災害に備える

【賃貸】家具固定で壁に穴を開けない方法!おすすめグッズも紹介

壁に穴を開けずに家具を固定する方法は、賃貸住宅でも導入しやすい防災対策です。突っ張り棒や転倒防止ジェルを使用すれば、壁に穴を開けずに対策でき、転倒リスクを減らせます。

この記事では、賃貸住宅でも壁を傷つけずにできる家具固定の方法を解説します。おすすめの防災グッズや、タンス・冷蔵庫など家具別の具体的な対策にも触れています。

この記事を読めば、万が一の地震に備え、原状回復を気にせず家族と住まいを守るための対策を今すぐ始められるでしょう。賃貸物件での家具の固定方法について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

賃貸で家具を固定する際の基本的なルール

突っ張り棒 転倒防止

賃貸契約では、退去時に部屋を借りたときの状態に戻す「原状回復」が求められます。たとえば壁に深い穴が開くネジや釘を使用すると、壁紙や石膏ボードの張り替え費用を請求される可能性があります。

そのため、家具を固定する際、安易にL型金具などで家具と壁をネジ止めするのはおすすめできません。賃貸住宅では、穴を開けずに家具を固定する工夫が必要です。

ただし、ポスターやカレンダーを貼る程度の画鋲の穴であれば、日常生活で生じる損耗として認められる場合が多いです。原状回復義務については、管理会社や大家さんに確認をとると、より安心できるでしょう。

賃貸の壁を傷つけない家具固定グッズ4選

以下は、壁に穴を開けずに設置できる防災アイテムです。

  1. 突っ張り棒
  2. 転倒防止マット・ジェル
  3. ストッパー・安定板
  4. 粘着式ベルト・L字器具

それぞれの特徴を理解し、自宅の環境や家具の種類に合わせて最適なものを選びましょう。

グッズ1. 突っ張り棒

突っ張り棒は、天井と家具の天板との間に設置し、圧力をかけて固定するアイテムです。壁や天井に穴を開ける必要がなく、設置も簡単なため、多くの家庭で導入されています。

ただし、効果を最大限に発揮させるには、メーカーの推奨方法に沿って固定されている必要があります。まず、天井と家具がしっかりと支えられる構造かどうかを確認し、天井裏に梁が通っている硬い部分を選んで設置しましょう。

また、家具の左右それぞれに1本ずつ、計2本取りつけるのが基本です。天井の強度が不足していると、地震の突き上げで天井板が変形・破損する恐れがあります。

グッズ2. 転倒防止マット・耐震ジェル

転倒防止マットやジェルは、家具の底面と床の間に挟み込み、粘着力と摩擦力で転倒を防ぐアイテムです。テレビやパソコン、花瓶などの小物の固定にも適しており、水洗いで粘着力が回復するとされている商品も販売されています。

製品によって耐荷重が異なるため、固定したい家具の重量に合ったものを選びましょう。床の材質によっては、長期間の使用で床材の変色や跡が残る場合もあります。

ただし、転倒防止マットやジェルは時間の経過とともに劣化する恐れがあります。定期的に状態を確認し、必要であれば交換する習慣をつけると安全です。

グッズ3. ストッパー・安定板

ストッパーは、家具の前方下部に板状の器具を挟み込み、壁側へ重心を傾けることで転倒を防ぐアイテムです。ネジや釘を使わず、持ち上げるだけで設置できるため、1人でも比較的簡単に取りつけられます。

タンスや本棚など、奥行きのある家具に対して特に有効です。

家具が壁に寄りかかる形になるため、壁紙への影響が気になる場合は保護シートを併用すると安心です。天井側に隙間がある場合、突っ張り棒と組み合わせると固定力を高める効果が期待できます。

グッズ4. 粘着式ベルト・L字器具

粘着式ベルトやL字器具は、家具と壁を強力な粘着テープで連結します。本来はネジ留めが必要なL字金具と同様の役割を担うことが期待できる点が、大きなメリットです。取り外し時にも跡が残りにくい製品が多いため、賃貸での利用に適しています。

設置する際は、接着面の汚れやホコリをきれいに拭き取ってから貼りつけるのがポイントです。凹凸のある壁紙には貼り付かない場合があるため、事前に壁の材質を確認しましょう。

また、耐用年数が明示されている製品も多いため、定期的に状態を確認し、劣化が見られた場合は交換が必要です。

【場所・家具別】おすすめの固定方法

家具の種類や設置場所によって、効果的な固定方法は異なります。

家具の種類固定方法
タンス・本棚突っ張り棒とマットを併用する
冷蔵庫粘着ベルトで上部を固定する
テレビ・PC耐震ジェルで底面を接着する
キャスターつき家具足元をロックする

