災害に備える

災害時に電話がつながらない理由とは?安否確認の方法や準備すべきことも紹介

「災害時はなぜ電話がつながらないのか?」
「災害時はどのように連絡をとればいい?」


災害が発生すると、電話がつながらないことが多くあります。大切な方と連絡が取れない状況が続くと不安ですが、災害時でも冷静に行動することが大切です。そのためには、複数の連絡手段を確認しておく必要があります。

本記事では、災害時に電話がつながらない理由を詳しく解説します。また、安否確認の方法や災害前に準備しておくべきことも紹介します。災害時の連絡手段について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

目次

災害時に電話がつながらない理由とは?

公衆電話

災害時にスマートフォンや固定電話で通話を試みてもつながらないことがあります。ここでは、災害時に電話がつながらない3つの理由を紹介します。

通信回線の混雑

災害時に電話がつながりにくくなる原因の1つは、通信回線の混雑です。特に災害直後は、多くの人が家族や会社と連絡を取ろうとしてアクセスが急増します。

たとえば、東日本大震災の際は通常の約60倍の音声通話が集中し、通信制限が実施されました。大規模な災害時には警察や消防などの緊急通信が優先されるため、一般の回線には制限がかかることがあります。災害時は、電話以外の連絡手段も確保しておくことが大切です。

ケーブルの破損

ケーブルの破損も、災害時に電話がつながらなくなる原因の一つです。固定電話の場合、地中に埋められた通信ケーブルが地震や地盤変動で切断されると通信が途絶えます。一方で、携帯電話やスマートフォンは基地局同士が有線ケーブルで接続されており、これらが損傷すると影響が出ることがあります。

電線や電源ケーブルの損傷によって基地局の機能が停止すると、固定電話も携帯電話も通信に制限がかかることは避けられません。

基地局設備の故障

地震で基地局設備が故障すると、電話の通話やデータ通信ができなくなります。携帯電話やスマートフォンは基地局を中継して遠方へデータを届けていますが、災害で設備が破損すると、この機能が失われます。特に基地局が大規模に故障すると広範囲で通信障害が発生し、長期にわたって連絡が取れない可能性もあるため注意が必要です。

災害時に役立つ安否確認の方法

電話をする高齢者の女性

次に、災害時に役立つ安否確認の方法を3つ紹介します。具体的な方法は以下の通りです。

電話がつながりにくい場合に代わりとなる方法を紹介するので、災害時の連絡方法を詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。

災害用伝言ダイヤル(171)

災害時に電話がつながらない場合、災害用伝言ダイヤル(171)を活用すれば安否確認が可能です。災害用伝言ダイヤルは被災者が電話番号宛に伝言を音声で録音し、全国どこからでもその音声を再生できます。

録音時間は1件あたり30秒、1電話番号につき最大20件まで登録可能です。事前に家族全員で利用方法を共有しておくことで、スムーズな安否確認につながります。詳しい使用方法は、以下の動画から確認できます。

▼災害時伝言ダイヤル(171)の使用方法

災害用伝言版(web171)

災害時にインターネットが使える場合は、災害用伝言板(web171)が便利です。災害用伝言版は文字で伝言を登録することで、メッセージを全国どこからでも確認できる機能です。

利用者は「無事です」「被害があります」などの状態を選んだり、100字以内のコメントを入力したりできます。スマートフォンやPCから利用でき、家族や友人が遠方にいる場合でも素早く状況を共有する手段として有効です。災害用伝言版の詳しい使用方法は、以下の動画をご覧ください。

▼災害用伝言板(web171)の使用方法

IP無線機

災害時に比較的安定した通信手段を確保するなら、IP無線機がおすすめです。IP無線機は、携帯キャリアのパケット通信網を利用する無線機です。

スマートフォンが使える場所であれば、どこでも通話できます。災害時の通信制限を受けにくく、情報共有を素早く行える点がメリットです。また、防災用のIP無線機には水没にも耐えられる耐久性の高いモデルもあります。

災害前に準備しておくべき3つのこと

防災グッズ

災害はいつどこで発生するかわかりません。いざというときに慌てずに行動するためにも、事前の備えが重要です。ここでは、災害前に必ず準備しておくべき3つのポイントを紹介します。

1. 防災アプリをダウンロードする

災害時に役立つ防災アプリは、事前にダウンロードしておくことが大切です。「みんなの防災アプリ」や「東京都防災アプリ」は、オフライン環境でも利用できるアプリです。

災害時には通信回線が混雑し、リアルタイムでの情報収集が難しくなる可能性があります。オフラインでも使える防災アプリがあれば、いつでも正確な情報を得られるようになります。アプリの操作方法や必要な機能は事前に確認し、すぐに使える状態に整えておきましょう。

2. モバイルバッテリーを充電する

災害時は停電が長引く可能性があり、モバイルバッテリーの準備が不可欠です。大規模災害では数日から数週間にわたって電力供給が停止することも考えられます。そのため、災害時に使用するモバイルバッテリーは、充電型よりも乾電池式のものがおすすめです。

また、使わないときは機内モードをオンにしたり電源を切ったりして消費電力を抑えることも重要です。モバイルバッテリーを準備して、充電切れで大切な情報が得られなくなることを防ぎましょう。

3. 安否確認方法・避難場所を話し合う

災害時に家族と連絡が取れない可能性があるため、事前に安否確認の方法を決めておくことが大切です。通話ができないときの代わりとして、災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板の使い方を家族で共有しておくと安心です。

また、連絡が取れない場合に備えて、避難場所や集合場所も具体的に決めておきましょう。細かく決めておくことで、万が一の場合もスムーズに再会しやすくなります。

災害時に関するよくある質問

よくある質問のイメージ

最後に、災害時に関するよくある質問に回答します。

インターネットがつながらないときの対処法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

災害時は固定電話と携帯電話のどちらがつながりやすい?

災害時は、固定電話・携帯電話のどちらもつながりにくくなる可能性があります。2011年の東日本大震災では、固定電話の規制率が80~90%、携帯電話は70~95%に達しました。

大規模な災害が発生すると電話回線を使用した音声通話が制限され、連絡が困難になることが予想されます。そのため、電話以外の連絡手段を家族で共有し、災害時でも冷静に行動できるように備えておくことが大切です。

地震でインターネットがつながらないときの対処法はある?

地震などの災害時にインターネットが使用できない場合は、00000JAPANの利用を検討しましょう。00000JAPANは、大規模災害が発生した際に一部の公衆無線LANが無料開放され、誰でも利用できるサービスです。

00000JAPANに接続すれば、インターネットが無料で利用できます。ただし、セキュリティ面には不安があるので、個人情報の入力や重要なデータのやり取りは避けましょう。

災害時に困らないために連絡手段を確保しよう!

本記事では、災害時に電話がつながらない理由と対処法について解説しました。災害時は、通信回線の混雑や基地局・ケーブルの故障などによって、電話がつながりにくくなります。

災害時に電話がつながらない場合に備えて、複数の連絡手段を検討しておくことが大切です。災害用伝言ダイヤルや災害用伝言版なども利用できるため、使用方法を確認しておきましょう。

また、災害が起きる前にモバイルバッテリーの準備や防災アプリをダウンロードしておくと、災害時に冷静に行動できます。家族全員で災害時の連絡手段や避難場所を話し合い、安全を確保できるように備えましょう。