災害時のブレーカーの落とし方は？順番や復旧時の注意点も解説

災害時にブレーカーを落とす際は、家電のプラグをコンセントから抜き、３つのブレーカーを順に切ります。その際、安全ブレーカー、漏電ブレーカー、アンペアブレーカーの順に切るのがポイントです。

復旧する際は、安全確認してからブレーカーを上げる、全体から個別にブレーカーを上げていくことを心がけましょう。

この記事では、災害時のブレーカーの落とし方をイラストつきで解説します。また、停電から電気が戻った際の注意点についても触れています。

ブレーカーについて知ることで、万が一災害が起こった際も慌てずに対応できるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

災害時にブレーカーを落とすのはなぜ？2つの理由

災害時にブレーカーを落とす理由は、以下の2つです。

1. 通電火災のリスクを避ける
2. 感電のリスクを避ける

これらのリスクは、停電が復旧した際に発生する可能性があります。ここでは、それぞれの理由について解説します。

理由1. 通電火災のリスクを避けるため

災害時にブレーカーを落とすのは、通電火災のリスクを避けるためです。通電火災とは、地震や水害などで停電した後、電力が復旧した際に発生する火災のことです。

地震の揺れで電気コードが倒れた家具の下敷きになったり、家電製品が落下物で破損すると、火災が発生するおそれがあります。

実際に、東日本大震災で発生した火災のうち、原因が特定されたものの過半数は電気系統の出火が原因でした。避難により誰もいない家で火災が発生すると初期消火が遅れ、大きな被害につながる危険性があります。

理由2. 感電のリスクを避けるため

もう1つの理由は、感電のリスクを避けるためです。災害時には、家屋の損壊や浸水による電気配線の損傷や、家電製品の水濡れが起きている可能性があります。

その状態で停電が復旧すると、損傷したコードに触れたり、水に濡れた手で家電製品に触れたりすることで感電する恐れがあります。

【図解】災害時のブレーカーの落とし方

ブレーカーは、以下の手順で落とすと安全です。

1. 家電のプラグをコンセントから抜く
2. 分電盤を開けて3種類のブレーカーを確認する
3. 正しい順番でブレーカーをOFFにする

ここでは3つのステップに分けて、具体的な操作方法を解説します。

ステップ1. 家電のプラグをコンセントから抜く

災害時に停電が発生したら、使用中の電化製品のスイッチを切り、電源プラグをコンセントから抜きましょう。これは、電気が再び通った際にすべての家電製品が一斉に作動するのを防ぐためです。

多くの電力が一度に流れると、ブレーカーが再び落ちたり、家電製品自体が故障したりする原因になります。特に、アイロンや電気ストーブなどの熱を発する機器は、火災のリスクを減らすためにも必ずコンセントから抜いておきましょう。

ステップ2. 分電盤を開けて3種類のブレーカーを確認する

次に、玄関や洗面所などに設置されている分電盤の蓋を開け、内部のブレーカーを確認します。分電盤には、主に3種類のブレーカーが設置されています。

アンペアブレーカーは、家全体の電力供給を管理するブレーカーです。契約しているアンペア数以上の電気が流れると自動的に落ちます。

漏電ブレーカーは、漏電を検知した際に電気を自動的に遮る安全装置です。火災や感電を防ぐためにあります。

安全ブレーカーは、コンセントや部屋ごとに別れている複数のブレーカーです。電気の使いすぎやショートが発生した箇所だけ電気を遮断します。

ステップ3. 正しい順番でブレーカーをOFFにする

ブレーカーを落とす際は、以下の順番でブレーカーを切ります。

1. 安全ブレーカー
2. 漏電ブレーカー
3. アンペアブレーカー

ブレーカーを落とす際のポイントは、個別から全体へと電気の流れを遮断することです。アンペアブレーカーから先に落とすと、パソコンの電源をいきなり落とすのと同じように、接続されている機器に負荷がかかります。

災害時にブレーカーを落とすタイミング

ブレーカーを落とす最適なタイミングは、自宅から避難する直前です。

地震の場合、まずは身の安全を確保することが最優先です。大きな揺れが収まり、安全に移動できる状態になってから、火の元の確認などとあわせてブレーカーの操作をおこないましょう。

復旧時にブレーカーを上げるときの注意点

停電から電気が戻ってブレーカーを上げる際は、安全のために注意すべき点が2つあります。

• 安全確認してからブレーカーを上げる
• 全体から個別へブレーカーを上げる

ここからは、それぞれの注意点について解説します。

注意点1. 安全確認してからブレーカーを上げる

ブレーカーをONにする前に、家の中や周囲の安全を確認しましょう。

はじめに、ガス漏れが起こっていないか匂いを確認します。もしガスの臭いがする場合は、ブレーカーの操作はおこなってはいけません。窓を開けて換気し、ガス会社の指示に従いましょう。

