避難所生活は、普段とは異なる環境での生活が続くため、想像以上に不便やストレスを感じることがあります。
飲料水・食料を中心に、携帯トイレや救急・衛生用品、下着、携帯ラジオ、安眠用品、ランタン・ヘッドライトなどを用意しておきましょう。必要なものを理解して準備しておくことで、災害時の不安や混乱を軽減できます。
この記事では、避難所生活で必要なもの7選を紹介します。また、状況別に備えておきたいアイテムもあわせて紹介するので、防災対策を進めたい方はぜひ参考にしてみてください。
避難所生活で必要なもの7選
慣れない避難所での生活は、不便でストレスを感じる方も多くいます。そのような中で少しでも快適に過ごすためには、事前の備えが欠かせません。ここでは、避難所生活で必要なものを7つ紹介します。どのようなアイテムが必要なのかわからない方は、ぜひ参考にしてください。
1. 飲料水・食料
災害時に最も必要なのが水と食料です。飲料水は、1日3Lを目安に備えましょう。500mLのペットボトルは飲みやすく、衛生的でおすすめです。
食料はレトルトや缶詰など、たんぱく質やビタミンが摂れるものを意識して選ぶと栄養不足を防げます。常温保存ができ、火を使わずに食べられるものであれば、手間がかからず安心です。お菓子やゼリー飲料など、気持ちを和らげるものも少し備えておくのがおすすめです。
2. 携帯トイレ
災害発生直後は仮設トイレがすぐに整備されないことが多く、携帯トイレも必要です。携帯トイレには、吸収シートタイプや凝固剤タイプがあり、使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
1人あたり、1日5回×3日分の15回分を目安に用意しておくと安心です。衛生を保つため、使用後に密閉できる袋や除菌シートも一緒に備えておくと、より快適に使えます。
3. 救急用品・衛生用品
避難所では感染症やケガのリスクもあるため、救急用品・衛生用品は必須です。アルコール消毒、ウェットティッシュ、マスクなどは非常持ち出し袋に入れておきましょう。また、ケガをした際に備えて、ばんそうこうや包帯などの応急処置グッズもあると安心です。
4. 下着
使い捨ての紙の下着やおりものシートもあると便利です。断水や干す場所の問題から、避難生活では着替えが難しくなります。
また、身体を動かす機会が減るため、エコノミークラス症候群の予防に着圧ソックスを用意しておくこともおすすめです。避難所では長時間同じ姿勢でいることが多く、血行を促すアイテムが健康維持に役立ちます。肌着は、通気性や速乾性にも注目して選びましょう。
5. 携帯ラジオ
インターネットやテレビが使えなくなった際に役立つのが携帯ラジオです。給水所や医療機関、安否情報を得る手段として重宝します。電池式や手回し式、ソーラー充電式のものなら、電源がなくても問題なく使用可能です。イヤホンを用意しておくと、周囲の音を気にせず情報を得られます。
6. 安眠用品
耳栓やアイマスクがあると、リラックスして眠りやすくなるでしょう。避難所の環境は、そこにいる方の生活リズムやペットの有無によって常に変化します。
不慣れな避難所生活では、なかなか眠れずに睡眠不足になって体調を崩す可能性もあるため注意が必要です。安眠用品を用意して、心地よい生活環境を確保することで、ストレス軽減と体力回復にもつながります。
7. ランタン・ヘッドライト
両手が使えるヘッドライトや、床に置けるランタンもあると便利です。夜間のトイレや移動など、暗い避難所で灯りは欠かせません。
LEDタイプは電池の持ちがよく、明るさも十分です。懐中電灯よりも自由度が高く、手が空くので安全性も確保できます。電池の予備も忘れずに備えておきましょう。
【あわせて読みたい】地震の備えは何が必要?家の安全対策から備蓄までチェックリストつきで解説!
【状況別】避難する際の持ち物リスト
災害が発生して避難が必要な場合、状況や家族構成によって必要な持ち物は変わってきます。そこで、一般的な避難グッズに加えて、状況別に備えておきたい持ち物を紹介します。乳幼児がいる方や女性の方、冬の対策もしておきたい方はぜひチェックしてみてください。
女性の場合
女性は生理用ナプキンやおりものシート、クレンジングシート、化粧水、メイク用品などを備えておくと安心です。災害時は水やプライバシーが確保しにくく、女性にとって大きなストレスとなる場面もあります。
災害のショックで生理不順になることも考えられるため、生理用品は普段より多めに準備をしておきましょう。気持ちを整えるケア用品も、必要に応じて非常持ち出し袋に入れておくことをおすすめします。
乳幼児がいる場合
乳幼児がいる家庭では、ミルクや紙コップ、離乳食、おむつやおしりふきに加え、授乳ケープやタオルも用意しましょう。さらに、おもちゃやぬいぐるみなど、子どもが安心できるアイテムがあると落ち着いて過ごしやすくなります。また、妊産婦・乳幼児専用の避難スペースの有無も事前に確認しておくと、避難時の不安を抑えられます。
冬の場合
冬は防寒着や手袋、分厚い靴下、毛布、マスク、使い捨てカイロなどを備えておきましょう。寒さの厳しい季節に避難所で過ごす場合、防寒対策が不十分だと体調を崩す恐れがあります。
特に、頭・首・足元など熱が逃げやすい部分を重点的に保温することが大切です。冬の避難所は冷え込みが厳しく低体温症のリスクもあるため、家族全員の防寒対策を確認しておきましょう。
避難所での生活で困りやすいこと

