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マグニチュード7の地震はどれくらい大きい?震度との関係や対策方法も解説

「M7の地震はどれくらい大きいの?」
「M7を震度で換算するとどれくらい?」
「震度との違いは?」


マグニチュードについて、このような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。M5〜7未満の地震は中地震、M7〜8未満の地震は大地震です。

この記事では、M7の地震について解説します。ほかにも、過去の地震やM7の地震に対する備えについて解説します。

この記事を読むことでM7の地震の大きさがわかり、必要な備えを始められるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

目次

マグニチュードの基礎知識

道路の地震被害

M7の地震の大きさについて紹介する前に、マグニチュードの基礎知識について解説します。知っている方は次の章「マグニチュード7の地震はどれくらい大きい?」に進んでください。

マグニチュードとは

マグニチュードとは、地震の規模を示す単位で、地震のエネルギーの大きさを表すものです。

震源地からの距離が同じでも、マグニチュードが大きいほど震度は大きくなります。また、同じマグニチュードの地震でも、震源地に近いほど揺れは強く感じられます。

マグニチュードと地震エネルギーの関係

マグニチュードが1増えるごとに、地震のエネルギーは約32倍になります。

たとえばM8の地震のエネルギーは、M7の約32倍です。大きなマグニチュードの地震は非常に強力で破壊的なエネルギーを持っているのです。

この関係により、マグニチュードが大きくなるほど、地震による被害も大きくなる傾向があります。

マグニチュードと震度の違い

マグニチュードとは地震の規模、つまりそのエネルギーの大きさを表す単位です。一方、震度はその地震がどれくらい揺れたかを示す指標で、場所によって異なります。

また、マグニチュードは同じ地震に対して1つの数字しかありません。しかし、震度は条件によって複数存在します。たとえば同じマグニチュードの地震でも、震源から遠く離れた場所では震度が小さくなることがあります。

詳細を知りたい方は、以下の関連記事もあわせてお読みください。

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マグニチュード7の地震はどれくらい大きい?

家屋の倒壊

M7の地震について、3つの観点から解説します。

マグニチュード7の地震の分類

以下のように、M5~7未満の地震は中地震、M7~8未満の地震は大地震に分類されています。

マグニチュード地震の大きさ
1以下極微小地震
1~3極小地震
3~5小地震
5~7中地震
7以上大地震
8クラス巨大地震
出典:マグニチュードと震度の違いは?|四国地方整備局

歴史的な例では、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、M7.3を観測しました。これはM7以上であるため、大地震に分類されます。

また、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、M9.0を観測しました。この地震はマグニチュード8クラスに値するため、巨大地震に分類されます。

マグニチュード7の地震エネルギーの大きさ

地震の規模を示すマグニチュードは、数値が1増えるごとにエネルギーが約32倍になります。

たとえばM7の地震のエネルギーは、M6の地震の約32倍です。これは非常に大きな違いであり、同じエリアで発生した場合の被害の深刻さに直結します。

具体的な例で比較すると、東日本大震災(M9.0)のエネルギーは阪神淡路大震災(M7.3)の約1,000倍にも達すると考えられます。

このように、マグニチュードの数値が1つ違うだけでもエネルギーが大きく異なるのが特徴です。

マグニチュード7と津波の関係

震源が浅く、M7を超える地震では、津波が発生する可能性が高まります。地震で海底が上下に揺れると、その動きが海面に伝わって津波となるためです。

津波は地震の後、震源に近い沿岸地域に到達します。津波の速度は水深によって変化し、沖合では高速ですが、浅い場所に近づくにつれて遅くなり、その分波の高さが増します。そのため、津波警報が出される前に、最初の波が沿岸に届いてしまうこともあるのです。

また、津波は繰り返し押し寄せ、最初の波が最も高いとは限りません。過去の事例からも、第二波や第三波が最大になる場合が多いことが知られています。

強い揺れを感じた場合、津波警報が発表される前でも直ちに高台へ避難することが重要です。また、警報が解除されるまで海岸付近には近づかないようにしましょう。

過去におきたマグニチュード7以上の地震

過去におきたM7以上の地震について解説します。

日本で発生したマグニチュード7以上の地震は?

