「地震でエレベーターに閉じ込められたらどうする?」
「どれくらいの時間閉じ込められるの?」
「エレベーターに閉じ込められたらトイレはどうする?」
エレベーターに閉じ込められたときのことを考えて心配になり、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
万が一地震でエレベーターに閉じ込められた場合は、すべての階のボタンを押して最寄り階に避難するのが基本です。押しても降りられない場合は、非常用インターホンから連絡を取り係員が応答するまでボタンを押しましょう。エレベーター内の非常用アイテムを確認しつつ、落ち着いて救助を待つことが大切です。
この記事では、地震でエレベーターに閉じ込められた場合の対処法について解説します。ほかにも、エレベーターに閉じ込められる確率やトイレ事情についても触れていきます。記事を読むことで、エレベーターに閉じ込められた際の対処法がわかり、落ち着いて対応できるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
- 地震でエレベーターに閉じ込められた際の対処法
- 1. すべての階のボタンを押して最寄り階に避難する
- 2. 非常用インターホンで外部に連絡する
- 3. エレベーター内の非常用アイテムを確認する
- 4. 落ち着いて救助を待つ
- エレベーターに閉じ込められた際の注意点
- 1. ドアを無理やり開けない
- 2. エレベーターの天井から脱出しない
- 地震によるエレベーターの閉じ込めに関するよくある質問
- エレベーターに閉じ込められてパニックになったら?
- エレベーターに閉じ込められて救助されるまでの時間は?
- 地震の際エレベーターで全部のボタンを押すのはなぜ?
- エレベーターに閉じ込められる確率は?
- エレベーターに閉じ込められたらトイレはどうする?
- 地震でエレベーターに閉じ込められた際は落ち着いて行動しよう
地震でエレベーターに閉じ込められた際の対処法
地震でエレベーターに閉じ込められた際の対処法は4つあります。
これらの対処法を知ることで、慌てず冷静に行動できるでしょう。ここからは、それぞれの対処法について解説します。
1. すべての階のボタンを押して最寄り階に避難する
エレベーターに閉じ込められた際は、まずすべての階のボタンを押しましょう。これは、特定の階のボタンが正常に作動しなくなっている可能性があるためです。すべての階のボタンを押せば、停止可能な階で扉が開く確率が高まります。
ドアが開いたら慌てずに降り、非常階段を使って安全な場所へ移動します。扉が閉まりかけた場合は、開くボタンを押して対応しましょう。
2. 非常用インターホンで外部に連絡する
すべての階のボタンを押しても降りられなかった場合は、外部と連絡を取りましょう。まずは操作盤にある電話マークが目印の備えつけの非常用インターホンから連絡を取ります。係員が応答するまでボタンを押し続けましょう。
インターホンが使えない場合は、スマートフォンからエレベーターの保守会社やビルの管理会社、または119番などへ連絡します。
3. エレベーター内の非常用アイテムを確認する
エレベーターには、万が一の閉じ込めに備えて非常用アイテムが設置されていることがあります。キャビネットや壁面の備蓄庫を確認してみましょう。
中には、以下のようなアイテムが用意されていることがあります。
- 非常用トイレ
- ティッシュ
- 簡易ポンチョ
長時間の閉じ込めに備え、こうしたアイテムを活用することで、体調や衛生面の不安を軽減できます。使えるものがないか、落ち着いて確認しましょう。
4. 落ち着いて救助を待つ
エレベーターに閉じ込められても、まずは落ち着いて救助を待ちましょう。救助が来るまでの間は、できるだけ楽な姿勢で過ごすことが大切です。
エレベーター内は完全な密閉空間ではないため、空気が循環しており窒息の心配はありません。非常用照明も点灯するよう設計されているため、保守点検が行き届いていれば暗闇になることもありません。
過度な不安やパニックは体調を崩す原因にもなるため、リラックスして救助を待ちましょう。
エレベーターに閉じ込められた際の注意点

エレベーターに閉じ込められた際は、2つのポイントに注意しましょう。
これらの注意点を守ることで、リスクを避けられます。ここからは、それぞれの注意点について解説します。
1. ドアを無理やり開けない
エレベーターのドアは、無理に開けようとしてはいけません。再稼働できなくなったり、ドアに挟まれたりする危険があるためです。
また、ドアの先に安全なフロアがあるかどうかもわかりません。場合によっては隙間から転落する可能性もあり、大変危険です。
閉じ込められた場合はドアから離れ、復旧まで待機しましょう。
2. エレベーターの天井から脱出しない
エレベーターの天井からは脱出できません。多くのエレベーターでは天井が施錠されており、内側から開けられないためです。
仮に開けられたとしても転落や挟まれるリスクが高まります。慌てて外に出るのではなく、非常用インターホンやスマートフォンで外部と連絡を取り、落ち着いて救助を待ちましょう。
地震によるエレベーターの閉じ込めに関するよくある質問

エレベーターの閉じ込めに関するよくある質問は、以下の通りです。
- エレベーターに閉じ込められてパニックになったら?
