ペットは災害時に自分自身で身を守れないため、飼い主が事前に防災対策を進めておくことが重要です。突然の災害では、避難が遅れたり必要な物資が手に入らないことも少なくありません。日頃からペットの防災対策を万全にしておけば、ペットと自分の安全を守りやすくなります。
本記事では、ペット用の防災グッズの中身や飼い主ができる対策を詳しく紹介します。ペットのしつけと健康管理についても解説するので、これから対策を始めたい方は、ぜひ最後までお読みください。
- なぜペットの防災が重要なのか?
- ペットは「同行避難」が基本
- 災害時に備えるペット用の防災グッズ
- 必ず備蓄しておきたいもの
- あると便利なもの
- ペットと安全に避難するためのしつけと健康管理
- 1. さまざまな環境に慣れさせておく
- 2. 身元を表示する
- 3. 感染症予防・健康管理をする
- 災害に備えて飼い主が確認しておきたい3つのこと
- 1. 地域のハザードマップを確認しておく
- 2. ペットの受け入れが可能な避難所を探しておく
- 3. お金を積み立てておく
- ペットの防災に関するよくある質問
- 災害時に発生しやすいペットの問題とは?
- 災害時、ペットはどうすればいい?
- ペットの暑さ・寒さ対策でできることはある?
- ペットの防災対策を進めて、安心できる毎日を過ごそう!
なぜペットの防災が重要なのか?

ペットを守るためには、飼い主が災害に備えておくことが不可欠です。ペットは人間のように自分で避難場所を判断できず、災害時の混乱の中で避難やケアが後回しになることがあります。
地震や火災、豪雨などの自然災害時はペットが取り残されたり、パニックで迷子になったりするケースも少なくありません。さらに、ペットの受け入れ態勢が整っていない避難所も多く、同行避難が難しい場合もあります。
また、災害時は物資が届くまでに時間がかかり、特にペット用の物資は不足しやすい状況です。こうした事態に備えるためにも、日頃から避難方法や必要なグッズを準備し、飼い主がペットを守る体制を整えておくことが重要です。
ペットは「同行避難」が基本
災害時は、飼い主がペットと避難する同行避難が基本とされています。同行避難とは、ペットを連れて危険な場所から安全な場所へ避難することを指します。また、似た言葉に「同伴避難」があり、混同しやすいため注意が必要です。両者の違いを下の表にまとめました。
| 同行避難 | 同伴避難 |
|---|---|
| ペットを連れて安全な場所に避難すること | 避難所の敷地内でペットを飼養・管理すること |
同行避難という言葉だけが広まることで、避難所でペットと一緒に過ごせると誤解されることがあります。しかし、実際には必ずしも同じ空間で生活できるわけではありません。避難所ごとにルールが異なるため、事前に確認しておきましょう。
避難時の注意点や用意しておくべきものについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
【あわせて読みたい】ペットは避難所に受け入れてもらえる?飼い主が用意しておくべきものや注意点も紹介
災害時に備えるペット用の防災グッズ
ペットがいるご家庭では人用の備えに加えて、ペット専用の防災グッズを揃えておきましょう。フードや水などの基本的な備蓄だけでなく、避難生活で必要になるアイテムも事前に準備しておくと安心です。ここでは、ペット用の防災グッズとして必ず備えておきたいものと、あると便利なものを紹介します。

必ず備蓄しておきたいもの
災害時にペットを守るために、最低限揃えておきたい備蓄品があります。ペット用の防災グッズとして、必ず備蓄しておきたいものは以下の通りです。
- 療養食・薬
- ペットフード・水
- 予備の首輪・リード(伸びないもの)
- 食器
- ガムテープ
- 飼い主の連絡先とペットに関する飼い主以外の緊急連絡先・預かり先などの情報
- ペットの写真
- ワクチン接種状況、既往症、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報
