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災害に備える

感震ブレーカーは後付けできる!賃貸OKのおすすめ品や選び方を解説

感震ブレーカーは、震度5強以上の揺れを感知すると自動で電気を遮断する装置です。既存の住宅にも問題なく後付けできます。分電盤やコンセントに後から設置できるタイプが販売されているため、適したものを選択することが大切です。

この記事は、感震ブレーカーの基礎知識から、ご家庭に合った製品の選び方、具体的な取り付け方法について解説します。また、賃貸住宅にもおすすめな工事不要タイプも紹介します。

この記事を読めば自宅に最適な感震ブレーカーが見つかり、安心して地震対策を進められるでしょう。「地震に備えるために設置したいけど、何を選べばよいか分からない」という方は、ぜひ最後までお読みください。

【あわせて読みたい】感震ブレーカーとは?設置する必要性や種類・注意点も詳しく解説

目次

感震ブレーカーは後付け可能

感震ブレーカーは、既存の住宅にも後付け可能です。新築時でなくても、分電盤やコンセントに後から設置できるタイプが数多く販売されています。

現在、感震ブレーカーの設置は法律で義務化されてはいません。しかし、政府は大規模地震における火災対策の有効な手段としてその必要性を重視し、普及を推進しています。

感震ブレーカーが必要な理由

感震ブレーカーが必要な理由は、大規模な地震の際に発生する「通電火災」のリスクを減らすためです。

通電火災とは、地震による停電から電気が復旧した際に発生する火災のことです。家具の転倒で電気コードが損傷したり、暖房器具の上に可燃物が落下したりした状態で電気が復旧すると、そこから出火する危険性があります。

過去の大規模地震でも、通電火災は深刻な被害をもたらしました。たとえば阪神・淡路大震災や東日本大震災では、原因が特定された建物火災の半数以上が電気に起因するものだったと報告されています。

住民が避難して不在のときに発生することも多く、発見や初期消火が遅れて被害が拡大しやすいのが通電火災の恐ろしい点です。このような二次災害を防ぐために、感震ブレーカーは有効な対策です。

【タイプ別】後付け感震ブレーカーの特徴・価格

感震ブレーカー 種類
項目分電盤タイプコンセントタイプ簡易タイプ
特徴分電盤に内蔵、または後付け特定のコンセントに設置既存ブレーカーに補助器具を取り付け
メリット・家全体の電気をまとめて遮断できる
・作動の信頼性が高い
・遮断までに猶予時間がある製品も
・工事不要の製品がある
・火災リスクの高い家電を対策できる
・安価で導入しやすい
・工事不要
・自分で設置可能
デメリット・費用が高い
・電気工事が必要
・設置していない場所は保護されない
・製品によっては即時遮断される
・製品によっては作動の信頼性にばらつきがある
・即時遮断される
価格相場約5〜8万円約5,000〜2万円約3,000〜2万円

後付けできる感震ブレーカーは、主に3つのタイプに分けられます。それぞれ特徴や価格が異なるため、自宅の状況やニーズに合わせて選ぶことがポイントです。

ここでは、各タイプの特徴とメリット・デメリット、価格の目安を見ていきましょう。

1. 分電盤タイプ

分電盤タイプは、家庭の電気をまとめて管理している分電盤に、揺れを感知して電気を遮断する機能を組み込むものです。製品によっては、既存の分電盤に後付けできます。

分電盤タイプの大きなメリットは、家全体の電気をまとめて遮断できることです。そのため、すべての家電からの出火リスクを広範囲で低減できます。ただし、医療機器や防犯、避難用照明を用いる場合は別途電源が必要です。

デメリットとして、ほかのタイプよりも導入費用が高いことが挙げられます。工事費込みで約5万円から8万円が目安で、設置には専門の電気工事が必要です。

2. コンセントタイプ

コンセントタイプは、特定のコンセントからの電気供給を遮断する製品です。

既存のコンセントに差し込むだけで使えるタイプは、工事不要で設置できます。電気ストーブなど、火災の原因になりやすい電熱器具を使っているコンセントに、ピンポイントで対策したい場合に適しています。

ただし、地震の揺れと同時に電気が遮断される製品は、夜間に停電すると避難の際の視界が確保できないかもしれません。

価格帯は、1カ所あたり約5,000円から2万円が目安です。

3. 簡易タイプ

簡易タイプは、分電盤の主幹ブレーカーレバーに補助的な器具を取り付けて使用します。地震の揺れを感知するとおもりが落下したり、バネが作動したりして物理的にブレーカーのレバーを落とす仕組みが一般的です。

