「震度とマグニチュードは何が違う?」
「震度7の地震が起きたらどのような状況になる?」
震度7の地震は非常に強い揺れを伴い、人や建物などに大きな影響を与える可能性があります。自分や大切な人の命を守るためにも、どのような被害が予想されるのかを理解することが大切です。
そこで本記事では、震度7の地震の大きさや被害予想について詳しく解説します。また、震度とマグニチュードの違いやすぐにできる対策も紹介します。震度7の地震について詳しく知りたい方はぜひ最後までお読みください。

- 震度とマグニチュード
- 震度とは
- マグニチュードとは
- 震度7の地震はどれくらいの被害になる?
- 震度7の地震発生時の様子(再現)
- ライフラインへの影響
- 建物への影響
- 過去に起きた震度7の地震の事例3選
- 1:能登半島地震|令和6年
- 2:熊本地震|平成28年
- 3:東日本大震災|平成23年
- 震度7の地震に備えた5つの対策
- 1:安全なスペースを確保する
- 2:家具を固定する
- 3:防災グッズを準備する
- 4. 周囲の状況を確認する
- 5. 地震が発生した際の連絡手段・避難場所を確認する
- 「震度7はどれくらい」に関するよくある質問
- 震度6強と震度7の違いはどのくらい?
- 震度7の地震が来たらマンションはどうなる?
- 震度7以上がない理由は?
- 震度7の地震に備えて命を守る準備を始めよう!
震度とマグニチュード

震度とマグニチュードは、どちらも地震の規模や揺れの大きさに関連する指標ですが、意味が異なります。ここでは、震度とマグニチュードの違いを詳しく説明します。
震度とは
震度は地震の揺れの強さを示す数値です。同じ地震でも、震源地からの距離や地盤の状態によって揺れの大きさは異なります。震度は、それぞれの地点で実際に感じる揺れの強さを示します。震度は震度0~震度7の10段階があり、それぞれの揺れの強さは以下の通りです。
マグニチュードとは
マグニチュードとは、地震そのものの大きさを数値で表したものです。世界共通の定義で、マグニチュードが1大きくなると地震のエネルギーは約32倍、2大きくなると約1,000倍大きくなります。地震の大きさとマグニチュードの関係を以下の表にまとめました。
マグニチュード | 地震の大きさ |
---|---|
8クラス | 巨大地震 |
7以上 | 大地震 |
5~7 | 中地震 |
3~5 | 小地震 |
1~3 | 微小地震 |
1以下 | 極微小地震 |
震度はその地点での揺れの大きさを示す数値で、マグニチュードは地震そのものの大きさを示す数値です。それぞれの違いを覚えておきましょう。
震度7の地震はどれくらいの被害になる?

震度7の地震が発生した場合、自分の身を守るためにもどれくらいの影響があるのかを知っておくことが大切です。ここでは、震度7の揺れの大きさやライフライン・建物への影響について解説します。
震度7の地震発生時の様子(再現)
世界最大規模の震動実験施設のEディフェンスで、震度7の地震が発生した際の再現実験がおこなわれました。まずは以下の動画をご覧ください。
▼動画のリンク
https://youtu.be/C8PIS4wXIgU?si=K9UPjq4hUqTVAT0y
震度7の地震が発生すると、家の中では本棚が倒れ、食器や家電が落下する可能性があります。また、同じ震度7の地震でも、低層階と高層階では被害の大きさが異なります。特に高層階では揺れが強く、被害も大きくなるため事前の対策が重要です。
ライフラインへの影響
震度7の地震は、電気・ガス・水道などのライフラインへも影響を与えます。平成23年の東日本大震災では、東北電力管内のほぼ全戸で停電が発生し、完全復旧までには約3カ月を要しました。
震度5弱以上の揺れが発生するとライフラインが止まることがあり、日常生活に大きな支障をきたします。こうした事態に備えて、備蓄水非常食、ガスコンロの準備をすることが大切です。
建物への影響
建物は建築年月日や木造・鉄筋コンクリート、地盤の状態などによって被害の大きさは異なります。1981年6月以降は新耐震基準が適用され、震度7程度の地震でも建物が倒壊しにくい構造であることが義務づけられています。
