災害が起きたら

南海トラフ地震が来たら東京はどうなる?想定される震度・津波の被害も解説

南海トラフ地震が発生した場合、東京でも強い揺れや島しょ地域での津波などの影響が想定されています。さらに、交通障害や物流の停滞による物資不足など、都市機能にも影響が及ぶおそれがあります。万が一、地震が発生した場合でも最低限の暮らしが維持できるように、普段から備えを万全にしておくことが重要です。

本記事では、南海トラフ地震が東京に与える影響について詳しく解説します。また、首都直下地震との違いや、今からできる防災対策についても紹介します。首都圏で暮らす方や地震への備えを見直したい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

そもそも南海トラフ地震とは?

南海トラフ地震は、日本の広い範囲に甚大な被害をもたらすとされる大規模地震です。静岡県から宮崎県の太平洋沿岸にある南海トラフと呼ばれるプレート境界が震源域で、過去100〜150年程度の間隔で地震が発生してきました。

巨大地震が発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では、最大震度7の激しい揺れになると想定されています。さらに、津波やライフラインの停止など、全国的に影響が出る可能性があるため、地震や津波対策を進めておくことが重要です。

南海トラフ地震が来たら東京はどうなる?想定される被害

南海トラフ地震が発生した場合、震源から離れた東京でも、強い揺れによってさまざまな影響が出ると想定されています。ここでは、東京で起こりうる主な被害を具体的に紹介します。首都圏のリスクを知り、今のうちに備えを考えたい方はぜひ参考にしてください。

南海トラフ地震で想定される東京23区の震度

南海トラフ巨大地震が発生した場合、東京23区の多くの地域で震度5弱の揺れが想定されています。区部の東部や多摩地域の一部では震度5強、震度6弱の可能性もありますが、強い揺れが続く時間は比較的短いと考えられています。

ただし、倒壊や家具転倒などによる二次被害の可能性もあるので、室内の安全対策を講じておくことが重要です。

出典:南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定について|関東運輸局

東京湾・島しょ地域で想定される津波

南海トラフ巨大地震では、東京湾沿岸よりも島しょ地域で津波の影響が大きいとされています。津波浸水域での建物被害や人的被害が想定されており、地域によっては数メートル規模の津波が到達する可能性もあります。

揺れ自体や液状化の被害は比較的少ないものの、海に近い地域に住んでいる方は早めの避難を心がけましょう。

ライフライン・通信障害

震度5弱程度の揺れでも、鉄道の運転見合わせなどにより、多くの帰宅困難者が発生すると想定されています。大規模な地震が発生すると、東海・近畿・山陽・四国・九州を中心に、ライフラインの供給停止や通信障害が発生するおそれがあります。こうした混乱に備えるためにも、平常時からの準備が欠かせません。

東京では、直接的なインフラ被害は限定的と想定されていますが、避難者受け入れや物流停滞により、生活へ影響が出る可能性はあります。

南海トラフ地震と首都直下地震との比較

南海トラフ地震と首都直下地震は、どちらも日本に甚大な被害をもたらすといわれる大規模地震です。しかし、発生する場所や影響の範囲、被害の特徴には大きな違いがあります。ここでは、発生確率や揺れの程度、津波による影響について詳しく見ていきましょう。

【あわせて読みたい】首都直下型地震で安全な県はどこ?危険地域と今すぐできる対策を解説

発生確率

どちらの地震も、今後30年以内に高い確率で発生するとされています。南海トラフ地震は、M8〜9程度の巨大地震が起こる確率が約80%といわれています。地震が発生すれば、日本の広い範囲に被害をもたらす可能性があるため、命を守るには事前対策が重要です。

首都直下地震は、M7程度の地震が起こる確率が約70%とされ、東京湾北部や多摩地域など、複数の震源モデルが想定されています。東京の地下は複数のプレートが沈み込む複雑な構造をしており、どちらの地震も切迫性が高いとされています。