簡易タイプのメリットは、電気工事が不要な点です。また、ほかのタイプに比べて安価に導入できます。

しかし、揺れと同時に家全体の電気が遮断される点はデメリットです。夜間に揺れると室内が真っ暗になるため、避難に支障をきたす恐れがあります。

価格は約3,000円から2万円程度で、ホームセンターなどでも購入できます。

感震ブレーカーの選び方

感震ブレーカー 選び方 フローチャート

どのタイプの感震ブレーカーが自分に合っているか迷うかもしれません。上記の質問に答えると、あなたに最適な選択肢を見つける手助けになります。

【タイプ別】感震ブレーカーの取り付け方

作業員

感震ブレーカーは、タイプによって取り付け方法が異なります。ここでは、それぞれのタイプの取り付け方について解説します。

分電盤タイプ|専門業者への依頼が必須

感震ブレーカーを分電盤に後付けする場合、原則として電気工事が必要です。これらの作業は、法律で定められた電気工事士の資格を持つ人しかできないからです。

安全かつ確実に取り付けるため、電気工事店や家電量販店などの専門業者に依頼しましょう。

コンセントタイプ|アース付きコンセントに差し込む

コンセントタイプの感震ブレーカーには、壁に埋め込むために電気工事が必要なタイプと、工事が不要なタイプがあります。

製品によっては、アース付きのコンセントに製品を差し込む必要があります。アース付きコンセントは、洗濯機やエアコン、冷蔵庫、電子レンジなどの周辺で利用可能です。

この手軽さから、賃貸住宅で導入を検討している方にもおすすめしやすいタイプです。

簡易タイプ|自分で取り付け可能

簡易タイプの感震ブレーカーは電気工事が不要で、自分で取り付けることが可能です。

取り付け方は製品によりますが、分電盤の主幹ブレーカーのレバー近くに、製品本体を両面テープやネジで固定します。

製品はホームセンターやオンラインストアなどで入手できます。

【工事不要】賃貸にもおすすめの後付け感震ブレーカー「震太郎」

後付け感震ブレーカーを探している方には、CDエナジーが提供する「震太郎」がおすすめです。「震太郎」には、主に以下の4つの魅力があります。

これらの魅力から、「震太郎」は賃貸住宅にお住まいの方や、手軽に地震対策を始めたい方に最適です。ここからは、それぞれの魅力について解説します。

魅力1. コンセントに差すだけで簡単に設置できる

「震太郎」は、工事不要のコンセントタイプです。アース付きのコンセントに本体を差し込むだけで設置が完了するため、専門的な知識や工具は一切必要ありません。

もしコンセントの口数が足りない場合でも、市販の電源タップを使えば対応可能です。

魅力2. 初期費用0円・月々330円のリースで始められる

「震太郎」は初期費用が不要で、月額330円という手頃なリース料金で利用できます。

CDエナジーで電気やガスの契約がある場合は、その料金と合算して支払えるため手続きも簡単です。契約がない場合でも口座振替で支払いが可能なので、気軽に始められます。

万が一故障した場合も、リースなので追加料金なしで新品に交換してもらえる点も安心です。

魅力3. 遮断機能で避難時間を確保できる

震度5強相当以上の地震を感知すると警報音が鳴り、3分後に主幹ブレーカーを自動で遮断します。この3分間があると、夜間でも避難経路の照明を確保できるため、地震で突然真っ暗になる事態を防げます。

このように、安全に外へ避難したり、身の安全を確保したりするための貴重な時間を与えてくれる、安全性を第一に考えた設計です。

魅力4. 大手企業が提供しているから信頼できる

大手企業が提供しているから信頼できる点も「震太郎」の魅力です。開発は、防災製品などを手がける大和電器株式会社がおこないました。提供するのは、中部電力ミライズと大阪ガスの合弁会社であるCDエナジーです。

さらに、消防防災分野の専門機関である日本消防設備安全センターの推奨マークも取得し、性能と信頼性は高く評価されています。大手エネルギー企業が提供するサービスという点も、長く安心して使い続けられるポイントです。

感震ブレーカーの後付けについてよくある質問

携帯を見る女性

感震ブレーカーの後付けを検討する中で、設置の義務化や補助金について気になる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、感震ブレーカーに関するよくある質問に答えます。

感震ブレーカーの設置は義務化されている?

2025年6月現在、感震ブレーカーの設置は法律で義務付けられてはいません。しかし、政府は首都直下地震などの大規模地震対策の一環として、電気火災を防ぐ有効な手段として普及を強く推奨しています。

感震ブレーカーの普及率は?

内閣府や消防庁の調査によると、感震ブレーカーの普及はまだ十分に進んでいないのが現状です。2022年の調査では、感震ブレーカーの世帯設置率は全国で5.2%に留まっています。

出典:感震ブレーカーに関するこれまでの取組状況と課題|総務省消防庁

政府は火災の危険性が高い木造住宅密集市街地などを対象に、集中的な普及促進の取り組みを進めています。

感震ブレーカー設置の補助金はある?

地域によっては、感震ブレーカーの設置費用に対する補助金制度が設けられています。

補助の対象となるブレーカーの種類、補助額、申請条件などは自治体によって異なります。設置を検討する際は、市区町村のウェブサイトで防災関連のページを確認しましょう。

感震ブレーカーを後付けして通電火災に備えよう

感震ブレーカーは後付けできるタイプも多く、賃貸住宅に住んでいる方でも手軽に導入できます。中でもおすすめなのが、工事不要で設置できるコンセントタイプです。アース付きコンセントに取り付けるだけで、簡単に設置できます。

大地震はいつどこで発生するかわかりません。そして、地震の揺れそのものだけでなく、その後に発生する「通電火災」という二次災害から命と財産を守る備えが不可欠です。

この記事を参考に、住まいやライフスタイルに合った感震ブレーカーを見つけ、今日からできる地震対策を始めてみませんか。