雪害とは、大雪や吹雪によって雪崩や落雪、建物の倒壊、交通障害、停電などの被害が発生する自然災害のことです。雪害対策の基本は定期的な雪かきで、水道管の凍結を防いだり、車の装備品を用意したりするのも大切です。
この記事では、家庭でできる雪害対策を解説します。また、大雪が発生した際に心がけておくことや、自治体の取り組みについても触れています。
この記事を読めば具体的な雪害対策がわかり、慌てずに対処できるでしょう。雪害対策について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
- そもそも雪害(積雪)とは?危険性と現状
- 雪害(積雪)による事故の例
- 日本の国土の半分以上は豪雪地帯
- 家庭ですべき雪害対策6つ
- 対策1. 定期的に除雪作業をおこなう
- 対策2. 水道管の凍結を防ぐ
- 対策3. 外出困難に備えて食料・物資を備蓄する
- 対策4. 車の装備品を用意する
- 対策5. 正確な情報を得る
- 対策6. 家族の安否確認方法を決める
- 大雪が発生した際に心がけておくこと5つ
- 1. 不要な外出を控える
- 2. 外出の際は転倒防止をおこなう
- 3. 除雪作業時は安全対策をおこなう
- 4. 落雪・雪崩が発生しやすい場所は避ける
- 5. 停電・断水に備える
- 国や自治体がおこなっている雪害対策
- 取り組み事例
- 補助金制度
- 事前の備えで雪害から命を守ろう
そもそも雪害(積雪)とは?危険性と現状

雪害とは、文字通り、雪によって引き起こされるさまざまな災害や被害の総称です。
主な雪害には、雪崩や屋根からの落雪、除雪作業中の事故、路面の凍結による交通事故や転倒などがあげられます。
雪害(積雪)による事故の例
| 雪害による事故の例 | ・除雪中の事故 ・車による雪道での事故 ・歩行中の雪道での事故 ・雪のレジャーでの事故 ・雪崩による事故 |
|---|
雪による被害は多岐にわたり、特に人的被害につながりやすい事故には注意が必要です。
たとえば除雪中に起こる事故には、屋根の雪下ろし中の転落や、軒下での作業中に屋根からの落雪に巻き込まれるケースがあります。
車による雪道での事故も深刻です。凍結した路面でのスリップ事故や、吹雪による視界不良が原因の衝突事故、大規模な立ち往生などが毎年報告されています。
ほかにも、凍結した歩道や建物の出入り口で足を滑らせて転倒し、骨折などの大怪我につながることもあります。
スキーや登山などのレジャー中の遭難や、山の斜面が崩れ落ちる雪崩によって、家屋や人が巻き込まれる被害も少なくありません。
日本の国土の半分以上は豪雪地帯
日本の国土の約51%が「豪雪地帯」に指定されており、そこでは約2,000万人の人々が生活しています。豪雪地帯は主に日本海側ですが、あまり雪が降らない太平洋側の都市部でも、突然の大雪で都市機能が麻痺するケースもあります。
関東近郊でも、数年に一度の大雪で交通が混乱したり、生活に影響が出たりした経験があるのではないでしょうか。雪害は、日本に住む人が備えておくべき、身近な災害の1つです。
家庭ですべき雪害対策6つ

家庭ですべき雪害対策は、以下の6つです。
雪害対策に必要なものを事前に準備しておくことで、被害を最小限に抑えられます。ここからは、それぞれの対策を解説します。
対策1. 定期的に除雪作業をおこなう
雪害対策の基本は、定期的に除雪作業をおこなうことです。降り積もった雪は見た目以上に重く、雪の重みで屋根が破損するおそれがあります。場合によっては、家屋が倒壊するかもしれません。
雪下ろしのタイミングは、各地域で定められている「設計積雪深」を目安にしましょう。木造住宅の場合は、窓やドアの開け閉めがしづらくなってきたら、家屋が雪の重みで歪みはじめているサインです。
対策2. 水道管の凍結を防ぐ