出典:東京都の新たな被害想定~首都直下地震等による東京の被害想定~|東京都防災ホームページ

揺れの程度

東京で揺れの被害が大きくなると想定されているのは、首都直下地震です。南海トラフ巨大地震では、東京都内の多くの地域で震度5弱、ごく一部の地域で震度5強〜6弱程度の揺れが想定されています。

一方で、都心南部直下地震(M7.3)が発生した場合、最大震度7を記録し、区部のおよそ6割で震度6強以上となる見込みです。高層ビルの揺れや建物倒壊の危険性も高まり、東京の都市機能が一時的に停止する可能性があります。

津波による影響

津波の影響が大きいと想定されるのは、南海トラフ巨大地震です。東京都内では、伊豆諸島や小笠原諸島などの島しょ地域で津波被害が発生する可能性があります。場所によっては数メートル規模の津波が想定されているため、地震発生後はすぐに高台へ避難することが重要です。

一方で、首都直下地震では、区部での津波被害は比較的限定的と考えられています。ただし、湾岸エリアでは一部浸水の可能性もあるため注意が必要です。

南海トラフ地震に備えてやるべき6つのこと

非常用リュック

南海トラフ地震が発生すると、日本各地に甚大な被害をもたらすと想定されています。災害時に慌てないためには、備えを万全にしておくことが欠かせません。

ここでは、日常生活の中でできる南海トラフ地震に備えてやるべき6つのことを紹介します。地震への備えについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

【あわせて読みたい】南海トラフ地震に備えてできること7選!地震発生時の行動もわかりやすく解説

対策1. 南海トラフ地震臨時情報に注意する

南海トラフ地震の発生リスクが高まった際には、気象庁が南海トラフ地震臨時情報を発表します。住民が状況を理解しやすいように、「調査中」「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」の4区分で発表されます。

情報は気象庁の公式サイトやニュース、自治体の防災メールなどで確認可能です。南海トラフ地震臨時情報が出た場合は、最新の発表に注意し、避難経路や備蓄品を再点検するなどの防災対策を進めておきましょう。

対策2. 室内の地震対策を進める

地震対策例

地震による負傷者の約3〜5割は、家具や家電の転倒・落下によるものといわれています。命を守るためには、室内の安全対策を進めることが基本です。

家具はL字金具やつっぱり棒でしっかり固定し、吊り下げ式の照明や観賞用の水槽などには、落下防止器具を使用しましょう。ガラス製の扉や窓には飛散防止フィルムを貼ることで、破片によるケガを防げます。できる限りモノを減らし、避難経路を確保しておくこともポイントです。

対策3. 食料・生活必需品を備蓄する

非常用持ち出し袋チェックリスト

地震発生後は、物流の停止や停電・断水が起きる可能性があるため、最低でも3日分、可能であれば1週間分程度の備蓄が必要です。飲料水は1人1日3Lを目安に確保し、水以外にお茶やスポーツドリンクも用意しておきましょう。

食料は、ごはんやパンなどの主食のほか、缶詰やレトルト食品、乾パンなど保存性の高いものを選ぶのがポイントです。さらに懐中電灯や電池、簡易トイレ、常備薬などの生活必需品もまとめておくと、災害時でも最低限の生活ができます。以下の備えチェックリストを参考に、必要なものを確認しながら計画的に備蓄を進めましょう。

チェックリストのダウンロードはこちら

【あわせて読みたい】【体験者の声付き】防災グッズで本当に必要なものリスト!準備のポイントや進め方も紹介
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対策4. ハザードマップで避難経路・避難場所を把握する

災害時に安全に避難するためには、事前にハザードマップで自宅周辺の危険性を確認しておくことが重要です。洪水や津波、土砂災害など、地域ごとのリスクを把握したうえで、避難所の場所や経路をチェックしておきましょう。

