災害が起きたら

停電時はブレーカーを落とすべき?理由は?停電時の対応も解説

「停電したらブレーカーはどうするべき?」
「停電時にブレーカーを落とす理由は?」
「ブレーカーが落ちてないのに停電したのはなぜ?」


停電が発生した際、このような疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。

結論として、災害の発生で停電した際、通電火災防止の観点からブレーカーを落として避難すると安心です。まずは停電範囲を確認し、家電のプラグをコンセントから抜いてからブレーカーを落としましょう。

災害以外にも、電気の使い過ぎや漏電、ショート(短絡)によってもブレーカーは落ちる可能性があるため、慌てず落ち着いて行動することが大切です。

この記事では、災害によって停電した際にブレーカーを落とすべき理由や、災害でない停電時のブレーカーの扱いなどについて解説します。ほかにも、落ちる原因や停電時の対応についても触れていきます。

記事を読むことで停電時のブレーカーの扱いがわかり、万が一の際も落ち着いて対応できるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

目次

停電したらブレーカーを落とすべき?

ブレーカーボックス

停電が起きたとき、ブレーカーを落とすべきか迷う方もいるでしょう。結論として、状況によって必要な対応が異なります。

ここからは、それぞれの内容について解説します。

ブレーカーを落とすべき場合

地震や火災、台風などの災害で避難する際は、必ずブレーカーを落としましょう。理由は、浸水による漏電や、通電再開時に損傷した電化製品から火災が発生するリスクがあるためです。

たとえば1995年の阪神・淡路大震災では、停電復旧後に倒れた家電や損傷した配線に電気が通り、通電火災が多数発生しました。避難時の留守宅で火災が発生すると、消火が遅れて被害が拡大する恐れがあります。

計画停電中に外出する場合も、通電火災防止のためにブレーカーを落としておくと安心です。自宅を離れる際の安全対策として、忘れずに確認しましょう。

ブレーカーを落とさなくてよい場合

停電が短時間で復旧する見込みがある場合や、計画停電中で自宅にいる場合は、基本的にブレーカーを落とす必要はありません。

ただし、停電中に外出する場合や、復旧時に家電の誤作動や火災のリスクが考えられる場合は、通電火災を防ぐためにブレーカーを落とします。

災害時の停電対応マニュアル

災害時に停電が発生したら、以下の対応をおこないましょう。

  1. 停電範囲を確認する
  2. 家電のプラグをコンセントから抜く
  3. 太陽光発電・蓄電システムを自立運転に切り替える
  4. 避難の際はブレーカーを落とす

上記の対応を理解することで、被害を最小限に抑えられるでしょう。ここからは、それぞれの対応について解説します。

1. 停電範囲を確認する

停電が発生したら、まずどこまで停電しているのかを確認しましょう。自宅だけなのか、近所も含めた広範囲なのかで、取るべき対応が変わります。窓から外を見て、街灯や近隣の家に電気がついているかをチェックするのが簡単です。

もし自宅だけならブレーカーの確認を、周囲も停電なら停電情報を調べましょう。具体的な対処法は「停電でブレーカーが落ちた場合の対処法」で解説しています。

2. 家電のプラグをコンセントから抜く

停電時には、家電の電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。停電が復旧した際、通電と同時に家電が作動し、発熱機器や故障した機器が火災や事故の原因になる恐れがあるからです。特に、ヒーターやアイロン、ドライヤーなどの発熱家電は注意が必要です。

また、パソコンやインターネット機器も、復旧時の急な電圧変動で故障する可能性がありますので、データを保存した後に電源を切り、プラグを抜いて安全を確保しましょう。

3. 太陽光発電・蓄電システムを自立運転に切り替える

自宅に太陽光発電や蓄電システムがある場合、停電時は「自立運転」に切り替えることで、家庭内に電力を供給できます。特に停電が長引く場合、スマートフォンの充電や照明など最低限の電力を確保できると安心です。

手動切り替えの機種も多いため、事前にマニュアルを確認し、操作方法を把握しておきましょう。自動切り替えタイプなら復旧を待たずに電力が確保でき、よりスムーズに対応できます。

4. 避難の際はブレーカーを落とす

災害時に自宅から避難する場合は、必ずブレーカーを落としましょう。停電後に電気が復旧した際、電化製品のスイッチが入ったままだと発火や漏電の原因になることがあります。

