災害用伝言板と伝言ダイヤルは、災害時に家族の安否確認ができるサービスです。インターネットや電話で利用でき、無料で利用可能です。
この記事では、災害用伝言サービスの種類とそれぞれの使い方を解説します。さらに、サービスを実際に試せる体験利用の方法や、家族で決めておきたい大切なルールもご紹介します。
この記事を読めば具体的な使い方が理解でき、災害時の連絡手段に対する不安が軽減されるでしょう。災害用伝言サービスについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
- 伝言板(web171)とダイヤル(171)の違い
- 【文字】災害用伝言板(web171)の使い方
- 伝言を登録する方法
- 伝言を確認する方法
- 【音声】災害用伝言ダイヤル(171)の使い方
- 伝言を録音する方法
- 伝言を再生する方法
- 災害用伝言ダイヤル(171)の使用例
- 災害用伝言サービスは事前の練習が大事
- 体験利用が可能な期間
- 体験利用の条件
- 災害用伝言板を使う上で家族と決めておきたい3つのルール
- ルール1.使用する電話番号を統一する
- ルール2. 録音・登録するメッセージを事前に共有する
- ルール3. 避難場所の優先順位を決める
- 災害用伝言板の使い方に関するよくある質問
- 災害用伝言板(web171)の利用にお金はかかる?
- 災害用伝言板(web171)を電話で聞くことは可能?
- 災害用伝言板(web171)の伝言は何件まで、いつまで保存される?
- 災害用伝言板(web171)の使い方を覚えて災害に備えよう
伝言板(web171)とダイヤル(171)の違い

| 項目 | 災害用伝言板(web171) | 災害用伝言ダイヤル(171) |
|---|---|---|
| 端末 | パソコン、スマートフォン、タブレット | 固定電話、公衆電話、携帯電話 |
| 伝言形式 | テキスト (最大100文字) | 音声 (最大30秒) |
災害時の安否確認サービスには、「災害用伝言板(web171)」と「災害用伝言ダイヤル(171)」の2種類があります。この2つのサービスの大きな違いは、インターネットを通じて文字で伝言を残すか、電話を通じて音声で伝言を残すかという点です。
それぞれの特徴を理解して、その場の状況に合う方法を選べるようにしましょう。
【文字】災害用伝言板(web171)の使い方
災害用伝言板は、インターネットを利用して、文字で安否情報を登録・確認できるサービスです。インターネット回線は電話回線に比べて比較的つながりやすいため、災害時の有効な連絡手段となります。
伝言を登録する方法
| 1.災害用伝言板にアクセス 2.電話番号を入力 3.安否情報を選択 4.伝言を入力 5.登録を実行 |
スマートフォンやパソコンから「災害用伝言板(web171)」のサイトにアクセスします。次に、安否情報を登録したい自分の電話番号、または家族と決めた電話番号を入力し、「登録」を選択します。
| 例文 |
|---|
| お父さん、お母さんへ 無事です。さとみは怪我もありません。今は自宅にいます。 太郎(長男の名前)も一緒にいます。 心配しないでください。また連絡します。 |
画面が伝言登録画面に切り替わったら、「無事です」などの安否状況を選択し、名前と伝言を入力します。伝言は100文字以内で、現在の状況や今後の予定などを簡潔に記載しましょう。
伝言を確認する方法
| 1.災害用伝言板にアクセス 2.電話番号を入力 3.確認を実行 |
災害用伝言板(web171)にアクセス後、伝言を確認したい電話番号を入力して「確認」を選択します。伝言が登録されていれば一覧で表示され、内容を確認できます。
【音声】災害用伝言ダイヤル(171)の使い方
災害用伝言ダイヤルは、固定電話や公衆電話、携帯電話などから電話をかけて、音声を録音・再生できるサービスです。停電でスマートフォンの充電が切れたり、インターネットに接続できなかったりしても、公衆電話などから使えます。