日本で発生した事例は、以下の通りです。

阪神・淡路大震災東日本大震災令和6年能登半島地震
発生日1995年1月17日2011年3月11日2024年1月1日
震源地淡路島北部三陸沖石川県能登地方
マグニチュード7.39.07.6
震源の深さ約14km約24km約16km
主な被害内容死者:約6,400人
行方不明者:3人
総被害額:約10兆円(1)
死者:約20,000人
行方不明者:約2,600人
被害総額:約16兆9千億円(2)
死者:260人
行方不明者:3人
被害額:約1兆1千億~2兆6千億円(3)(4)
出典1:阪神・淡路大震災の概要と被害状況|内閣府防災情報
出典2:令和4年版地方財政白書|総務省
出典3:令和6年度版情報通信白書|総務省
出典4:月例経済報告等に関する関係閣僚会議議事要旨(令和6年1月)|内閣府

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、M7.3を観測しました。死者数は約6,400人にも上り、住宅や建物、道路、高速道路、ライフライン(電気、水道、ガスなど)など、あらゆるインフラに深刻な影響を与えました。これにより、経済的損失は膨大な規模となり、被害総額は約10兆円に達しています。

2011年3月11日に起こった東日本大震災は、国内観測史上最大となるM9.0を記録しました。三陸沖の宮城県牡鹿半島付近の海底が震源地だったため、大きな津波が発生し、甚大な被害をもたらしました。死者数は約20,000人にも上り、阪神・淡路大震災の約3倍です。

2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、M7.6が観測されています。

発生した時間や場所によって被害の規模が異なるものの、マグニチュード7以上の地震が重大な災害であることがわかります。

世界で発生したマグニチュード7以上の地震は?

世界で発生したマグニチュード7以上の地震は、規模が大きく、広範囲にわたって深刻な被害を引き起こしています。

インドネシア・スマトラ島沖大地震(1)四川大地震(2)ネパール地震(3)
発生日2004年12月26日2008年5月12日2015年4月25日
震源地インドネシア・スマトラ島沖中国四川省ネパール中西部
マグニチュード9.07.97.8
主な被害内容死者・行方不明者:30万人以上
広範囲に津波被害
死者:69,000人以上
行方不明者:約1,7000人以上
死者:9,000人以上
出典1:平成17年版 防災白書|内閣府防災情報
出典2:平成21年版 防災白書|内閣府防災情報
出典3:報道に見るゴルカ地震からの復興状況について(ネパール)|法務省

代表的なものに、2004年にM9.0を観測したインドネシア・スマトラ島沖地震があります。この地震は津波も発生し、タイやインドなどの周辺諸国をはじめアフリカ大陸にまで達し、甚大な被害をもたらしました。

さらに、2015年にネパールで発生したM7.8の地震も、多くの命と建物を奪い、復旧には多くの時間と支援が必要でした。

また、2008年に発生した中国・四川省の地震ではM7.9を観測しています。

このように、M7以上の地震は日本だけでなく、世界でも発生しています。

マグニチュード7の地震に備えた5つの対策

災害の避難セット

M7の地震への備えとして、以下5つの対策が有効です。

  1. 家具を固定する
  2. 周囲の状況を確認する
  3. 非常時に持ち出すものを準備する
  4. 地震が発生した際の連絡手段・避難場所を確認する
  5. 安全スペースを確保する

ここからは、それぞれの対策について解説します。

1. 家具を固定する

地震に備えて家具を固定することは重要な対策です。

転倒や落下を防ぐために、サイドボードや本棚、食器棚などを壁に固定しましょう。転倒防止金具やL型金具を使用し、重心が低くなるように収納します。

また、ガラス製品や食器棚の中身が飛び出さないように、飛散防止フィルムや防止枠を活用すると効果的です。これらの対策をおこなうことで、地震時の事故を減らせます。

2. 周囲の状況を確認する

地震に備えて、日頃から周囲の状況を確認しておく必要があります。

普段通る道や避難経路が危険でないか、周囲に倒れやすい建物や物がないかを把握しましょう。また、地盤が弱い場所や液状化現象が起こりやすいエリアについても確認しておき、万が一の場合に備えてほかの避難経路を考えておくことが大切です。

事前にこれらを確認しておくことで、迅速かつ安全に対応できます。

3. 非常時に持ち出すものを準備する

非常時に備えて、持ち出し用の非常用品を準備しておきましょう。避難時に必要な以下のようなものを、リュックサックなどにまとめます。

  • 飲料水
  • 携帯ラジオ
  • 食料
  • 衣類
  • 懐中電灯
  • 救急セット

このほか、季節に合わせた防寒具や雨具も準備し、停電に備えて懐中電灯やローソク、ガス停止に備えて簡易ガスコンロなども備えておくと安心です。また、現金や通帳などの貴重品もすぐ持ち出せるよう、日頃から置き場所を決めておきましょう。

これらの準備をしておくことで、地震後の不安な時期を少しでも安心して過ごせるでしょう。

4. 地震が発生した際の連絡手段・避難場所を確認する

地震の発生を想定して、家族間での連絡手段や避難場所について確認しておきましょう。

災害時には通信回線が混雑するため、連絡を取り合うのが難しくなることがあります。事前に安否確認の方法や集合場所を決め、もし外出中に家族が帰宅困難になった場合にも対応できるようにしておきましょう。通信各社が無料で提供している災害用伝言版などのサービスも活用してください。