震度7の地震が発生すると、建物の多くがひび割れや亀裂、傾きなどの被害が出る可能性が高いです。まずは、自分が住む建物の築年数や耐震性を確認しましょう。
過去に起きた震度7の地震の事例3選
次に、日本で過去に起きた震度7の地震の事例を3つ紹介します。マグニチュードや被害状況、地震の特徴などをわかりやすく説明します。震度7の地震がどれくらいの大きさなのかを知りたい方はぜひ参考にしてください。
1:能登半島地震|令和6年
石川県の能登地方を震源とする能登半島地震のマグニチュードは、7.6です。令和6年1月1日に震度7の地震を観測し、その後も震度5弱以上の地震が複数回発生しています。
石川県の輪島市や珠洲市を中心に被害が大きく、輪島市の観光名所である朝市通りでは約5万平方メートルが焼失しました。停電や断水も発生しており、ライフラインへも大きな被害をもたらしたのが特徴です。
地震発生日 | 令和6年1月1日 |
マグニチュード | 7.6 |
津波 | 80cm |
人的被害 | 死者:241名 負傷者:1,299名 |
物的被害 | 住家全壊 8,789棟 住家半壊 18,813棟 住家一部破損 83,154棟など 【令和6年3月22日現在】 |
2:熊本地震|平成28年
平成28年の熊本地震では、観測史上はじめて同一地域で震度7の地震が28時間以内に2度発生しました。その後も震度1以上の地震が4,400回以上発生し、熊本市や上益城地域、阿蘇地域を中心に大きな被害をもたらしました。
国道や幹線道路の寸断、断水やガスの供給停止など、ライフラインにも影響があり、県内の被害額は約3.8兆円に上ります。
地震発生日 | 平成28年4月14日 |
マグニチュード | 前震:6.5 本震:7.3 |
津波 | なし |
人的被害 | 死者:273名 負傷者:2,809名 |
物的被害 | 住家全壊 8,667棟 住家半壊 34,719棟 住家一部破損 163,500棟など 【平成31年4月12日現在】 |
3:東日本大震災|平成23年
平成23年に発生した東日本大震災は、戦後最大の自然被害をもたらした巨大地震です。マグニチュードは日本の観測史上最大の9.0で、マグニチュード7.0以上の余震も6回発生しています。
また、東日本大震災では岩手県や宮城県を中心に津波が発生し、多くの人が命を落としました。今もなお、2,500名以上の行方不明者が残されたままとなっています。
地震発生日 | 平成23年3月11日 |
マグニチュード | 9.0 |
津波 | 9.3m以上 |
人的被害 | 死者:19,729名 行方不明者:2,559名 負傷者:6,233名 |
物的被害 | 住家全壊 121,996棟 住家半壊 282,941棟 住家一部破損 748,461棟など 【令和2年3月1日現在】 |
震度7の地震に備えた5つの対策

地震対策をしておくと、何もしていない場合と比べて被害を抑えられる可能性があります。ここでは、震度7の地震に備えて5つの対策を紹介します。
災害はいつ起こるかわからないため、地震発生時に落ち着いて行動できるように対策しましょう。
1:安全なスペースを確保する
強い揺れが発生した際は、部屋にあるものが倒れたり落下したりしてけがをする可能性があります。そのため、室内にものを置かない安全なスペースを確保しましょう。揺れている間は頭部を保護し、丈夫な机の下など安全な場所に避難します。
また、自宅からの脱出経路も把握することが大切です。玄関までの通路にものが散乱すると逃げ遅れることもあるため、できる限りものを置かないようにしましょう。
2:家具を固定する
地震で家具が転倒・落下すると、けがをしたり火災が発生したりする原因につながります。そのため、家にある家具はL字金具でねじ止めをしましょう。ねじ止めが難しい家具の場合は、ツッパリ棒や粘着マットなどで固定する方法もあります。
また、キャスター付き家具は移動するとき以外はロックします。テーブルや椅子も粘着マットで滑らないようにしましょう。