伝言を録音する方法
| 1.「171」にダイヤル 2.音声ガイダンスに従って選択 3.電話番号を入力 4.メッセージを録音 |
音声で伝言を残すには、まず電話で「171」にダイヤルします。音声ガイダンスが流れるので、指示に従って「1」を押して「録音」を選択します。
次に、安否を伝えたい相手の電話番号(または家族で決めた電話番号)を市外局番から入力します。「ピー」という音が鳴ったら、30秒以内にメッセージを録音してください。
| 例文 |
|---|
| 「お母さん、さとみです。無事です。怪我はありません。今は会社の近くの〇〇小学校にいます。家族みんなの安否が確認できたら、また連絡します。心配しないでね。じゃあね。」 |
録音する際は、自分の名前を名乗り、現在地、誰といるか、怪我の有無、そして今後の予定などを落ち着いて話すことが大切です。
なお、災害用伝言ダイヤルに録音できる伝言の数は1〜20件までとなっています。伝言の数が20件を超えた場合は、自動で古いものから削除されていくので注意しましょう。
伝言を再生する方法
| 1.「171」にダイヤル 2.音声ガイダンスに従って選択 3.電話番号を入力 4.メッセージを再生 |
録音された伝言を聞く場合も、「171」にダイヤルしましょう。音声ガイダンスに従い、「2」を押して「再生」を選択します。
次に、伝言を聞きたい相手の電話番号を市外局番から入力します。入力した電話番号宛てに伝言があると、メッセージが再生される流れです。
災害用伝言ダイヤル(171)の使用例
災害用伝言ダイヤル(171)の使用例を2パターンご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
使用例1. 被災者が自分の電話番号に伝言を残すパターン
被災者が自分の電話番号に伝言を残すときの使用例となります。
| 想定 | 例:Aさん(被災者)、自宅の固定電話番号(00-0000-0000)に伝言を録音 |
|---|---|
| 手順 | 1. Aさんが「171」にダイヤルし、「1」(録音)を選択 2. 「00-0000-0000」(自宅の電話番号)を入力し、「無事です」と録音 3. 家族や知人は「171」にダイヤルし、「2」(再生)を選択、同じ番号(00-0000-0000)を入力してAさんの伝言を再生 |
使用例2. 被災者が事前に決めた電話番号に伝言を残すパターン
事前に決めた電話番号に伝言を残したいときの使用例となります。
| 想定 | 家族で「おばあちゃんの家(111-1111-1111)に伝言を残そう」と話していた場合 |
|---|---|
| 手順 | 1. 被災者や安否を知らせたい人が「171」に電話し、「1」で「111-1111-1111」に録音 2. 家族や親戚も同じ手順で「111-1111-1111」に伝言を録音・確認できる |
災害用伝言サービスは事前の練習が大事

災害用伝言サービスは、実際に災害が発生した際に戸惑わずに使えるよう、事前に操作に慣れておくことが重要です。災害が起きた際に落ち着いて使えるよう、普段から家族で使い方を確認しましょう。
体験利用が可能な期間
災害用伝言サービスは、災害時だけでなく、練習のために体験利用ができる日が設けられています。
| 体験利用期間 | 時間 |
|---|---|
| 毎月1日、15日 | 00:00~24:00 |
| 正月三が日 | 1月1日00:00~1月3日24:00 |
| 防災週間 | 8月30日9:00~9月5日17:00 |
| 防災とボランティア週間 | 1月15日9:00~1月21日17:00 |
体験利用期間中は、災害用伝言板(web171)と災害用伝言ダイヤル(171)のどちらも利用できます。
体験利用の条件
体験利用の条件は、以下の通りです。
| 種類 | 体験利用の条件 |
|---|---|
| 伝言掲示板 | ・伝言蓄積数:20伝言 ・伝言保存期間:体験利用期間終了まで |
