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災害が起きたら

地震が津波を引き起こす仕組みをわかりやすく解説!対策・取り組みも紹介

「津波と地震の関係は?」
「津波が発生するのは地震発生から何分後?」
「日本では津波対策としてどんな取り組みをおこなっているの?」


地震や津波に関して、このような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。地震で津波が起きる仕組みは、海底で発生したプレートの大きな動きが原因です。

この記事では、地震が津波を引き起こす仕組みについてわかりやすく解説します。ほかにも、過去の事例や対策についても触れています。

この記事を読むことで地震が津波を引き起こす仕組みを理解でき、必要な対策を実践できるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

目次

地震で津波が起きる仕組み

地震で津波が起きるのは、海底で発生したプレートの大きな動きが原因です。海底のプレートが動くと、その動きが海水を押し上げて波を作り、津波になります。

また地震が発生するのは、陸側のプレートが海側のプレートの下に沈み込むのが原因です。海側のプレートが陸側のプレートを引き込むと、数十年後から数百年後の間にその引き込まれたプレートが反発して跳ね上がります。

この動きにより海底の地形が変化し、海水が急激に押し上げられるため津波が発生します。

地震による津波の災害事例

地震によって発生した津波の事例として、以下が挙げられます。

東日本大震災十勝沖地震チリ地震津波
発生日時2011年3月2003年9月1960年5月
地震の規模マグニチュード:9.0
(日本観測史上最大)
最大震度:7
マグニチュード:8.0
最大震度:6弱
マグニチュード:9.5
最大震度:6
津波の高さ40.5m
(国内観測史上最大)
25.5m
(北海道広尾町・十勝港)
最大8m
被害状況死者:約15,000人
行方不明者:約7,500人
負傷者:849人
全壊:116棟
半壊:368棟
死者・行方不明者:139名
全壊:2,830棟
半壊:2,183棟

ここからは、それぞれの事例について解説します。

東日本大震災(2011年)

発生日時2011年3月
地震の規模マグニチュード:9.0
(日本観測史上最大)
最大震度:7
津波の高さ40.5m
(国内観測史上最大)
被害状況死者:約15,000人
行方不明者:約7,500人

東日本大震災は、2011年3月11日に発生した巨大地震です。マグニチュード9.0とそれに伴う大津波によって、東北地方を中心に甚大な被害をもたらしました。津波の高さは、国内観測史上最大の40.5mを記録しています。

死者数は約15,000人に上り、行方不明者や避難生活者も多数発生しました。この震災は、地震と津波の恐ろしさを改めて世界に知らしめる出来事となりました。

十勝沖地震(2003年)

発生日時2003年9月
地震の規模マグニチュード:8.0
最大震度:6弱
津波の高さ25.5m
(北海道広尾町・十勝港)
被害状況負傷者:849人
全壊:116棟
半壊:368棟

十勝沖地震は、2003年9月に十勝沖を震源として発生した地震です。マグニチュード8.0、最大震度6弱を記録し、北海道を中心に大きな被害をもたらしました。

津波は最大25.5mに達し、全壊116棟、半壊368棟などの被害が発生しました。

チリ地震津波(1960年)

発生日時1960年5月
地震の規模マグニチュード:9.5
津波の高さ最大8m超
被害状況死者・行方不明者:139名
全壊:2,830棟
半壊:2,183棟

1960年5月にチリ南部で発生した地震は、日本に津波の被害をもたらしました。チリ地震の地震規模はマグニチュード9.5を記録し、観測史上最大の地震となっています。

これにより発生した津波は時速750kmで太平洋を横断し、22時間半後に日本の沿岸に到達しました。三陸海岸では最大8mを超える津波が襲い、死者・行方不明者139名、全壊2,830棟など甚大な被害をもたらしました。

津波が発生したときの対策

津波の被害

津波が発生した際は、以下の対策を実行しましょう。

  1. 海辺から離れてより高い安全な場所に避難する
  2. 津波警報が解除されるまで警戒する
  3. 正確な情報を入手する

ここからは、それぞれの対策について解説します。

1. 海辺から離れてより高い安全な場所に避難する

地震による強い揺れや、海辺で感じる長くゆっくりした揺れを感じた場合は、海辺から離れてより高い安全な場所に避難しましょう。

沿岸部の地形や津波の進行方向によっては、局所的に津波が高くなることがあります。高台や指定された避難場所に向かい、津波が来る前に安全な場所への避難が必要です。

2. 津波警報が解除されるまで警戒する

津波警報が解除されるまでは、油断せず警戒を続けましょう。最初の津波よりも、後から来る津波のほうが高くなることがあるためです。

特に、海水浴や磯釣りをしている場所は危険です。警報が解除されるまでは、避難場所から戻らないようにしましょう。

3. 正確な情報を入手する

津波が発生した際は、正確な情報を迅速に入手することが重要です。テレビやラジオ、広報車、防災行政無線などを活用して、津波の状況や避難指示などの最新情報を確認しましょう。

