、SNSに投稿されている情報が正しいとは限りません。より信頼度が高いのは、個人の投稿ではなく公的機関や電力会社の情報です。
自宅のみが停電している場合は電力会社に問い合わせる
ブレーカーが落ちていないのに自宅のみが停電しているなど、原因が特定できない場合は電力会社に連絡することをおすすめします。現在の状況を電力会社に伝え、指示があればそれに従いましょう。
【電気復旧後】やるべきこと3つ
電気が復旧したら、次の3つの手順で対応しましょう。
ここからは、それぞれの行動について解説します。
1. 冷蔵庫の水漏れや食品をチェックする
はじめに、冷蔵庫の水漏れや食品の状態をチェックします。停電が3時間以上長引くと、水漏れが発生する可能性があるためです。
水漏れが起こっている場合、漏れているところをタオルなどでふき取りましょう。復電時に漏電が発生する危険があります。また、冷蔵庫内の食品が傷んでいる可能性もあります。状態を確認し、捨てるか調理するか判断しましょう。
以下の記事では、冷蔵庫や冷凍庫の停電対策について詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
【あわせて読みたい】停電時に冷蔵庫は何時間持つの?対処法や停電対策を解説
2. 安全を確認してブレーカーを上げる
安全のために、ブレーカーがすべてオフになっていることを確認します。問題がなければ、以下の順番にブレーカーを上げましょう。
- アンペアブレーカー
- 漏電ブレーカー
- 安全ブレーカー
上記の順番でオンにすると、回路にかかる負荷を抑えることができます。
3. ライフライン・インフラ設備の状態を確認する
続いて、ガスや水道など、各ライフラインが正常に作動し、安全であるかを確認します。
ガスを復旧させる前に、ガス漏れが起こっていないか、必ずにおいを確認しましょう。プロパンガスの場合は、あわせてガスボンベのチェックも必要です。復旧は、復帰ボタンを押すと再開できます。
また水道が復旧した際は、最初の水を十分に流してから使用しましょう。最初に流れてくる水は、濁っている可能性があります。
水道が使えない場合は、水道の元栓を締めて、飲料水や生活用水を確保しましょう。
【あわせて読みたい】【災害時の備えつき】ガスが止まったのはなぜ?原因や復旧方法を詳しく解説
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地震で停電から復旧するまでにかかる時間

地震による停電が何日で復旧するかは状況によって異なりますが、長期化する可能性もあります。たとえば、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、発災後3日で約80%、8日で約94%の停電が解消されました。
しかし、これは復旧作業に着手できなかった地域も含めた割合です。実際に着手可能な地域すべてで停電が解消されたのは、発生から約3カ月後でした。
過去の事例を踏まえ、停電が長期化しても対応できるようあらかじめ対策を取りましょう。次の章では、地震による停電対策について紹介します。
地震による停電対策4つ
地震による停電に備えて、以下の対策をおこないましょう。
ここからは、対策方法について詳しく解説します。
対策1. 停電時も使える照明を確保する
懐中電灯やランタンなど、電気が使えなくても周囲を明るくできるアイテムを用意しましょう。すぐに使えるよう、複数用意しておくと安心です。過ごす時間が長いリビングと、就寝時でも手に取れるようベッドの近くに置いておくとよいでしょう。
また、玄関には自動点灯するLEDライトを設置するのがおすすめです。蓄電された電力で自動的に点灯するため、夜間でも限られた時間なら足元を照らせます。
対策2. 調理手段を確保する
停電が長引いても調理ができるよう、カセットコンロとボンベを用意しておくと安心です。電気やガスが復旧しなくても、温かい食事ができます。
また、クーラーボックスに保冷剤を入れることで、一時的に冷蔵庫の代わりとして使用できます。アウトドアでも利用できるため、お出かけにも役立つでしょう。
水筒や保温タンブラーがあると、調理で残ったお湯を保温できます。日常でも使用できるアイテムなので、ない場合はそろえておくとよいでしょう。
対策3. モバイルバッテリー・ポータブル電源を用意する
スマホの電源を確保するため、モバイルバッテリーを用意しておきましょう。スマホは連絡や情報収集に欠かせないため、充電切れは防ぎたいものです。ソーラー充電式のモバイルバッテリーなら、太陽光で充電できます。
ポータブル電源があると、スマホの充電以外にも幅広いシーンで電気を使えます。ヒーターや扇風機が使えれば夏や冬でも室温を調節できるため、比較的快適です。
対策4. 通電火災に備え感震ブレーカーを設置する

通電火災に備えて、感震ブレーカーを設置するのもおすすめです。通電火災とは、電気復旧時に損傷した家電から発生する火災のことです。
感震ブレーカーは地震の揺れを検知して自動的にブレーカーを落とすため、自宅にいなくても通電火災を防げます。
地震による停電に関するよくある質問

最後に、地震による停電についてよくある質問にお答えします。
地震で停電になったらブレーカーはどうする?
家電のプラグをコンセントから抜き、安全ブレーカー、漏電ブレーカー、アンペアブレーカーの順にブレーカーを切りましょう。地震で浸水や漏電が発生すると、復旧時に通電火災が起こる危険があるためです。
【あわせて読みたい】災害時のブレーカーの落とし方は?順番や復旧時の注意点も解説
地震による停電時の暑さ対策は?
停電時はエアコンが使用できないため、以下のようなアイテムを防災グッズとして備えておくと役立ちます。
- 充電式扇風機・ハンディファン
- 冷たいタオル
- ネックリングや冷却タオルなどの暑さ対策グッズ
また、ポータブル電源があれば扇風機を使って体感温度を下げられます。エアコンの代替手段については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】停電時にエアコン代わりになる3つのものとは?事前にできる備えも紹介
地震による停電に今から備えよう
地震で停電が起こった場合は、何よりも身の安全の確保が重要です。その場の状況に応じて、机の下に隠れる、カバンで頭部を守るなどして、安全を確保してください。
揺れがおさまったら、懐中電灯やランタンで明かりを確保しましょう。その後は家電のプラグをコンセントから抜き、復旧時に発生しやすい通電火災を防ぐためにブレーカーを切ります。
電気が復旧したあとは、冷蔵庫の水漏れを確認します。濡れたままブレーカーを入れると火災に発展するかもしれません。水漏れしている場合は、タオルなどでふき取りましょう。
安全を確認できたら、正しい順番でブレーカーを入れていきます。
災害はいつ起こるかわかりません。懐中電灯やランタンなどの防災グッズは、できるだけ早くそろえておきましょう。