地震発生時は交通が混乱するため、徒歩で行ける避難所を複数確認しておくと安心です。家族全員でルートを共有し、迷わず行動できるようにしておきましょう。ハザードマップの種類や活用方法については、以下の記事も参考にしてください。

【あわせて読みたい】ハザードマップの種類をわかりやすく解説!マップ別の特徴と使い方も紹介

対策5. 家族と防災について話し合う

災害発生時は家族が別々の場所にいる可能性もあるため、日頃から防災について話し合っておきましょう。安否確認の連絡手段を複数決めておくほか、連絡が取れない場合に集合する場所を明確にしておくのがおすすめです。

また、災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板の使い方も事前に確認しておくと安心です。平常時からシミュレーションしておくことで、緊急時でも冷静に行動できます。災害時の連絡手段や災害用伝言ダイヤルの使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。

【あわせて読みたい】災害時の連絡手段5選!スマホ以外の方法や緊急連絡先カードも解説
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対策6. ライフライン対策をしておく

停電や断水、ガスの供給停止などに備えて、生活を維持するためのライフライン対策もしておきましょう。懐中電灯やランタンで明かりを確保し、季節に合わせて必要なグッズを揃えることも重要なポイントです。冬は毛布や防寒具、夏はハンディファンや冷感グッズを備えておくことで、低体温症や熱中症の予防につながります。

さらに、車を所有している場合は、非常時の電源確保や移動手段として利用できるように、ガソリンは日頃から満タンにしておきましょう。

【あわせて読みたい】停電への備えとして用意すべき7つのものとは?注意点もあわせて解説

南海トラフ地震に関するよくある質問

最後に南海トラフ地震に関するよくある質問に回答します。東京での想定死者数や、いつ起きるのかについて、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

南海トラフ地震で危ない県は?

南海トラフ地震が発生した場合、特に注意が必要なのは太平洋沿岸の地域です。国は、著しい地震や津波の被害が想定される1都2府26県707市町村を、南海トラフ地震防災対策推進地域に指定しています。

静岡県、高知県、宮崎県などの一部では、最大20mを超える津波が想定されているため、地震発生後はただちに安全な場所へ避難することが重要です。日頃から避難経路や防災用品を確認して、すぐに避難できる準備を整えておきましょう。

【あわせて読みたい】【2025年】地震が少ない都道府県ランキング!災害対策や災害時に取るべき行動も解説

南海トラフ地震はいつ起きる?

南海トラフ地震は、いつ発生してもおかしくないといわれています。直近では、1944年の昭和東南海地震、1946年の昭和南海地震が起きており、それから約80年が経過しています。

M8〜9クラスの巨大地震が今後30年以内に発生する確率はおよそ80%とされており、切迫性が高い状況です。南海トラフがいつ来るのか、被害想定については以下の記事で詳しく解説しています。

【あわせて読みたい】南海トラフはいつ来る?政府の被害想定と今すぐできる防災対策を解説

出典:南海トラフ地震に備えよう!南海トラフ地震臨時情報が発表されたら?|政府広報オンライン

南海トラフ地震で想定される東京での死者数は?

南海トラフ地震が発生した場合、冬の深夜であれば日本全体で最大約32.3万人の死者が出ると想定されています。東海地方や近畿地方と比べると、東京の被害は比較的少ないと考えられています。

ただし、震度5弱程度の強い揺れが想定されており、建物の倒壊や破損によって負傷する可能性はあるので警戒が必要です。地震の規模にかかわらず、安全を確保するための備えを整えておきましょう。

南海トラフ地震に備えて対策を進めよう!

南海トラフ地震は、日本の広い範囲に甚大な被害をもたらすと想定されており、今後30年以内の発生確率も高いといわれています。東京でも震度5前後の揺れや交通障害、物資不足などの影響が出る可能性があるため、日頃からの備えが重要です。

まずは家具の固定や備蓄、家族との連絡手段の確認など、できることから少しずつ対策を始めることがおすすめです。万が一に備え、正確な情報を確認しながら防災意識を高めておきましょう。