「震度3はどれくらい揺れるの?」
「どれくらいの人が気づくの?」
「ほかの震度との違いは?」
震度について、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。震度3は、屋内のほとんどの人が揺れを感じるような地震です。
この記事では、震度3の地震について解説します。地震発生時の行動や日頃からできる地震の備えについても触れていきます。
この記事を読むことで地震への理解が深まり、いざというときに行動できるようになるでしょう。ぜひ参考にしてください。
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震度3の地震はどれくらい揺れる?
気象庁では、震度3の地震が起きたときの体感や屋内・屋外の状況について、以下のようにまとめています。
震度3 | 状況 |
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体感・行動 | 屋内のほとんどの人が揺れを感じる 歩行者の一部も揺れを感じる場合がある 睡眠中の大半の人が目を覚ます |
屋内 | 棚の食器類が音を立てることがある |
屋外 | 電線が少し揺れる |
震度3は、屋内のほとんどの人が揺れを感じるような地震です。また、棚に収納してある食器類が音を立てることもあります。
屋外では、電線が少し揺れる程度です。人によっては、歩行中でも気づく場合があります。
震度3とほかの震度の違い

ここからは、ほかの震度の地震が発生した場合の状況を紹介します。
震度1
震度1 | 状況 |
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体感・行動 | 室内で静かにしている人のうち、わずかに揺れを感じる人がいる |
震度2
震度2 | 状況 |
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体感・行動 | 屋内で静かにしているほとんどの人が揺れを感じる 睡眠中に目を覚ます人もいる |
屋内 | 電灯などのつり下げ物がわずかに揺れる |
震度4
震度4 | 状況 |
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体感・行動 | ほとんどの人が驚く 歩行中揺れに気づく 睡眠中に目を覚ます |
屋内 | 電灯などのつり下げ物が大きく揺れる 棚の食器類が音を立てる 不安定な置物が倒れる場合がある |
屋外 | 電線が大きく揺れる 自動車に乗っていても揺れに気づく人がいる |
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震度5弱
震度5弱 | 状況 |
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体感・行動 | 多くの人が「何かに掴まりたい」と感じる |
屋内 | 電灯などのつり下げ物が激しく揺れる 棚にある食器・本が落ちることがある 不安定な家具が倒れることがある |
屋外 | まれに窓ガラスが割れて落ちる 電柱が揺れるのがわかる 道路に影響が出ることがある |
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震度5強
震度5強 | 状況 |
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体感・行動 | 何かに掴まらないと歩行が難しい |
屋内 | 棚の食器や本で落下するものが増える テレビが台から落ちることがある 転倒対策していない家具が倒れることがある |
屋外 | 窓ガラスが割れて散乱することがある 補強されていない塀が崩れることがある 設置が不十分な自動販売機が倒れることがある 自動車の運転が難しくなり、停止する車が出ることがある |
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地震が発生した際に必要な行動

地震が発生した際は、その場の状況に応じて以下のような行動を取りましょう。
ここからは、それぞれの行動について解説します。
家にいる場合は安全スペースに避難する
家にいる場合は、落下物や家具の転倒から身を守ることが重要です。
揺れを感じたら、速やかに机やテーブルの下に隠れ、頭や体を守りましょう。もし、丈夫な机がない場合は座布団やクッションで頭を覆い、家具から離れた安全なスペースに身を寄せます。
なお、地震発生時に慌てて外に飛び出すのは危険です。ガラスの破片や落下物で怪我をする恐れがあるため、まずは揺れが収まるまで室内で安全を確保しましょう。
揺れが小さい場合は火元を確認し、安全に気をつけて消火します。揺れが大きい場合は、揺れが収まった後に火元の確認をおこないましょう。