気温が下がると水道管が凍結するおそれがあるため、あらかじめ対策しましょう。凍結すると水が出なくなるだけでなく、水道管が破裂して水漏れを引き起こす場合があります。
特に、屋外でむき出しになっている水道管や、風当たりの強い場所、北側の日陰にある管は凍結しやすいです。事前にホームセンターなどで手に入る保温材や布などを巻きつけ、その上からビニールテープで覆うなどの対策が有効です。
また、強い冷え込みが予想される夜は、就寝前に蛇口から鉛筆の芯ほどの太さの水を少量流し続ける方法でも、凍結を予防できます。
水道管の凍結を防ぐ方法は、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。
【あわせて読みたい】水道管が凍結したらどうする?家庭でできる防止策と対処法を解説
対策3. 外出困難に備えて食料・物資を備蓄する
大雪によって道路が寸断され、物流がストップしたり、外出が困難になったりする場合があります。外出できなくなることを想定し、最低でも3日分、できれば1週間分の食料品や日用品を備蓄しましょう。
飲料水やレトルト食品、缶詰などの食料に加え、カセットコンロとガスボンベも用意すると、停電時でも温かい食事が取れます。
ほかにも、停電に備えて懐中電灯や携帯ラジオ、予備の電池やモバイルバッテリーも必需品です。防寒対策として、使い捨てカイロや湯たんぽなども準備しておきましょう。
対策4. 車の装備品を用意する
雪道で車を運転する際は、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤの装着が必須です。予報が出てから慌てないよう、早めに交換を済ませておきましょう。タイヤチェーンも携帯しておくと、急な積雪や路面凍結が起きてもさらに安心です。
万が一、立ち往生してしまった場合に備えて、車内にも非常用の備えが必要です。以下のようなものを準備しておくとよいでしょう。
- 防寒着や毛布、カイロ
- 飲料水や非常食
- 簡易トイレ
- スコップや軍手
- モバイルバッテリー
対策5. 正確な情報を得る
災害時に適切な行動を取るには、正確な情報を入手するのが大切です。自治体が作成しているハザードマップを確認し、自宅周辺の雪崩や地すべりなどの危険箇所を事前に把握しておきましょう。
大雪の予報が出たら、テレビやラジオ、気象庁のウェブサイトなどを通じて、最新の気象情報や警報・注意報をこまめに確認します。情報を元に、不要不急の外出を控える、早めに帰宅するなど、状況に応じた判断をしましょう。
対策6. 家族の安否確認方法を決める
万が一のことに備え、事前に家族で安否確認の方法を話し合っておきましょう。災害発生時は、電話回線が混みあい、連絡が取りにくくなることが想定されます。
主な安否確認サービスには以下のようなものがあります。
- 災害用伝言ダイヤル(171)
- 災害用伝言板(web171)
- 各携帯電話会社の災害用伝言板サービス
- LINEなどのSNSアプリ
どの連絡方法を使うか、どこに避難するかなど、具体的なルールを決めておくと、いざというときに落ち着いて行動できます。
【あわせて読みたい】災害時の安否確認方法4選!高齢者の見守りサービスやグッズも紹介
大雪が発生した際に心がけておくこと5つ

事前対策とあわせて、実際に大雪が降った際に取るべき行動を知っておきましょう。
ここでは、身の安全を守るための行動を解説します。
1. 不要な外出を控える
大雪の際は、原則として外出しないことが最も安全な対策です。交通機関の乱れや運休、道路の渋滞が予想され、移動が困難になるおそれがあります。
また、積雪や路面の凍結による転倒事故のリスクも高まります。どうしても外出しなければならない場合を除き、自宅で安全に過ごしましょう。
2. 外出の際は転倒防止をおこなう
やむを得ず外出する場合は、転倒防止に最大限の注意を払いましょう。靴は、靴底に深い溝がある滑りにくい長靴やスノーブーツを選ぶのがおすすめです。歩く際は、小さな歩幅で、足の裏全体を地面につけるように意識すると滑りにくくなります。