インターネットやSNSも有用ですが、公式の情報源のほうが信頼性は高いです。そのため、公共の通信手段を優先することをおすすめします。

津波に備える日頃からの対策

津波に備えて、日頃から以下のような対策をおこなうことが大切です。

  1. 危険な場所を確認する
  2. 避難場所を確認する
  3. 訓練に参加する

ここからは、それぞれの対策について解説します。

1. 危険な場所を確認する

津波に備えるためには、あらかじめ自宅や学校、職場周辺などの危険な場所を確認しておきましょう。ハザードマップを活用すれば、津波が到達する可能性のある地域を把握できます。

特に海から離れている場所でも、川を遡って津波が到達することがあります。周囲の地形や標高も考慮し、安全な避難ルートを確保しておくことが大切です。

2. 避難場所を確認する

津波が発生した場合に備えて、事前に避難場所を確認しておくことが大切です。そのためには、周辺の避難場所や避難ビルの位置を把握し、避難経路を確認しておきましょう。

避難場所は1カ所だけでなく、さらに高い場所にある避難場所も調べ、状況に応じて選べるようにすると安心です。周囲の人と一緒に確認し、迅速に安全な場所へ避難できるように計画することが重要です。

3. 訓練に参加する

訓練に参加すると実際の避難経路をたどれるため、いざというときに迅速に行動できます。

訓練を通じて避難の流れや注意点を把握し、周囲の状況にも対応できるようにしておきましょう。また、訓練は自分だけでなく、家族や周りの人々とも協力しておこなうとより効果的です。

地震や津波に関するよくある質問

よくある質問のイメージ

最後に、地震や津波に関するよくある質問にお答えします。

  1. 日本では津波対策としてどのような取り組みがある?
  2. 地震による津波の損害は地震保険で補填される?
  3. 津波が発生するのは地震発生から何分後?
  4. 日本で発生した津波の過去最大の高さは?
  5. 津波で危ない都道府県はどこ?

気になる疑問があれば、解決しておきましょう。

1. 日本では津波対策としてどのような取り組みがある?

日本では津波対策として、構造物による施設整備が進められています。

たとえば、津波から人命や財産を守る役割の海岸堤防は、海岸堤防の内側にある土地への浸入を防ぐためのものです。また、津波防波堤や水門、陸閘なども津波の進入を防ぐ重要な役割を担っています。

ほかにも、津波・高潮防災ステーションでは津波の発生を予測し、迅速に対応するために情報を伝達するシステムが整備されています。

これらの施設は、津波による被害を最小限に抑えるために欠かせない取り組みです。

2. 地震による津波の損害は地震保険で補填される?

地震保険では、地震による津波の損害も補償対象です。

津波による火災や損壊、埋没、流失などが対象となります。ただし、損害の程度が一定以上でなければ、保険金は支払われません。

詳細については、加入している地震保険の公式サイトをご確認ください。

3. 津波が発生するのは地震発生から何分後?

観測地によって津波が到達する時間が異なるため、一概には言い切れません。しかし、津波警報は地震発生後3~5分程度で発表されます。

なお、2011年3月に発生した東日本大震災では、地震発生から32分後に津波が宮古市街地を襲いました。

津波の速度は速いと時速約40kmにも及ぶため、走って逃げ切ることはできません。逃げ遅れないためにも、津波警報を確認したらすぐに避難しましょう。

4. 日本で発生した津波の過去最大の高さは?

日本で発生した津波の過去最大の高さは、2011年の東日本大震災で観測された40.5メートルです。この津波は陸地の斜面を駆け上がり、国内で最も高い遡上高が記録されました。

5. 津波で危ない都道府県はどこ?

津波で特に危険とされる地域は、三陸海岸、東海・東南海・南海沿岸、日本海東部沿岸などです。なかでも、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県は南海トラフ地震が発生した場合、大きな被害が出ると考えられています。

地震で津波が起きる仕組みを理解して日頃から備えよう

地震が引き起こす津波は、海底での地震活動が原因です。特にプレートの境界で起きる大規模な地震は、海底を急激に動かして大きな波を発生させます。

津波は地震発生から数分後に沿岸部に到達し、大きな被害をもたらすことがあります。そのため、日常的に津波が発生しやすい地域に住む人々は、危険な場所を確認し、避難場所を把握しておくことが重要です。

対策をおこなう際は、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。