屋外にいる場合は建物の倒壊に注意する
屋外にいる場合は、建物の倒壊や落下物から身を守る必要があります。ブロック塀や自動販売機、看板など、倒れやすいものから速やかに離れましょう。もし近くに丈夫なビルがあれば、一時的にその中に避難するのも安全です。
また、屋外では建物の壁やガラスの破片が落下する危険性があります。電線やポールも倒れる可能性があるため、建物から距離を保ち、周囲をよく確認することが大切です。
海や川の近くにいる場合は、津波に注意しましょう。高台などに避難し、警報が解除されるまで近づかないようにします。
施設にいる際は係員の指示に従う
多くの人がいる施設内では、落ち着いて行動し、係員の指示に従うことが重要です。デパートやスーパーなどでは、商品棚やガラスの展示ケースから距離を取り、安全な場所に移動しましょう。
なお、出口に駆け込むと転倒や混乱の原因となります。慌てず、冷静に避難ルートを確認しましょう。
エレベーター内にいる場合はすべての階のボタンを押し、停まった階で速やかに降ります。万が一閉じ込められた場合は、エレベーター内の非常電話を使用し、救助を待ちましょう。
命を守るための地震対策3選
命を守るため、日頃から以下のような地震対策をおこなうことが大切です。
ここからは、それぞれの対策について解説します。
1. 家具の置き方を工夫する
地震に備えるため、家具の置き方を工夫しましょう。過去の震災では、倒れた家具が原因で多くの怪我や死亡事故が発生しました。大きな地震に備えて、家具の転倒防止対策をおこなうことが必要です。
自宅でおこなう転倒防止対策は、以下の通りです。
- 家具を壁に固定する
- 寝室・子ども部屋にはできるだけ大きな家具を置かないようにする
- 手が届きやすい場所に懐中電灯やスリッパ、ホイッスルなどの備品を用意する
まず、家具を壁に固定することが基本です。転倒防止金具やストラップを使って、家具をしっかりと固定しましょう。
特に寝室や子ども部屋には、大きな家具を置かないことが理想的です。どうしても家具を置かなければいけない場合は、背が低く倒れにくいものを配置します。
また、家具の配置にも工夫が必要です。倒れた家具が出入り口を塞がないように配置し、安全な場所に備品を整えておきましょう。
懐中電灯やスリッパ、ホイッスルなどは手の届きやすい場所に準備し、緊急時にすぐに使えるようにしておくと安心です。
2. 非常用持ち出しバッグを準備する
非常用持ち出しバッグは、災害時に避難する際に必要不可欠なアイテムです。リュックに最低限必要なものをまとめ、目につきやすい場所に保管しておきましょう。
持ち出し品の例は、以下の通りです。
持ち出し品 | 例 |
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一次 | 貴重品(現金や身分証明書) 携帯ラジオ 懐中電灯 救急薬品 非常食 飲料水 |
二次 | 食料 燃料 携帯トイレ 洗面具 歯ブラシ 生理用品 ビニール袋 キッチン用ラップ 新聞紙 |
一次持ち出し品とは、最初の避難時に持ち出すものです。乳幼児や要介護者がいる場合、それに対応したアイテムも追加します。持ち運ぶ際に両手が使えるよう、リュックサックのようなバッグに詰めるとよいでしょう。
二次持ち出し品とは、避難生活が続く場合に必要になる物品です。避難後、安全確認が取れてから自宅に戻り、避難所に持ち出す物品のことです。
バッグを家族全員分準備し、いつでも取り出しやすい場所に置いておきましょう。
3. 連絡手段を家族で決める
地震発生時に家族が離れ離れになってしまうことも考えられるため、事前に連絡手段を決めておくことが重要です。
たとえば、携帯電話を持っていても、地震が起きると通話が難しくなる場合があります。そのため、SMSやSNS、災害用伝言ダイヤルを活用する方法を話し合っておきましょう。
また、連絡がつかない場合に備えて、集合場所や避難所を決めておくことも大切です。家族間で連絡手段を共有し、緊急時に冷静に行動できるように準備しておきましょう。
震度を理解していざというときに備えよう
震度3は屋内のほとんどの人が揺れを感じるような地震で、日常生活にやや影響を与える程度です。しかし、それ以上の震度の地震が発生すると、さらに大きな揺れや被害が予想されます。
自分や周囲の安全を守るためには、事前の準備と知識が不可欠です。自宅にいる際は丈夫な机やテーブルの下に身を隠して頭を保護します。屋外にいる場合は、周囲の建物に注意しつつ、丈夫なビルに避難しましょう。
また、家庭や職場での地震対策を整えることも、緊急時に冷静に行動するための一歩です。家具の配置や非常用持ち出しバッグの準備、連絡方法の確認など、日頃から準備を怠らないようにしましょう。
地震に備える際は、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考にしてください。