それぞれの特性に合わせて最適な対策を組み合わせ、安全性を高めましょう。

方法1. タンス・本棚|突っ張り棒とマットを併用する

背が高く重量のあるタンスや本棚は、複数の器具を組み合わせて対策しましょう。単一の器具だけでは、大きな揺れに十分対応できない恐れがあるためです。

まず、家具の下に転倒防止マットや安定板を設置し、重心を壁側(後方)に傾けます。次に、天井との間に突っ張り棒を設置しましょう。上下から固定すると、激しい揺れでも家具が大きく移動・転倒するのを防ぐ効果が期待できます。

寝室にタンスがある場合、万が一倒れても就寝位置や出入り口を塞がない向きに配置換えするのも有効な手段です。

方法2. 冷蔵庫|粘着ベルトで上部を固定する

冷蔵庫は重量があるため、転倒すると大けがにつながる危険があります。背面に放熱スペースが必要なため、壁にぴったりとつけられないケースも多いです。

そのような場合は、伸縮性のある粘着式ベルトを使い、冷蔵庫の上部と壁を連結する方法がおすすめです。ベルトの長さで壁との距離を調整でき、揺れの衝撃を和らげる効果が期待できます。

あわせて、脚の底面に耐震マットやストッパーを設置すると、滑り出しの防止にもつながります。中身が入った冷蔵庫は重いため、設置作業は複数人で協力して進めましょう。

方法3. テレビ・PC|耐震ジェルで底面を接着する

テレビやパソコンのモニターは重心が高く、揺れの程度によっては倒れたり落下したりする可能性があります。台座の裏側に耐震ジェルマットを貼りつけ、テレビ台やデスクにしっかりと固定しましょう。

設置の際は、まず台座の底面と設置場所のホコリをきれいに拭き取ります。次に、四隅へ均等にジェルマットを貼り、上からしっかりと押さえて密着させれば完了です。

さらに安全性を高めるなら、テレビの背面とテレビ台をベルトで固定する方法もあります。ジェルマットはサイズに合わせてカットできるタイプを選ぶと、さまざまな機器に応用できて便利です。

方法4. キャスターつき家具|足元をロックする

キッチンワゴンやメタルラックなど、キャスターつきの家具は地震の揺れで部屋中を移動し、人に当たるなどしてけがの原因となるため危険です。使用していないときは、必ずキャスターのロックをかけましょう。

ロック機能がない場合や、ロックだけでは不安な場合は、キャスター専用のストッパーが有効です。キャスターを物理的に固定するため、激しい横揺れに対しても、移動を抑える効果が期待できます。

ストッパーは床に置くだけで設置できるため、床を傷つけるリスクが少なく賃貸物件でも導入しやすいでしょう。

退去時に跡を残さないコツ

粘着マット

賃貸物件では、退去時の原状回復を見据えた対策が必要です。主なポイントは、以下の2つです。

  1. マスキングテープで下地を保護して設置する
  2. 粘着シートは温めてから剥がす

ここでは、壁や床を保護しながら家具を固定するための工夫を紹介します。

コツ1. マスキングテープで下地を保護して設置する

粘着式の固定器具を使用する際、壁紙に直接貼ると剥がすときに壁紙が一緒に剥がれたり破れたりする恐れがあります。そこで役立つのがマスキングテープです。

まずは器具を貼る場所にマスキングテープを貼り、その上から粘着パッドやジェルを設置します。マスキングテープは粘着力が弱く作られているため、退去時に比較的きれいに剥がせます。

ただし、重量のある家具を支える場合、テープごと剥がれるリスクも考慮しなければなりません。あくまで補助的な保護手段として活用し、定期的に浮きがないか確認しましょう。

コツ2. 粘着シートは温めてから剥がす

強力な粘着シートやジェルパッドを無理に剥がそうとすると、糊が残ったり素材を傷めたりする恐れがあります。取り外すときは、ドライヤーの温風を当てて粘着剤を柔らかくしましょう(熱に弱い素材は変形する場合があるため、当てすぎに注意)。

温めると粘着力が低下し、端からゆっくりとめくるようにするとスムーズに剥がれます。

万が一のりが残ってしまった場合は、市販のシール剥がし液や中性洗剤を使って優しく拭き取りましょう。焦らず時間をかけて作業することが、きれいに原状回復するためのポイントです。

賃貸物件で家具固定をする際の注意点

注意点

器具を使った固定だけでなく、部屋の使い方自体を見直すのも防災対策です。具体的には、以下2つの注意点があります。

  1. 生活空間はできるだけ家具を減らす
  2. 固定強度は妥協しない

安全な居住空間を作るための注意点を見ていきましょう。

注意点1. 生活空間はできるだけ家具を減らす

防災対策の基本は、生活空間の家具をできるだけ減らし、転倒や落下のリスクを下げることです。特に寝室や子ども部屋には、背の高い家具を置かないように工夫しましょう。

押し入れやクローゼットの中を整理し、収納ケースを活用して荷物を収めると、居住スペースに置く家具を減らせます。また、不要な家具を処分したり、背の高い家具をロータイプのものに買い替えるのも効果的です。