次に、避難所での生活で特に困りやすいポイントと、事前にできる対策について紹介します。
どのようなことが大変になりやすいのかを知っておくことで、必要な備えがしやすくなり、緊急時も落ち着いて行動できるでしょう。
1. 食べ物・飲み物が足りない
避難所では、食料や飲み水が十分に行き届かないことが多くあります。また、配給される食事はおにぎりやパンなどが多く、栄養バランスが偏りがちです。長期化に備えて、缶詰・乾物・レトルト食品など、手軽で保存性の高い食料を自宅に備えておくことが大切です。
飲料水は、1人1日3リットルを目安に備蓄しましょう。家族構成に合わせて、必要量をあらかじめ計算しておくと安心です。
2. スマホが使用できない
停電によりスマホの充電ができず、情報収集や連絡手段が使えなくなって困る可能性もあります。避難所の開設状況や安否確認にも、スマホは必要です。
モバイルバッテリーや手回し充電器などを日頃から用意しておき、非常時に備えましょう。また、携帯ラジオを情報源として1台持っておくと安心です。
3. 寒さ・暑さで眠れない
避難所では空調が十分でないことが多く、特に冬場は寒さで眠れないことがあります。毛布などの防寒具が必ずしも配られるとは限りません。非常用持ち出し袋には、防寒具やブランケット、手袋・帽子などを入れておくのがおすすめです。
一方で、夏は小型の扇風機や冷感タオルなども役立ちます。季節に応じた備えが、心身の負担を大きく減らします。
4. 断水で水が使用できない
災害時は避難所でも断水が起きることが多く、飲み水や生活用水が不足しがちです。入浴できない状況が続くことも想定し、飲料水の備蓄に加えてウェットシートや消毒用アルコールなども準備しておきましょう。
手洗いやトイレ後の清潔を保つことも大切です。感染症を防ぐためにも、清潔を保つ衛生用品はしっかり備えておきましょう。
避難所生活に関するよくある質問

最後に、避難所生活に関するよくある質問に回答します。
避難所へ持って行かないほうがよいものや、ペットがいる場合の避難について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
避難所に持って行かないほうがいいものはある?
避難所には、状況によっては持って行かないほうがよいものもあります。たとえば乾パンは水分が奪われやすく、飲料水が限られている場合は食べにくいため注意が必要です。
また、大量の使い捨て皿もかさばるうえ、ゴミ処理の環境が整っていない避難所では衛生面で問題になることがあります。ろうそくは停電時に役立ちそうですが、火災リスクが高く、避けたほうがよいでしょう。避難所では、安全性と使いやすさを重視した持ち物選びが大切です。
地震でペットと避難する場合に必要な持ち物は?
ペットと避難する際は、人と同じく準備が不可欠です。まずはペットフードやトイレ用品、ケージなど、日常生活に必要なものを少なくても5日分は用意しておきましょう。
災害時は同行避難が原則とされており、飼い主が安全を確保したうえでペットも一緒に安全な場所へ連れて行きます。ただし、避難所でのペットの受け入れ体制は自治体によって異なります。普段から自治体の対応を確認し、可能であれば個別の避難計画を立てておくと安心です。
非常用持ち出しバッグの用意と備蓄品チェックリスト
最後に、非常用持ち出しバックに備蓄品として入れておくと良いものをチェックリストにまとめました。この記事でご紹介した主要なものから、世帯状況別にあると役立つものまでご紹介しています。
チェックリストはダウンロード・印刷して使用できますので、ぜひご活用ください。

避難所生活を想定して必要なものを準備しておこう!
本記事では、避難所生活で必要なものについて解説しました。飲料水や食料、トイレ用品、衛生用品などは必ず非常持ち出し袋にいれておきましょう。また、女性の場合は生理用品やメイク道具、乳幼児がいる家庭では離乳食など、状況に合わせて必要なものを準備することも大切です。
非常用持ち出し袋の見直しや定期的な備蓄品の確認をおこない、災害時に落ち着いて行動できるよう備えておきましょう。日頃から意識して備えることが、家族と自分の命を守る第一歩になります。