特に浸水した家屋では、配線のショートや漏電による火災のリスクが高まります。万が一に備えて避難前に主幹ブレーカーを切り、家全体の電気を遮断することで安全を確保してください。

ブレーカーが落ちていないのに停電が起こる理由

ブレーカー

ブレーカーが落ちていないのに停電が起こる理由は、主に以下の3つです。

  1. 災害が発生している
  2. 工事による計画停電がおこなわれている
  3. 送電機器が故障している

上記の理由を理解することで、万が一の際も落ち着いて対応できるでしょう。ここからは、それぞれの理由について解説します。

1. 災害が発生している

自然災害が発生すると、雷や地震、台風などの影響で電線や電柱が損傷し、広範囲で停電が発生することがあります。災害の規模によっては、復旧に時間がかかるケースもあります。停電時はまず家電のプラグを抜き、ガスの元栓を閉めて安全を確保しましょう。

また、復旧状況や安全確認のため、最新情報の確認も必要です。自宅周辺の一帯が停電している場合は、電力会社に連絡して復旧状況を確認することが推奨されます。

2. 工事による計画停電がおこなわれている

電力会社が電線や電柱の点検・修理をおこなう際、安全確保のために計画停電が実施されることがあります。この場合、事前に地域ごとにチラシやポスト投函、掲示板の張り紙などで告知されるのが一般的です。

突然の停電と思ったら、実は工事による計画停電だったという場合もあります。停電時はまず案内の有無を確認しましょう。計画停電は安全のために必要な措置であり、通常は一定時間で復旧するので、焦らず対応することが大切です。

3. 送電機器が故障している

集合住宅においては、建物内の送電機器が故障することで停電が発生する場合があります。特に共用部の照明やエレベーターも停止している場合、建物全体の送電設備のトラブルが疑われます。

この場合は管理会社や管理人に状況を確認し、必要に応じて電力会社にも連絡を入れましょう。送電機器の故障は原因の特定や修理に時間がかかることもあるため、復旧までの対応を事前に確認しておくと安心です。

災害以外でブレーカーが落ちる原因

災害以外でブレーカーが落ちる原因は、主に3つあります。

  1. 電力を使いすぎている
  2. 漏電している
  3. ショートが起こっている

ここでは、よくある原因についてそれぞれ解説していきます。万が一のときに備えて確認しておきましょう。

1. 電力を使いすぎている

最初に考えられるのが、一度に多くの電化製品を使用していることです。契約しているアンペア数を超えると、アンペアブレーカーが作動して電気が遮断されます。

特に電子レンジ、オーブン、エアコンなど消費電力の大きい家電を同時に使うと起こりやすいので注意が必要です。契約アンペア数が小さい家庭は、契約アンペアを見直すことで落ちにくくなります。

ブレーカーが落ちた場合は、家電の電源を切りコンセントを抜いてからブレーカーを戻しましょう。複数の家電を同時使用しないように工夫することも有効です。

2. 漏電している

漏電とは、電気が本来流れるべき回路の外へ漏れてしまう状態のことです。漏電によって感電や火災が起きる危険があることから、漏電ブレーカーが作動し電気の供給を遮断するのです。

漏電の原因はいくつかあり、電化製品の劣化やコードやプラグの破損などが考えられます。たとえば長年使っている家電やコードの被膜が傷んでいると、電気が本来の通り道から外れて漏れてしまうことがあります。

そのまま放置すると、感電や火災の危険もあるため、異常を感じたら早めに専門業者に点検してもらいましょう。

3. ショートが起こっている

ショートが起こると大量の電流が一気に流れて火災に発展する恐れがあるため、ブレーカーが作動して電気供給が遮断されます。ショートとは、配線同士が接触することで通常の経路を通らずに電流が流れることです。

万が一ショートが疑われる場合は、すぐに電源を切り、専門業者に点検・修理を依頼しましょう。

停電でブレーカーが落ちた場合の対処法

停電でブレーカーが落ちたときは、停電の範囲を確認しましょう。ここからは、それぞれのパターンについて解説します。

自宅だけが停電している場合

自宅だけ停電しているときは、どのブレーカーが落ちているのか確認しましょう。ここからは、それぞれのブレーカーが落ちていた場合の対応について解説します。

1. アンペアブレーカーが落ちている場合

アンペアブレーカーが落ちている場合は、契約しているアンペア数を超える電力を使ったことが原因です。たとえばドライヤーや電子レンジ、エアコンなど、消費電力の大きい家電を同時に使うと、アンペアブレーカーが作動して電気を遮断します。

