津波の最大の高さとは？発生する原因や想定される被害も詳しく解説

「津波の最大の高さはどれくらい？」
「津波で避難する際に注意することはある？」

津波の高さや予想される被害について、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。過去には津波が数十メートルの高さに達し、甚大な被害を引き起こした事例もあります。津波の危険性を正しく理解し、事前に備えることが大切です。

本記事では、津波が発生する原因や想定される被害について詳しく解説します。津波の危険性について詳しく知りたい方はぜひ最後までお読みください。

津波とは

津波は地震や火山噴火、海底地すべりなどによって海全体が動く、大規模な波の現象です。その破壊力は大きく、沿岸部に甚大な被害をもたらします。ここでは、津波が発生する原因や伝わる速さや波の高さについて詳しく解説します。津波の仕組みを理解し、命を守るための知識を身につけましょう。

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津波が発生する原因

津波は、海底での大地震の発生際に海底が隆起や沈降をし、海水が大きく動くことで発生します。これにより海面が変動し、波となって陸地に押し寄せます。

ただし、大きな地震が起きたからといって必ずしも津波が発生するわけではありません。

震源が海域にあり、震源の深さが50kmより浅い場合に津波が発生する可能性が高いといわれています。また、断層の動きのタイプも影響し、プレート間のずれが大きい場合に津波の規模が増大します。

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津波が伝わる速さ・高さ

津波は海が深いほど速く伝わり、水深が浅くなるほど速度は遅くなる傾向にあります。水深と速さの目安は、以下の通りです。

水深5,000mの沖合では時速800kmに達し、ジェット機に匹敵するほどの速さです。一方で、水深が浅い場所でも時速36km程度の速度があり、人が走って逃げられるものではありません。

そのため、津波が海岸に到達する様子を見てから避難するのでは遅すぎます。海岸の近くで地震が発生した場合は速やかに避難しましょう。

想定される被害

津波の威力は強く、巻き込まれたら人の力で抵抗することは困難です。津波の浸水の深さと想定上の死亡率は、以下の通りです。

浸水が30cmを超えると歩行が困難になり、流される危険性があります。さらに、1mを超える浸水の想定死亡率は100％です。地震発生後には津波に巻き込まれないように、一刻も早く安全な高台や避難所に移動しましょう。

過去に日本で起きた津波と最大の高さ

日本では、過去に大きな被害をもたらした津波がいくつもありました。ここでは、その中から主な津波である以下の3つと、その最大の高さについて紹介します。

• 北海道南西沖地震｜1993年
• 十勝沖地震｜2003年
• 東日本大震災｜2011年

北海道南西沖地震｜1993年

1993年7月12日の北海道南西沖地震では175cmを超える津波が発生し、大きな被害をもたらしました。震度や人的被害などは、以下の通りです。

地震発生から約7分後に第一波が到達し、江差港で175cm以上、岩内港で142cm、松前港で106cmの津波を観測しました。さらに、後日実施した現地調査では、奥尻島で最大高さ29mの地点まで津波が到達した痕跡が確認されています。

十勝沖地震｜2003年

2003年9月26日の十勝沖地震では、北海道から東北地方の太平洋沿岸で津波が発生しました。震度や人的被害などは、以下の通りです。

釧路地方や十勝地方、日高地方で最大震度6弱を観測し、北海道を中心に甚大な被害をもたらしました。北海道広尾町・十勝港では255cmの津波を記録し、十勝川では津波が川を10km以上逆流する現象も発生しています。

東日本大震災｜2011年

2011年3月11日の東日本大震災では、岩手県、宮城県、福島県を中心とした太平洋沿岸部を巨大な津波が襲いました。震度や人的被害などは、以下の通りです。

福島県相馬では9.3m以上、岩手県宮古で8.5m以上、大船渡で8.0m以上の津波を観測しました。仙台平野では海岸線から約5km内陸まで浸水し、津波によって多くの方が命を落としました。