ペットフードは少なくとも5日分、可能であれば7日分ほど備えておきましょう。ガムテープはケージの補修などに使えて便利です。また、飼い主やペットの情報をまとめておけば、緊急時にもスムーズに引き継ぎや連絡がおこなえます。
あると便利なもの
必ず備蓄しておきたいものに加えて、以下のペット用品を準備しておくと、避難生活でもより快適に過ごせます。
- ペットシーツ
- 排せつ物の処理用具
- トイレ用品
- タオル・ブラシ
- おもちゃ
- 洗濯ネット(猫の場合)
特に猫は環境の変化に敏感なため、使い慣れたトイレ砂や洗濯ネットを備えておくと安心です。排せつ物の処理用具もすぐに取り出せるようにしておけば、清潔な状態を保ちやすくなります。まだ防災グッズを揃えていない場合は、無理のない範囲で少しずつ必要なものを準備していきましょう。
ペットと安全に避難するためのしつけと健康管理

日頃のしつけや健康管理を徹底しておけば、災害時でもペットと安全に避難できます。ここでは、普段からできるペットのしつけや健康管理について紹介します。緊急時に速やかに避難できるように、普段からさまざまな状況に慣れさせておき、健康状態も整えておきましょう。
1. さまざまな環境に慣れさせておく
災害時にペットのストレスを減らすには、普段からさまざまな環境に慣れさせておくことが重要です。災害が起きると住む環境が突然変わり、知らない場所や音に触れる機会が増えます。こうした急な変化は、ペットに大きなストレスを与える原因になります。
日頃から外出や人の出入りなど、さまざまな状況を経験させておくと、災害時でも落ち着きやすくなるでしょう。また、避難所や一時預け先ではケージで過ごす時間が長くなるため、普段から慣れておく必要があります。自宅で短時間から慣らし、安心して過ごせる場所として覚えさせておくのがおすすめです。
2. 身元を表示する
災害時に迷子になってもすぐに保護してもらえるように、普段から身元を示すものをつけておきましょう。室内飼いの小型犬や猫であっても、地震や大きな音に驚いて外へ飛び出してしまうことがあります。
その際に、首輪に連絡先を書いた迷子札がついていれば、保護された際に飼い主へ連絡が届きやすくなります。さらに、マイクロチップの装着も有効です。一度装着すれば、首輪や迷子札のように外れて落ちる心配もありません。身元照会がおこなわれ、迷子になっても飼い主のもとへ戻れる可能性が高まります。
3. 感染症予防・健康管理をする
万が一の災害に備えるには、日頃からペットの感染症予防や健康管理を整えておくことが重要です。犬と猫では必要な対策が異なるため、事前にチェックしておきましょう。主なポイントを下の表にまとめました。
| 犬 | 猫 |
|---|---|
| ・狂犬病予防接種、各種ワクチン接種 ・寄生虫や感染症の予防 ・シャンプーやブラッシングの徹底 | ・各種ワクチン接種 ・寄生虫や感染症の予防 ・シャンプーやブラッシングの徹底 ・室内飼育 |
出典:Fukuoka Smart City Community│FUKUOKA ペット防災
猫は感染症や交通事故などのリスクを減らす観点から、室内での飼育が推奨されています。ペット自身の健康を守るだけでなく、周囲の動物へ感染を広げないためにも、日頃からの対策が欠かせません。
災害に備えて飼い主が確認しておきたい3つのこと

災害はいつ起こるかわからず、ペットと暮らす飼い主にとっても急な判断を迫られることがあります。災害時に落ち着いて行動するには、日頃から避難先や必要な備えを確認しておくことが重要です。ここからは、飼い主が普段から確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
1. 地域のハザードマップを確認しておく
災害からペットを守るためには、まず飼い主自身が安全であることが不可欠です。飼い主が無事でなければ、ペットを避難させたり守ったりすることはできません。
洪水・土砂災害・地震など、地域によって災害リスクは異なります。日頃からハザードマップを確認し、自分が住む地域にどのような危険があるのかを把握しておきましょう。住んでいる場所の危険度を知っておけば、避難の判断もしやすくなり、いざというときにスムーズに行動できます。