注意点2. 固定強度は妥協しない

賃貸だからと遠慮して強度の低い固定方法で済ませると、十分な効果が得られない恐れがあります。命を守るためには、十分な強度を持った対策をしなければなりません。

突っ張り棒などの簡易的な器具でも、正しく設置すれば家具の転倒や移動を抑える効果を発揮します。説明書をよく読み、定期的に緩みやジェルの劣化がないか点検しましょう。

自分や家族の安全を最優先に考え、可能な範囲で最大限の対策を講じることが求められます。

家具固定に加えて備えておきたい災害対策

家具の固定は地震対策の一つに過ぎません。発災後の避難生活や二次災害まで想定し、以下のように備えを整えるとより安心につながります。

  1. 避難経路を確保し二次災害を防ぐ
  2. 緊急持ち出し袋と備蓄品を用意する
  3. ガラス飛散防止フィルムを貼る
  4. 感震ブレーカーで通電火災を防ぐ

ここからは、家具固定に加えて備えておきたい災害対策を解説します。

対策1. 避難経路を確保し二次災害を防ぐ

大きな地震が起きると、散乱したものでドアが開かなくなったり、廊下がふさがれて通れなくなったりします。玄関までの避難経路には、倒れそうな家具やものを置かないようにしましょう。

日頃から、玄関や廊下に荷物を置きっぱなしにしていないか確認すると安心です。また、部屋のドアが開く範囲に家具がないか、スリッパや靴をすぐに履ける場所に置いているかといった点もチェックが必要です。

特に夜間の地震に備え、足元の安全を確保するための懐中電灯やスリッパを枕元に用意しておきましょう。スムーズに避難できる環境を整えることで、避難時の混乱やパニックを防ぐことにつながります。

対策2. 緊急持ち出し袋と備蓄品を用意する

避難が必要になった場合に備え、非常用持ち出し袋をあらかじめ準備しておく必要があります。水、食料、救急セットに加え、現金や身分証明書のコピーなど、生活再建に必要なアイテムも忘れずに入れましょう。

家族構成によって、追加で必要なアイテムもあります。たとえば小さな子どもがいる家庭では、オムツやミルク、お気に入りのおもちゃも必要です。ペットがいる場合は、ペットフードやリードも準備リストに加えましょう。

年に数回は中身を点検し、期限切れやサイズが合わなくなっていないか確認する習慣をつけると確実です。

また、自宅で避難生活を送るための備蓄品も用意が必要です。ライフラインが停止しても生活できるよう、飲料水やカセットコンロ、簡易トイレを最低3日分、できれば1週間分確保しましょう。

普段食べているレトルト食品や缶詰を多めに買い置きし、消費しながら買い足す「ローリングストック」を実践すると、無理なく備蓄を続けられます。

非常用持ち出し袋 チェックリスト

チェックリストのダウンロードはこちら

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対策3. ガラス飛散防止フィルムを貼る

食器棚のガラス戸や窓ガラスが割れると、破片が飛び散り大けがの原因になります。飛散防止フィルムを貼ると、ガラスが割れても破片の落下や飛散を抑える効果が期待できます。

UVカット機能や断熱効果を兼ね備えたフィルムを選べば、日常の快適性も向上するでしょう。粘着力が高い製品もあるため、賃貸住宅では「貼って剥がせるタイプ」や「賃貸対応」と明記されたフィルムを選ぶと安心です。

家具の固定とあわせてガラス対策をすることで、室内での負傷リスクの低減につながります。

対策4. 感震ブレーカーで通電火災を防ぐ

地震による火災の多くは、電気が復旧した際に発生する「通電火災」が原因です。通電火災とは、地震などによる停電後、電気が復旧した際に発生する火災です。

倒れた電気器具や損傷した配線、漏れたガスへの引火などが原因で起こり、阪神・淡路大震災や東日本大震災で大きな被害の一因となりました。

感震ブレーカーは、設定値以上の揺れを感知したときに自動で電気を遮断する仕組みです。

感震ブレーカーにはいくつか種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。

種類特徴設置のしやすさ
分電盤タイプ確実性が高い工事が必要な場合あり
コンセントタイプ特定の家電に対応差し込むだけで簡単
簡易タイプ重り玉などでスイッチオフ最も安価で手軽

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賃貸でも工夫すれば家具を固定できる

賃貸物件でも、原状回復のルールを守りながら家具を固定する方法はあります。突っ張り棒や粘着マット、ストッパーなどのグッズを適切に選び、壁を傷つけずに地震対策を進めましょう。

転倒防止対策をおこなう際は、タンスや冷蔵庫など家具の特性に合わせて取り入れるのがポイントです。また、マスキングテープを活用すると、退去時に跡が残りにくくなります。

家具の固定だけでなく、避難経路の確保や備蓄品の準備といった総合的な防災対策も求められます。家具の配置を見直し、適切なグッズを活用して、家族と安心して暮らせる住まいを作りましょう。