南海トラフ地震で予想される津波

今後発生が予想されている南海トラフ地震について、政府の中央防災会議の発表した被害想定は以下の通りです。

太平洋側を中心に10メートルを超える津波が予想されており、瀬戸内海や九州でも2〜5メートルの津波が到達するとされています。

想定通りになるとは限らないものの、過去の事例からも大きな被害をもたらすことが予測されます。そのため、津波警報が発令された際は迅速かつ冷静な行動をとりましょう。

津波で避難する際の3つの注意点

津波から安全に避難するためには、正しい知識と冷静な行動が欠かせません。ここでは、津波避難時に特に注意すべき3つのポイントを解説します。

• 高い場所に避難する
• 車で移動しない
• 周囲の方と声をかけあう

日頃から備えて、いざというときに適切に対応しましょう。

1. 高い場所に避難する

津波の危険がある場合は、まずは速やかに高い場所へ避難することが大切です。津波は、速いスピードで陸地を襲い、建物や車も巻き込むほどの威力があります。

近くに高台や避難所がある場合は、迷わずそちらに向かいましょう。もし高台がない場合でも、できるだけ海から離れることで被害を避けられる可能性があります。また、周囲に鉄筋コンクリート製の建物があれば、その建物に避難することも有効です。津波が発生したら状況に応じて最適な避難方法を選び、いち早く安全な場所へ向かいましょう。

2. 車で移動しない

津波で避難するときは、徒歩で移動しましょう。車での避難は渋滞や水圧で逃げ遅れる危険が伴うため、命を守る行動としては不適切です。車内で津波に巻き込まれると水圧でドアが開かなくなり、脱出が難しくなります。

道路が混雑している場合は、車の移動がほかの避難者の妨げになることもあります。そのため、車に乗っている際に津波の危険を感じたら、すぐに路肩に車を停めて徒歩で避難してください。

3. 周囲の方と声をかけあう

一人でも多くの命を守るために、周囲の方と声をかけあいながら避難することが大切です。避難時の声かけは周囲の人々の行動を促し、混乱を防ぐ効果が期待できます。

たとえば「津波が来る！逃げて！」と声をかけながら行動することで、周りにいる方が迅速に避難を始めるきっかけになります。一人での避難だけでなく、声をかけあって協力をし、多くの命を守る行動を心がけましょう。

津波に関するよくある質問

ここでは、津波に関するよくある質問についてまとめました。

• 津波と波浪は何が違う？
• 地震が発生してから津波はどれくらいで来る？

津波と波浪の違いや津波が到達する時間を知りたい方は最後までお読みください。

津波と波浪は何が違う？

津波と波浪では、波長や海水の押し寄せ方が異なります。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

波浪は風の影響で海面が揺れる現象で、波長は短く、主に風の強弱や方向によって変化します。一方で、津波は地震などの大規模なエネルギーによって海全体が動き、波長が非常に長いのが特徴です。特に海岸付近では波が急激に高くなり、強い力を持つため、ただちに避難する必要があります。

地震が発生してから津波はどれくらいで来る？

津波の到達時間は震源域からの距離によって異なりますが、早い場合は数分から数十分で到達する場合があります。津波は地震による海底の急激な変動で発生し、高速で広がります。

2011年の東日本大震災では、震源域が沿岸部からやや離れていたため、津波が到達するまでに20〜25分ほどかかりました。しかし、震源域が沿岸に近い場合は数分で津波が押し寄せることもあります。地震発生後には警戒を怠らず、早急に安全な場所へ避難しましょう。

正しい知識で津波に備えよう

本記事では、津波が発生する原因や過去の事例を通じて、津波の最大の高さについて説明しました。津波は海底の隆起や沈降によって発生し、地震の規模に関係なく発生する可能性があります。

津波から身を守るためには、正しい知識と素早い行動が重要です。津波が発生したら周囲の方と声をかけあいながら、速やかに高台へ避難してください。いざというときの適切な行動を日常から確認しておきましょう。