万が一転倒したときの衝撃を和らげるために、帽子をかぶり、手袋を着用することも有効です。また、手がふさがっていると、転倒時に手をつけず大怪我につながるため、リュックサックを利用するなどして両手を空けておきましょう。
3. 除雪作業時は安全対策をおこなう
|
命を守る除雪中の 事故防止10箇条 | 1.安全な装備でおこなう 2.はしごは固定する 3.作業は2人以上でおこなう 4.足場の確認をおこなう 5.雪下ろしのときは周りに雪を残す 6.屋根から雪が落ちてこないか注意する 7.除雪道具や安全対策用具の手入れ・点検をおこなう 8.除雪機の雪詰まりはエンジンを切ってから棒などで取り除く 9.携帯電話を身につける 10.無理はしない |
|---|
除雪作業の際は、国土交通省などが推奨する「命を守る除雪中の事故防止10箇条」を参考に安全対策をおこないましょう。自宅周りの除雪や屋根の雪下ろしは、毎年多くの事故が発生している危険な作業です。
特に高齢者だけで作業することはリスクが高いため、地域の助け合い制度などの利用も検討しましょう。
4. 落雪・雪崩が発生しやすい場所は避ける
軒下は特に危険なため、不用意に近づかないようにしましょう。屋根に積もった雪が、気温の上昇などでゆるみ、突然落下してくることがあります。除雪作業中も、頭上の落雪には十分な注意が必要です。
また、山の急な斜面など、雪崩が発生しやすい危険な場所には絶対に近づかないでください。事前にハザードマップで危険箇所を確認しておき、雪崩の兆候を見つけたら、速やかにその場から離れましょう。
5. 停電・断水に備える
大雪は、停電や断水などのライフラインの寸断を引き起こす可能性があります。飲料水や生活用水を浴槽にためておくなどの備えをしておきましょう。
停電になると暖房器具が使えなくなることもあるため、カイロや毛布、ポータブルストーブなどの防寒対策も重要です。
国や自治体がおこなっている雪害対策

雪害対策は、個人の備えだけでなく、国や自治体レベルでもさまざまな取り組みが進められています。ここでは、自治体による雪害対策の取り組みの例と、補助金制度について解説します。
取り組み事例
日本では、多くの自治体が雪害から住民の生活を守るための対策をおこなっています。
たとえば石川県加賀市では、GPSやセンサー技術を活用した雪害対策システムを構築しています。このシステムは、除雪車や凍結防止剤散布車の最適な稼働タイミングを割り出すものです。
このような先進的な取り組みが本格的に運用されれば、将来的には限られたリソースで効率的に除雪作業をおこなえるようになります。
補助金制度
地域住民の雪害対策を支援するため、各地で補助金制度が設けられています。
たとえば石川県金沢市の、町内会などが除雪事業者へ作業を委託した際、その費用の一部を市が補助する制度が一例です。ほかにも、住宅の屋根の雪かきや雪下ろし、除雪機の購入費用の一部を補助する制度を持つ自治体もあります。
自治体によって、除雪に関する支援制度が設けられている可能性があります。市役所や町村役場のウェブサイトを確認したり、窓口に問い合わせたりしましょう。
事前の備えで雪害から命を守ろう
雪害対策の基本は、各地域で定められている設計積雪深を目安に、定期的に雪かきすることです。また、水道管の凍結を防いだり、1週間分を目安に食料や物資を備蓄するのも重要です。
車を持っている方は、冬用の装備を整え、家族との安否確認方法を考えておきましょう。
普段雪に慣れていない地域ほど、一度の大雪で大きな混乱が生じる可能性があります。最も重要なのは、予報が出てから慌てて準備するのではなく、日頃から正しい知識を持ち、備えを万全にしておくことです。
この記事でご紹介した方法を参考にして、ぜひ今日から実践してみてください。




