震源の深さ アイキャッチ

災害に備える

震源の深さとは?震度や津波への影響もわかりやすく解説

「震源の深さと震度はどんな関係がある?」
「震源が深いとどうなるの?」
「震源の深さの平均は?」


震源の深さについて、このような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。震源の深さとは、震源とその真上にある地表の距離のことで、どのような地震が起こったのかを伝える重要な指標です。

この記事では、震源の深さに関する基礎知識をお伝えします。ほかにも、震度や津波との関係についても触れていきます。

この記事を読めば、地震への理解が深まるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

目次

震源の深さに関する基礎知識

津波の脅威

はじめに、震源の深さの定義や重要性、平均などの基礎知識について解説します。

震源の深さとは

震源の深さとは、地震が発生した地中の点「震源」から地表までの垂直距離のことです。

地震は地下で岩石が破壊されることにより発生し、その最初の破壊地点を震源と呼びます。そして、震源の真上に位置する地表の点を「震央」と呼びます。

震源の深さを伝える重要性

速報やニュースで震源の深さを伝えるのには、地震の規模や影響を大まかであっても即座に伝える意図があります。

震源が浅いと揺れが強くなる可能性が高く、近隣の地域で被害が拡大する恐れがあります。一方で、震源が海底や海の近くであれば津波の発生リスクが高いです。

また、震源の位置や深さから、地震が自分や知人に影響を及ぼす可能性を判断できます。このように、震源の深さは地震の特徴をわかりやすく伝えるための重要な手がかりです。

震源の深さの平均

震源は、10~50km程度の深さになることが多いです。一般的に、特に活発な地震活動が観測されることが多く、地域ごとに「よく地震が起こる深さ」の傾向がわかります。

また、深さによって以下のような分類があります。

深さ分類
70kmより浅い浅発地震
70~300kmやや深発地震
300kmより深い深発地震

深さの違いが地震の性質を大きく変えるわけではありませんが、防災対策や地震の予測に役立ちます。

震源の深さと震度の関係

震源の深さは、地震の揺れの強さを表す「震度」に大きく影響します。

一般的に、震度は震源が浅いほど大きくなる傾向があります。浅い震源では地表に伝わるエネルギーが強くなり、周辺地域での揺れが激しくなるためです。

一方で、震源が深いと地表までエネルギーが到達する過程で減衰するため、震度が小さくなることがあります。しかし、震源が深い地震では広範囲にわたって揺れが感じられることが特徴です。

震源の深さと津波の関係

震源の深さは、津波の発生やその規模に大きく関係しています。

特に震源が浅い地震で、マグニチュード7以上の規模の場合、津波が発生する可能性が高まります。震源が浅いと地震のエネルギーが海底に直接伝わり、水を大きく動かして津波を引き起こすためです。

津波は沖合では速く進みますが、海岸に近づくにつれてスピードが落ちます。とはいえ、人が走って逃げきれるほど遅くなるわけではありません。

また、津波は海岸に近くなると、その分高さが増します。津波は第1波が最も高いとは限らず、第2波や第3波が最大となることもあります。そのため、海岸で強い揺れを感じた場合はすぐに高台へ避難し、津波警報が解除されるまで海岸近くに戻らないことが重要です。

震源の深さに関するよくある質問

よくある質問のイメージ

よくある質問は、以下の通りです。

ここからは、それぞれの質問に回答していきます。

震源の深さが浅いとどうなる?

震源が浅い場合、地表や建物への揺れが強くなり、被害が拡大する傾向があります。これは、地震エネルギーが地表に直接伝わりやすいためです。

特に震源が海底やその近くであれば、津波が発生するリスクも高まります。たとえば能登半島地震(震源深さ16km、マグニチュード7.6)では、震源の浅さと規模の大きさが相まって激しい揺れが広範囲に及びました。

ただし被害の大きさには、震源の深さ以外にも地震の規模、地質条件、建物の耐震性などが関係します。そのため、震源が浅いと必ず被害が大きくなるわけではありません。

震源が浅い地震の際は揺れの強さや津波のリスクを早急に把握し、適切に避難することが重要です。

東日本大震災の震源の深さは?

2011年3月11日に発生した東日本大震災は日本国内観測史上最大規模の地震で、震源の深さは約24kmと推定されています。震源は宮城県牡鹿半島の東南東130km付近、三陸沖で、地震の規模を示すマグニチュードは9.0でした。

この震源の深さと規模により、宮城県北部では最大震度7が観測され、津波が太平洋沿岸を中心に広範囲で発生しました。震源が浅いことが地震エネルギーを地表に効率的に伝えるため、甚大な被害を引き起こす要因となりました。

震源の深さの「ごく浅い」の意味は?

震源の深さが「ごく浅い」と表現される場合、一般的に深さが10km未満の非常に浅い地点で地震が発生したことを指します。震源が浅いと地震エネルギーが地表に近い場所で放出されるため、地震の揺れが直接的に地表に伝わりやすくなり、被害が拡大する可能性が高いです。

特に震源地に近い地域では強い揺れを感じることが多く、地形や建物の構造により影響が大きくなる場合もあります。気象庁は地震発生時にこの表現を用いて、被害拡大のリスクを早期に伝えています。

震源の深さを知れば地震の大きさを把握できる

地震の震源の深さは、その地震の影響を理解する上で重要な指標です。震源が浅いほど、地面への揺れが強く感じやすく、被害が拡大する可能性が高くなります。一方で、震源が深いと揺れが広範囲に伝わりにくく、震度が小さくなることがあります。

また、震源の深さは津波の発生にも関係しており、浅い震源でマグニチュードが大きいと津波のリスクも高いです。震源の深さを知ることで、地震の規模や影響を予測しやすいため、適切な対応を取るための参考になります。

今後地震のニュースや地震警報を目にした際は、震源の深さにも注目してみましょう。