| 伝言ダイヤル | ・伝言録音時間:30秒 ・伝言保存期間:体験利用期間終了まで ・伝言蓄積数:電話番号あたり20伝言 |
体験利用の前に、あらかじめ確認しておきましょう。
災害用伝言板を使う上で家族と決めておきたい3つのルール

災害発生時に家族全員が迅速に安否確認をおこなうためにも、以下3つのルールを決めておきましょう。
ここでは、それぞれのルールについて解説します。
ルール1.使用する電話番号を統一する
家族の安否確認をスムーズにおこなうために、キーとなる電話番号を1つに決めておきましょう。
災害用伝言板も伝言ダイヤルも、特定の電話番号をキー(連絡先)として伝言を登録・確認します。電話番号を決めていないと、別々の電話番号を使用し、誰の番号を確認すればよいのかわからなくなってしまいます。
そこで、「安否確認に使う電話番号は、お父さんの携帯電話番号にする」というように、キーとなる電話番号を事前に決めておきましょう。家族全員の伝言をまとめて確認できるため、効率的です。
ルール2. 録音・登録するメッセージを事前に共有する
災害が起きたときに慌てないよう、平常時に家族で必ず伝えるべき情報を共有しておきましょう。防災の合言葉として知られる「あ・い・た・い・よ」を参考にすると、伝えたい情報の漏れを防げます。
| あ・い・た・い・よ | 伝えたい情報 |
|---|---|
| あ | あなたの名前は?(自分の名前) |
| い | いまいる場所は?(具体的な建物名や地名など) |
| た | だれといっしょか?(一人か、誰かと一緒か) |
| い | いたいところはあるか?(ケガの有無や体調) |
| よ | よこく(今後の予定、次に連絡するタイミングなど) |
どちらのサービスも、伝えられる情報量には限りがあります。このようなフレームワークを決めておけば、落ち着いて必要な情報を伝えられるでしょう。
ルール3. 避難場所の優先順位を決める
災害発生時に家族が別々の場所にいた場合に備えて、どこで合流するのかを明確にしておく必要があります。自宅だけでなく、職場や学校、外出先など、さまざまな状況を想定し、複数の集合場所を優先順位をつけて決めておきましょう。
たとえば「第一避難場所は〇〇小学校の体育館入り口」「第二避難場所として△△公園の時計台」など、具体的な場所を設定します。
このように避難時の行動ルールを決めておくことで、万が一のときでも家族それぞれが冷静に判断し、再会できる可能性が高まります。
災害用伝言板の使い方に関するよくある質問
最後に、災害用伝言板の使い方に関するよくある質問に回答します。
災害用伝言板(web171)の利用にお金はかかる?
伝言の登録や閲覧などは無料です。ただし、インターネット接続費用やプロバイダ利用料、通信料などは別途必要になります。
災害用伝言板(web171)を電話で聞くことは可能?
災害用伝言板(web171)と災害用伝言ダイヤル(171)は相互連携しているため、どちらからも内容を確認できます。たとえばweb171に登録されたテキストメッセージを、171に電話をかけることで音声として確認できます。
災害用伝言板(web171)の伝言は何件まで、いつまで保存される?
1つの電話番号あたり、最大で20件まで登録可能です。20件を超えて新しい伝言が登録された場合は、最も古い伝言から自動的に削除されます。
伝言の保存期間は、災害の状況に応じてサービスが提供されている期間中となり、最大で6カ月程度保存される場合があります。
災害用伝言板(web171)の使い方を覚えて災害に備えよう
災害用伝言板はインターネットにアクセスし、電話番号をキーにして伝言を登録・確認できるため、災害時の安否確認に役立ちます。災害用伝言板・伝言ダイヤルには、共通の体験利用期間があるため、実際に操作して利用手順を身につけておきましょう。
また、家族でキーとなる電話番号や録音するメッセージ、避難場所の優先順位などの3つのルールを話し合うことも大切です。ぜひこの記事で紹介したポイントを参考にして、災害に備えておきましょう。