また、電化製品のコードが損傷していないか、コンセント周りが水に濡れていないかなども確認が必要です。少しでも異常を感じた場合は、専門の業者に連絡しましょう。

注意点2. 全体から個別へブレーカーを上げる

安全が確認できたら、ブレーカーを上げます。このときはブレーカーを落とすときとは逆で、以下のように全体から個別にONにします。

1. アンペアブレーカー
2. 漏電ブレーカー
3. 安全ブレーカー

この順番でブレーカーを上げると、どこかの回路で漏電などの問題が発生していた場合に、該当する安全ブレーカーがすぐに落ちるため、問題箇所を特定しやすいです。

通電火災の根本的な対策として感震ブレーカーを導入しよう！

災害時の通電火災を防ぐには、避難時に手動でブレーカーを落とすことが基本です。しかし、外出中や就寝中などいつでも自分で操作できるとは限りません。

そこで有効な対策となるのが、感震ブレーカーの設置です。感震ブレーカーは、設定値以上の強い地震の揺れを感知すると、自動的にブレーカーを落として電力供給を遮断してくれる装置です。

不在時やブレーカーを操作する余裕がない場合でも、自動で通電火災のリスクを低減してくれます。

通電火災の原因・メカニズム

通電火災が起こる主なメカニズムは、以下のように複数あります。

• 配線損傷からの発火
• 可燃物への接触・引火
• ガス漏れへの引火
• 浸水・湿気によるショート

地震が発生すると、家具が倒れて電気コードが下敷きになる場合があります。電気コードが傷つくと、通電が再開した際にショートして発火します。

また、カーテンや紙類が散乱している状況も危険です。電気ストーブや白熱電球などの熱源の近くにあると、そのまま着火するリスクがあります。

ガス管が破損してガス漏れが起こると、復旧時にスイッチの火花が引火し、爆発的に燃え広がることもあります。

台風や豪雨などの水害にも注意が必要です。コンセントや家電製品が水に濡れると、電気が再び通ったときにショートして火災につながる危険があります。

感震ブレーカーの導入によって通電火災を防げるケース

感震ブレーカーは、手動でブレーカーを落とすことが困難な状況で効果を発揮します。

たとえば仕事中や買い物中など、自宅に誰もいないときに地震が発生しても自動で電気を遮断し、留守宅からの出火を防ぎます。

また、火災や津波の危険があり、ブレーカーを操作する余裕がないまま避難する状況でも安全を確保できます。

災害時のブレーカーの落とし方でよくある質問

最後に、災害時のブレーカー操作に関するよくある質問にお答えします。

災害時にブレーカーを落とすと火事を防げる？

ブレーカーを落とすと、火災が発生するリスクを抑えられます。地震の揺れによって電源コードが破損し、停電から電気が戻ったときに通電火災に発展する恐れがあるためです。

災害時にブレーカーを落とすときの順番は？

ブレーカーを落とす際は、以下の順でブレーカーをOFFにします。

1. 安全ブレーカー
2. 漏電ブレーカー
3. アンペアブレーカー

個別のブレーカーから、最後に家全体を管理する大元のブレーカーをOFFにするのがポイントです。

地震のときブレーカーは自動的に落ちる？

一般的な住宅に設置されているブレーカーは、地震の揺れで自動的に落ちることはありません。地震を感知して自動で電気を遮断する機能を持つのは、感震ブレーカーです。通電火災への備えとして、感震ブレーカーの設置を検討することをおすすめします。

災害時のブレーカーの落とし方を覚えよう！

災害時にブレーカーを落とすことは、停電から電気が戻った後の通電火災や感電などの二次災害を防ぐために不可欠です。いざというときに慌てず行動できるよう、ブレーカーの扱い方を覚えておきましょう。

ブレーカーを落とす際のポイントは、個別から全体の順に操作することです。いきなり全体のブレーカーを落とすと、接続されている機器に負荷がかかります。

ただし、不在時に地震が発生した場合は手動でブレーカーを落とせません。より確実な安全対策として、不在時や緊急時にも自動で電気を遮断してくれる感震ブレーカーの設置も有効です。

まだ感震ブレーカーを設置していない方は、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。感震ブレーカーは複数の業者が提供していますが、CDエナジーが提供する「震太郎」もおすすめです。CDエナジーの震太郎なら、月額330円で感震ブレーカーを使用できます。リースでのご提供となるため、故障しても追加料金なしで新品へと交換可能です。

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