また、家族で避難経路を確認し、万が一台風などのほかの災害と重なった場合の対策も考慮しておくことが大切です。

5. 安全スペースを確保する

地震発生時には、まず安全な場所に避難することが重要です。

屋内では、頭部を保護できる丈夫な机の下などが安全スペースとなります。慌てて外に飛び出さないようにし、無理に火を消そうとするのも避けましょう。

屋外では、ブロック塀や倒壊の危険がある建物、看板やガラスの破片に注意が必要です。エレベーターに乗っている場合は、最寄りの階で停止し、すぐに降りることを心がけましょう。

鉄道やバスに乗っている際は、つり革や手すりにしっかりつかまり、揺れに備えます。

マグニチュードに関するよくある質問

マグニチュードに関するよくある質問は、以下の通りです。

  1. M7を震度に換算すると?
  2. M8を観測した過去の地震は?
  3. M7の地震はどれくらいの頻度で起こる?

ここからは、それぞれの質問に回答します。

1. マグニチュード7を震度に換算すると?

M7の地震を震度に換算することはできません。マグニチュードと震度は直接的な関係があるわけではなく、比例しないからです。

2. マグニチュード8を観測した過去の地震は?

M8を観測した過去の地震として、以下の事例が挙げられます。

北海道東方沖地震十勝沖地震
発生日1994年10月4日2003年9月26日
マグニチュード8.18.0
震源の深さ約37km約45km

1994年の北海道東方沖地震では、M8.1が観測されました。釧路や厚岸で震度6を記録し、津波が北海道から本州の太平洋側に沿って観測されました。

2003年の十勝沖地震では、M8.0が記録されています。最大震度6弱が北海道で観測され、大きな津波が東北地方の太平洋沿岸に襲来しました。

3. マグニチュード7の地震はどれくらいの頻度で起こる?

マグニチュード7以上の地震の頻度は、日本付近ではおおよそ1年に1回です。

しかし、この頻度は地震の規模や地域によって異なります。たとえば群発地震(同じ場所で短期間に続けて起こる複数の地震)や大地震が発生した年には、その回数が増加することもあります。

マグニチュードが1つ小さくなると、発生する回数は約10倍に増えるため、M7以上の地震は比較的珍しい現象です。

4. 東日本大震災のマグニチュードはいくつ?

2011年3月11日に発生した東日本大震災のマグニチュードは9.0でした。この規模は、日本国内観測史上最大であり、1900年以降の世界でも4番目に大きな地震でした。

震度に関するよくある質問

よくある質問のイメージ

震度に関するよくある質問は、以下の通りです。

  1. 震度7はどれくらい揺れる?
  2. 震度7の地震が来たらマンションはどうなる?
  3. 震度7以上がない理由は?

ここからは、それぞれの質問に回答します。

1. 震度7はどれくらい揺れる?

震度6以上になると、人は立っていることが難しくなります。震度7の揺れでは飛ばされることもあるため非常に危険です。

また、震度7の揺れは、建物にも大きな被害をもたらします。

耐震性が低い木造建物では、揺れによって傾いたり、内部の家具が倒れたりします。耐震性が低い鉄筋コンクリートの建物でも、倒れることがあります。

耐震性が高い木造建物は、まれに傾くことがあるものの、倒壊のリスクは大幅に低減されています。

2. 震度7の地震が来たらマンションはどうなる?

新耐震基準では、震度6強~7の強い地震でも倒壊しないことが求められています。そのため、これに基づいて建てられたマンションは震度7の地震でも安全性が確保される設計となっています。

実際に1995年の阪神・淡路大震災では、新耐震基準で建てられた建物の多くが軽微な損傷で済みました。しかし、強い揺れによって内部のものが倒れたり、家具が動いたりする可能性はあり、避難の際には注意が必要です。

3. 震度7以上がない理由は?

震度7以上がない理由は、震度7がすでに壊滅的な被害をもたらすからです。そのため、それ以上の震度を区分しても防災上の意味は薄いのです。

気象庁の震度階級では震度7が最も強い揺れで、最大級の防災措置が取られます。そのため、震度8や震度10という区分は存在しておらず、震度7が最高となっています。

マグニチュード7がどれくらいか理解して備えておこう

M7の地震は非常に強い揺れを引き起こし、大きな被害をもたらします。建物やインフラに大きな損害を与えることがあり、震源地によっては津波を引き起こすこともあります。

新耐震基準を満たした建物は震度6強~7の強い地震でも倒壊しないように設計されていますが、そうでない場合、倒壊の危険があります。そのため、日頃から万が一の場合に備えて準備することが大切です。

地震の発生頻度や影響を理解し、各家庭で適切な準備を進めることが大きな被害を防ぐ鍵となります。