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マグニチュード1上がるとエネルギーは何倍になる?計算もあわせて解説

「M6とM7の地震はどれくらい違うの?」
「マグニチュードが1つ上がるとエネルギーが約32倍になるのはなぜ?」
「震度との関係は?」


このような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。マグニチュードが1つ上がると地震エネルギーは約32倍になり、震度と比例することはありません。

この記事では、マグニチュードが1上がるとエネルギーは何倍になるかについて解説します。ほかにも、基礎知識について解説していきます。

この記事を読むことで、気になる疑問を解消できるでしょう。ぜひ参考にしてください。

目次

マグニチュードの基礎知識

地震の爪痕

はじめに基礎知識について解説します。すでに知っている方は、次の章「マグニチュード1上がるとどうなるの?」まで進んでください。

マグニチュードとは

マグニチュードとは、地震の規模を示す単位のことです。地震によって放出されるエネルギーの大きさを表します。数値が大きいほど地震のエネルギーは強く、影響範囲も広いのが特徴です。

震源地からの距離が同じであれば、マグニチュードが大きいほど、地震の揺れが強く感じられます。また、同じ数値でも震源に近いほど揺れが強くなります。

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マグニチュードと震度の違い

マグニチュードとは地震の規模を示す単位のことで、地震エネルギーの大きさを示しています。これは地震全体のエネルギー量を表し、1つの地震に対して1つの数字が観測されます。

一方、震度は地震がどれくらいの強さで揺れるかを示す単位です。場所によって異なるため、同じマグニチュードの地震でも震源からの距離や地形などによって震度は複数存在します。

詳細を知りたい方は、以下の関連記事もあわせてお読みください。

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マグニチュード1上がるとどうなるの?

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ここからは、マグニチュードが1つ上がるとどうなるかについて解説します。

地震エネルギーは32倍

マグニチュードが1上がると、その地震が放出するエネルギーは約32倍になります。これはマグニチュードが、地震のエネルギーを対数で表しているためです。

具体的には、マグニチュードの基準はエネルギーの1,000の平方根(およそ31.6倍)を基にしており、1増加するごとに約32倍に相当します。

たとえばM6の地震と比べて、M7の地震のエネルギーは約32倍です。そのため、破壊力や影響範囲も飛躍的に増大します。

このように、マグニチュードは地震の規模を直感的に理解しやすくするための重要な指標です。

マグニチュードからエネルギーを求める計算式

マグニチュードが1上がると、地震のエネルギーは約32倍になります。この関係を示した計算式が、以下の通りです。

マグニチュードと地震エネルギーの関係式
log10E=4.8+1.5M

Eは地震のエネルギーを、Mはマグニチュードを表しています。こうした関係から、地震の規模が大きくなると破壊力が急激に増大すると考えられます。

たとえばM6.0とM7.0の地震を比較すると、エネルギーの差は約32倍。M6.0とM8.0の地震を比較すると、エネルギーの差は約1,000倍にも及びます。このエネルギーの急激な増加が、地震の規模や影響範囲の拡大につながるため、わずかな変化でも大きな違いを生むのです。

マグニチュードに関するよくある質問

よくある質問のイメージ

ここでは、よくある質問をピックアップしました。

気になる疑問があれば、ぜひ参考にしてみてください。

マグニチュードが1上がるとエネルギーが32倍になるのはなぜ?

マグニチュードが、地震のエネルギーを1,000の平方根(約31.6倍)を底とした対数で表されているためです。

対数とは、ある数を基準の数で何回かけ合わせるかを示すものです。言い換えると対数は指数の反対で、かけ算と割り算の関係に似ています。

マグニチュードの場合、数値が1上がるとエネルギーは約32倍になります。

マグニチュードが2上がるとエネルギーは何倍?

マグニチュードが2上がると、地震のエネルギーは約1,000倍になります。これは、マグニチュードが1上がるごとにエネルギーが約32倍となるためです。

計算式
32 × 32=1,024

この関係は地震エネルギーを対数で表す仕組みに基づいており、数値が2上がるとエネルギーが飛躍的に増大することを示しています。

マグニチュードが3上がるとエネルギーは何倍?

マグニチュードが3上がると、地震のエネルギーは約32,000倍になります。

計算式は、以下の通りです。

計算式
32 × 32 × 32=32,768

この関係は、マグニチュードが大きいほど地震の規模も大きく、甚大な被害をもたらすことを示しています。

マグニチュード7の地震はどれくらい大きい?

M5〜7の地震は中地震、M7〜8の地震は大地震に分類されています。

マグニチュード地震の大きさ
8クラス巨大地震
7以上大地震
5~7中地震
3~5小地震
1~3微小地震
1以下極微小地震
出典:マグニチュードと震度の違いは?|国土交通省四国地方整備局

マグニチュード最大を観測した日本の地震は?

日本で観測された最大の地震は、2011年3月11日に発生した東日本大震災です。この地震はM9.0でした。

東日本大震災
発生日 2011年3月11日
震源地 三陸沖
マグニチュード 9.0
震源の深さ 約24km
主な被害内容 死者:約20,000人行方不明者:約2,600人(※)
(※)出典:令和4年版地方財政白書|総務省

この地震の規模は世界でも4番目の大きさとされ、甚大な被害をもたらしました。

マグニチュードと震度の違いは?

マグニチュードと震度は、地震を表す異なる指標です。マグニチュードは地震の規模、つまり地震全体が放出したエネルギーの大きさを示します。一方、震度は特定の地点で感じる揺れの強さを表すもので、地域ごとに異なります。

たとえば同じマグニチュードの地震でも、震源から近い場所では震度が大きく、遠い場所では小さくなります。

また、マグニチュードは1つの地震に対して1つの数値しかありません。しかし、震度は複数の地点で測定されるため、1つの地震に対して異なる数値が存在します。

このように、マグニチュードは地震のエネルギー全体を、震度はその地域での揺れを示す指標として使い分けられます。

マグニチュード1上がるとエネルギーは32倍になる

マグニチュードが1上がると、地震のエネルギーは約32倍に増加します。この関係は、地震エネルギーを対数で表すマグニチュードの定義に基づくものです。

このため、わずか1の違いでもエネルギーに大きな差が生まれます。この仕組みを理解することで、地震規模の変化がどれほど重大な影響を及ぼすかをより深く知ることができます。

理解を深めたい方は、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。