【あわせて読みたい】ハザードマップの種類をわかりやすく解説!マップ別の特徴と使い方も紹介
2. ペットの受け入れが可能な避難所を探しておく
災害時に慌てずに済むように、ペットの同行避難ができる場所を事前に調べておきましょう。すべての避難所がペットを受け入れているわけではなく、自治体によってルールも対応も異なります。
そのため、自宅での在宅避難が難しい場合に備えて、近くでペットの受け入れが可能な避難所を把握しておくと安心です。あわせて、そこへ向かう避難経路も確認しておきましょう。日頃から情報を集め、ペットと一緒に安全に避難できるよう準備しておくことが重要です。
【あわせて読みたい】ペットは避難所に受け入れてもらえる?飼い主が用意しておくべきものや注意点も紹介
3. お金を積み立てておく
災害時には、ペットに関する予想外の費用が発生する可能性があります。ケガや病気による治療費、ペットシッターや一時預かりサービスを利用する場合の費用など、状況によって必要なお金はさまざまです。
こうした急な出費に備えるためにも、普段からペット用の積み立てをしておくと安心です。大きな額でなくても、毎月少しずつ準備しておくことで、緊急時の経済的な負担を減らせます。
ペットの防災に関するよくある質問
最後に、ペットの防災に関するよくある質問に回答します。災害時に発生しやすいペットの問題や暑さ対策について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
災害時に発生しやすいペットの問題とは?
災害時には、ペットがいることで避難が遅れ、被害に巻き込まれることがあります。実際に、2019年の台風19号では、多摩川沿いのマンションの1階に住む方が、氾濫により、4匹の猫と一緒に命を落としました。
また、2011年の東日本大震災では、ペットを置いて避難した後に福島第一原発の警戒区域に指定された事例もあります。警戒区域に指定されたことで自宅に戻れなくなり、飼い主と離れたペットが餓死してしまった例も報告されています。
このような事態を避けるためにも、事前にどのような行動を取るべきか考えておきましょう。
出典:人と動物の共生センター│ペット防災|ペットがいても、安心して避難できる社会に
災害時、ペットはどうすればいい?
災害時に絶対の正解はありませんが、迷わず行動できるように家族で話し合っておくことが重要です。たとえば、ペットの受け入れが可能な避難所や、在宅避難が難しい場合の預け場所などを事前に確認しておくと安心です。
さらに、万が一の場合に備えて預けられる親戚やペットホテルなどを把握しておくと、緊急時でも慌てずに行動できます。
ペットの暑さ・寒さ対策でできることはある?
災害時でもペットの命を守るには、季節ごとの温度管理を想定した備えが必要です。犬や猫は、種類や毛の長さによって適温が異なりますが、特に夏は室温を26℃以下に保つことが推奨されています。
停電時にはエアコンが使えないため、飲み水を十分に備えることや保冷剤・冷感マットを用意するなどの準備が欠かせません。また、ポータブル電源を準備しておけば、扇風機や簡易冷却グッズを使用でき、暑さ対策として助けになります。
寒さ対策としては、毛布・ブランケット・保温シートなどを備えておくと安心です。停電したときを想定して備えを万全にしておきましょう。
ペットの防災対策を進めて、安心できる毎日を過ごそう!
私たちにとって大切な存在であるペットは、災害時も飼い主を頼りにしています。ペットは自分で避難行動を選べないため、飼い主が避難方法や必要なグッズを準備しておくことが重要です。
防災グッズの備蓄、しつけや健康管理、避難所やハザードマップの確認など、事前にできる対策は多くあります。また、避難所の受け入れ態勢は地域によって異なるため、どこに避難するのかを把握しておくことも安心につながります。災害時に迷わず行動できるように、家族で話し合いながら準備を進めていきましょう。