3:防災グッズを準備する
大地震に備えて防災グッズを準備することも大切です。地震後の生活を支えるものとして、1人3日分程度の飲料水と食料品が必要です。
また、避難が必要な場合に備えてリュックサックに非常持出品を用意しましょう。飲料水と食料品以外に必要なものは以下の通りです。
- 災害用トイレ
- 懐中電灯
- ラジオ
- 充電器
- 歯ブラシ
- メガネ・コンタクトレンズ
- アイマスク・耳栓
- ゴミ袋
- 現金
上記以外にも、冬なら防寒具やカイロなど、女性は生理用ナプキンや化粧水などが必要です。防災グッズは玄関やリビングなど、いつでも持ち出せる場所に置いておきましょう。
4. 周囲の状況を確認する
普段通る道に危険な場所やものがないかを前もって確認しましょう。地盤の弱い場所や地震で地盤が緩んだ場所では土砂災害に警戒が必要です。また、海に近い地域では津波が押し寄せる可能性もあります。
土砂災害や洪水、津波などのリスクはハザードマップで確認できます。自分の住んでいる地域がどれくらいのリスクがあるのかを把握しておきましょう。
▼ハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp
5. 地震が発生した際の連絡手段・避難場所を確認する
地震は突然発生するため、場合によっては家族や友人と離れ離れになることもあります。そのため、地震が発生したときの連絡手段や避難場所を家族間で決めておくことが重要です。
連絡手段は、通話アプリ・SNSや災害時のみ使用できる災害用伝言ダイヤルの利用がおすすめです。避難場所は学校や公園、広場など、各地域で避難所が設けられているため、事前に把握して速やかに避難しましょう。
「震度7はどれくらい」に関するよくある質問
最後に、「震度7はどれくらい」に関するよくある質問に回答します。地震の大きさやほかの震度との違いを知りたい方は、ぜひチェックしてください。
震度6強と震度7の違いはどのくらい?
震度6強と震度7はどちらも歩くことができず、はわないと動けないほどの激しい揺れです。揺れがどれくらい続くかによっても異なりますが、建物が損壊する比率は震度7のほうが数倍高くなると予想されます。
震度6の場合、傾いたり倒れたりする建物は耐震性の低い木造の建物が中心です。一方で、震度7になると鉄筋コンクリートの建物でも、耐震性が低ければ倒壊する可能性があります。
震度7の地震が来たらマンションはどうなる?
震度7の地震が発生した場合、建築年月日やマンションの形状、地盤の状態によってリスクが異なります。耐震基準は1981年6月1日から新基準になっており、基準の違いは以下の通りです。
新耐震基準(1981年6月1日から) | 震度7程度の大地震で損壊・崩壊しないように設定 |
旧耐震基準(1981年5月31日まで) | 震度5程度の大地震で損壊・崩壊しないように設定 |
つまり、旧耐震基準で建築された建物は、震度5以上の地震によって崩壊するリスクが高いといえます。新耐震基準の建物であっても、マンションやビルなどの上層階では揺れが激しく、被害が大きくなる可能性もあるため油断は禁物です。
震度7以上がない理由は?
どんなに強い揺れを観測したとしても、震度7と発表されます。震度は計測震度計で観測された値によって決まりますが、震度7の地震は最大級の被害をもたらすものと認識されており、防災対策も最大限の措置がとられているのです。
そのため、震度7以上の震度を出しても意味がないことから震度7以上は設定されていません。
震度7の地震に備えて命を守る準備を始めよう!
本記事では、震度7の地震の大きさや被害予想について解説しました。震度7の地震が発生すると人は身動きがとれなくなり、建物やライフラインにも大きな影響を与えることが予想されます。
今からできる対策としては、家の中にある家具類の固定や防災グッズの準備などです。また、避難経路の確認をおこない、家族全員で避難時の行動を話し合って決めましょう。地震発生時は、冷静に行動することが命を守るカギになります。防災対策をし、地震に備えましょう。