復旧する際は、まず直前に使っていた家電の電源を切り、プラグを抜いてからアンペアブレーカーをオンにしましょう。家電の同時使用を控えることで、再発防止にもつながります。

2. 漏電ブレーカーが落ちている場合

漏電ブレーカーが落ちている場合、家のどこかで漏電が発生している可能性があります。漏電の状態で電気を使い続けると、感電や火災のリスクが高まるため、早急に以下の対処が必要です。

  1. すべてのブレーカーをオフにする
  2. アンペアブレーカーと漏電ブレーカーをオンにする
  3. 各安全ブレーカーを1つずつオンにして漏電ブレーカーが落ちる回路を特定する

以上の対応で漏電の疑いがある家電を見つけた際は、その電化製品のプラグを抜き、修理や交換を検討します。それでも解決しない場合は配線や外部の原因で漏電している可能性もありますので、電気工事店など専門の業者に依頼しましょう。

3. 安全ブレーカーが落ちている場合

安全ブレーカーが落ちた場合、過剰な電力使用や家電の故障、配線のショートが原因です。この場合、以下の方法で復旧をおこないます。

  1. 落ちたブレーカーの場所を確認する
  2. 使用していた家電の電源を切るか、プラグを抜く
  3. 安全ブレーカーのスイッチをオンにする

復旧後は1つのコンセントで使用する家電の数を減らし、負荷を軽減することが大切です。過剰な電力を使うことがないように気をつけましょう。

近隣も停電している場合

近隣でも停電が発生している場合、地域全体の電力供給に問題が起きている可能性があります。まずはスマートフォンやパソコンを使用し、電力会社の公式サイトやSNSで停電情報を確認することが重要です。

情報が見つからない場合は、直接電力会社に問い合わせて状況を確認しましょう。

停電やブレーカーに関するよくある質問

よくある質問のイメージ

よくある質問は、以下の通りです。

あらかじめ疑問を解消することで、万が一の際に対応できるでしょう。ここからは、それぞれの質問に回答します。

停電の際はブレーカーを落としたほうがよいの?

災害時の停電では、避難する際にブレーカーを落とすことが推奨されます。これは、電気系統に問題が発生したり、復旧時に電気が急に供給されて危険な状態になったりするのを防ぐためです。

停電の復旧時には、火災や感電、ヒューズが飛ぶなどの電化製品の故障が起きるリスクがあります。

また、災害時以外でも、電気の使い過ぎや漏電などが原因でブレーカーが落ちることがあります。復旧の前に問題がないか確認するのが望ましいため、ブレーカーは落とした上で対応し、安全を確認したら復旧しましょう。

停電したらどこに連絡する?

停電した際、電力会社が停電情報を提供している場合もあるので、まずは電力会社の公式サイトやカスタマーサポートにアクセスします。それがない場合は、電力会社に停電が起きていることを連絡しましょう。停電の原因や復旧の目処について案内を受けられます。

連絡の際は住所、名前、電話番号などの基本情報と、停電の範囲や特定の状況を伝えることが大切です。

ブレーカーを上げても電気がつかないときは?

ブレーカーを上げても電気がつかない場合、以下のようにいくつかの原因が考えられます。

  • ショートが起こっている
  • 漏電している
  • 電力会社に問題がある

ショート回路が発生していると、ブレーカーが自動的に落ちることがあります。この場合、すべての電気機器をコンセントから抜き、再度ブレーカーを上げて確認してください。

漏電している場合も、ブレーカーを上げても電気がつきません。その場合は、すぐ電力会社に連絡する必要があります。

また、近隣で停電が発生している場合や、電力会社の設備に問題が起こっている場合もあります。その場合は電力会社に連絡して状況を確認しましょう。

災害による停電は避難前にブレーカーを落とす

災害による停電時には、避難する際にブレーカーを落とすことが重要です。特に地震や台風などの自然災害では、電気設備や配線に損傷が生じる可能性があり、そのまま電気を使用すると火災や感電のリスクが高まります。

また、避難後に再度電気を使用する際にも、安全を確認してからブレーカーを上げることが大切です。

避難中にブレーカーを落としておくことで、火災の原因となる可能性のある過剰な電力消費を防げます。ブレーカーを適切に操作して電気に関連するリスクを減らすことで、安心して避難できます。

万が一停電が発生した際は、この記事で紹介したポイントを参考にしてみてください。