- エレベーターに閉じ込められて救助されるまでの時間は?
- 地震の際エレベーターで全部のボタンを押すのはなぜ?
- エレベーターに閉じ込められる確率は?
- エレベーターに閉じ込められた際トイレはどうする?
あらかじめ疑問を解消しておくことで、万が一閉じ込められた際に落ち着いて対応できるでしょう。ここでは、よくある質問をまとめて解説します。
エレベーターに閉じ込められてパニックになったら?
エレベーターに閉じ込められた際にパニック状態になるのは自然な反応ですが、冷静になることが大切です。まずはゆっくりと深呼吸をして、体内に酸素を十分に取り込みましょう。
呼吸を意識的に整えることで心拍数が落ち着き、冷静に行動できます。
エレベーターに閉じ込められて救助されるまでの時間は?
救助にかかる時間はさまざまな要因に影響されますが、通常は数分から数十分程度です。
しかし、大規模な地震や広範囲で停電が発生した場合、救助には数時間かかることもあります。たとえば国土交通省によると、2018年に発生した大阪北部地震では平均で約80分、最大で約5時間かかったケースもあります。
出典:国土交通省|大阪府北部を震源とする地震に係る建築物等の被害状況と今後の取組みについて
地震の際エレベーターで全部のボタンを押すのはなぜ?
地震の際にエレベーターのすべての階のボタンを押す理由は、特定の階のボタンが作動しなくなっている可能性があるためです。地震によってエレベーターのシステムにトラブルが発生した場合でも、すべての階のボタンを押すことで扉が開く可能性が高まります。
エレベーターに閉じ込められる確率は?
平常時にエレベーターに閉じ込められる確率は比較的低いものの、ゼロではありません。
たとえば大阪市の市有施設に設置されているエレベーターでは、閉じ込め率は年間100台あたり約0.79件(0.79%)と報告されています(2008年10月~2009年9月の調査による)。それ以前から国内の大手エレベーター会社で年間約9,000件、1日あたり約25件の閉じ込め事故が発生しています。
また、地震に伴うエレベーターの閉じ込め事故の報告件数は、阪神・淡路大震災で156件、東日本大震災の本震で210件などです。
確率は高くないものの、完全に無視できるものではありません。閉じ込められた際の対処法を知ることで、冷静に対応できます。
出典:安全工学50巻(2011)4号|(J-STAGE)エレベーター閉じ込め事故と人命安全対策
エレベーターに閉じ込められたらトイレはどうする?
エレベーターには簡易トイレが用意されている場合があるため、まずは非常用アイテムを確認しましょう。エレベーター内の壁面に設置されているキャビネットの中に非常用アイテムが入っていることがあります。
簡易トイレがない場合や、長時間閉じ込められる可能性がある場合は、非常用インターホンを使って外部に連絡し、救助を求めましょう。
地震でエレベーターに閉じ込められた際は落ち着いて行動しよう
地震でエレベーターに閉じ込められた場合、落ち着いて行動することが大切です。パニックにならず、まずはすべての階のボタンを押して最寄り階へ避難しましょう。
どの階にも止まらなかった場合は、エレベーターの非常用インターホンで外部と連絡を取り、状況を知らせます。次に、エレベーター内に非常用アイテムが用意されているか確認しましょう。中には簡易トイレが用意されていることがあります。
救助が来るまでの間、無理にドアを開けようとしたり、天井から脱出を試みたりすることは危険です。少しでも楽な姿勢で待機し、深呼吸することで落ち着きましょう。
万が一の場合に備えて、対処法を知っておくことは大切です。ぜひこの記事で紹介したポイントを参考にしてください。