「地震の揺れを感じたものの地震情報が見当たらない」
「緊急地震速報の仕組みとは?」
地震のような揺れを感じたのに、気象庁の地震情報や緊急地震速報が出ていないと、不安になりますよね。実は、地震情報が発表されないケースにはいくつかの理由があります。これらの理由を知っておくことで、予期せぬ揺れに遭遇しても冷静に対応できるでしょう。
本記事では、地震で揺れたのに地震情報がない理由を解説します。地震発生時に取るべき行動や緊急地震速報の仕組みについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
緊急地震速報の仕組み
緊急地震速報は、強い揺れが来る前に震度や到達時刻を予測し、できるだけ早く知らせる情報です。地震にはスピードの速いP波と遅いS波の2種類があります。気象庁は震源付近の地震計が捉えたP波を解析し、地震の規模や震源、揺れの強さを推定します。
発表基準に達すると速報を発表し、S波の到達前に警戒を促します。これにより、身を守る行動や列車の減速などが可能です。ただし、解析や伝達には数秒かかるため、揺れの直前や震源に近い地域では間に合わない場合もあります。
揺れたのに地震情報がない4つの理由

地震のような揺れを感じたにもかかわらず、気象庁から地震情報が発表されないケースもあります。ここでは、揺れたのに地震情報がない理由を4つ紹介します。
1. 地震情報・緊急地震速報の対象となる揺れに該当しない
地震を感じても、発表基準を満たさなければ地震情報や緊急地震速報は流れません。地震情報は震度1以上、緊急地震速報は最大震度5弱以上と予測された場合に発表されます。
小規模な地震や震度1未満の微弱な揺れは記録されないため、揺れを感じても地震情報が見当たらないことがあるのです。地震の揺れを感じた際には、慌てずに周囲の状況を確認することが重要です。
2. 近くに震度観測点がない
地震情報は震度計のデータをもとに発表されますが、近くに震度観測点がない場合は揺れを感知できないことがあります。気象庁は全国に約4,000カ所の震度計を設置していますが、日本全域を完全にカバーすることは困難です。
たとえば、震源が浅い地震では揺れを感じる範囲が局所的になることもあります。その範囲に震度計がなければ気象庁は地震を検知できず、情報が発表されない可能性があるのです。
3. 震源から近い
震源が近すぎる場合も地震情報が出ないことがあります。緊急地震速報は最初に伝わるP波を検知し、揺れの大きいS波が来る前に速報を発表する仕組みです。
ただし、震源が近いとP波の検知からS波の到達までの時間がほとんどないため、速報を発表する前に強い揺れが発生します。地震情報がない場合でも、揺れを感じたらすぐに身を守る行動を取ることが大切です。
4. 地震以外で揺れている
強風や大型車両の通過、工事の振動など、地震以外の要因で揺れを感じることもあります。揺れの原因が地震でない場合、地震情報は発表されません。
また、建物の構造や地盤の状態によっては、小さな振動でも揺れが増幅されることがあります。たとえば、地盤が緩い地域や老朽化した建物では、微細な振動でも強く感じやすくなります。揺れを感じた際は冷静に情報を確認し、本当に地震かどうか判断することが大切です。
地震発生時から発生直後に取るべき行動

地震が発生した際、慌てずに落ち着いて行動することが命を守る鍵となります。ここでは、地震発生時から直後に取るべき具体的な行動を解説します。地震発生時の行動について、詳しく知って備えたい方はぜひ参考にしてください。
身の安全を最優先する
地震が発生した際は、まず自分の身を守ることを最優先しましょう。家にいる場合は丈夫なテーブルの下にもぐり、頭を守りながら揺れが収まるのを待ちます。特に高層階では揺れ始めは遅いものの、長く大きく揺れる傾向があるため注意が必要です。
屋外にいる場合はカバンなどで頭を保護し、ブロック塀や看板、ガラスなどの落下に注意しながらその場にしゃがみ込みます。状況に合わせて慌てず冷静に対応し、命を守る行動を心がけましょう。
火の始末をする
地震発生時は揺れの最中に火を消そうとせず、まずは身の安全を確保することが重要です。激しい揺れの中で火の始末を試みると、やけどや転倒のリスクが高まります。揺れが収まってから火を消し、万が一出火した場合は落ち着いて初期消火をおこないましょう。
都市ガスや一部の家電製品は、震度5以上の揺れを感知すると自動的に停止する仕組みになっています。そのため、地震発生時に慌てて火の始末をするのではなく、揺れがおさまってから安全を確認しましょう。
ドアを開けて出入口を確保する
地震の揺れが収まったら、すぐに玄関のドアを開けて避難経路を確保しましょう。強い揺れによって建物が歪み、ドアが開かなくなると避難が困難になります。
また、トイレや浴室などの狭い空間で地震が発生した場合も閉じ込められるリスクがあります。すぐにドアを開けて逃げられる状態にし、いつでも避難できるようにしておくと安心です。
避難の準備をする
揺れが収まったあと、避難が必要な場合は速やかに準備をおこないます。沿岸部では津波の危険があるため、強い揺れを感じなくても海から離れてください。
また、余震の発生も考えられるので、避難準備をする際は慎重に行動することが大切です。非常持ち出し品は事前に準備し、出入口付近に置いておくとスムーズに避難できます。状況を確認しながら、安全な場所へ移動することを心がけましょう。
地震情報に関するよくある質問

最後に地震情報に関するよくある質問に回答します。
地震情報についてより詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
南海トラフ地震臨時情報とは?
南海トラフ地震臨時情報とは、南海トラフ沿いで異常な現象が観測されたり、地震発生の可能性が高いと判断されたりした際に発表される情報です。発生から最短2時間後に調査結果が公表され、以下の状況に応じた防災対策が求められます。
「巨大地震警戒」や「調査中」などのキーワードに注意し、適切な対応を取ることが大切です。調査終了が発表されたあとも油断はしないようにして生活しましょう。
緊急地震速報が鳴らないことはある?
緊急地震速報は一定の条件を満たさなければ鳴りません。しかし、周囲のスマホが鳴っているのに自分のスマホだけ鳴らない場合は、設定を確認しましょう。
iPhoneの場合は「設定」→「通知」→「緊急速報」がオンになっているか確認します。オフになっている場合は有効にすることで解決します。
Androidの場合は「設定」→「通知」→「緊急速報メール」→「緊急速報メールを許可」がオンになっているか確認してください。
地震情報がなくても、揺れを感じたら身の安全を守る行動を取ろう!
本記事では、揺れたのに地震情報がない理由について解説しました。震源が近すぎる場合や震度観測点がない地域では、地震情報が発表されないことがあります。情報がなくても油断をせずに落ち着いて状況を判断することが大切です。
また、地震発生時は自分の身を守ることを最優先し、揺れが収まってから火の始末や避難の準備をしましょう。災害時に焦らず冷静に行動するためにも、普段から準備をしておくことが重要です。